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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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81/205

仮題『遭』/『頑張る』/『星』

言いたいことはそれだけ?

たまには休みなよ。

誰も怒ったりしないって。

仮題『遭』


選べるものなんて 一つもない

落ちてきた雨粒を避けられぬように

わたしたちの行く末には ただ

純粋な偶然が寝転んでいる


それを 受け入れられないのなら

波打つ気候に 疾まぬように

骨を開いて 足の代わりに

疼痛の道を 歩いてゆこう



仮題『頑張る』


手の届くところにあった螺子を

きりきり きりきり 巻いてゆく

切れたのなら 何度でも

屈したのなら 幾度でも


いつか 私の腱が伸び切って

断裂の痛みを もたらすのならば

その前に 凭れることを許してくれる

誰かの背を 貸してほしいのです



仮題『星』


第三宇宙速度の思考では

カウス・アウストラリスを睨んで泣いていた

あなたの気持ちも理解できないままで

この宙船は 燃え尽きてゆくのでしょう


思いは死なず 空に輝くのだと

答え合わせもできない 曖昧を遺して

あなたが今も 照らしてくれるのならば

わたしはひとり 塵にでもなろうか


くらい、くらい、そらのたび。

たまにはどうかな、そんなのもさ。

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