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仮題『過誤』/『Select』/『捨てる』
次へ、次へと、後回しだね。
非対称でよかったね。
まだ歩けるじゃない。
仮題『過誤』
誰も 教えてはくれなかった
硝子の橋を渡ってはいけないのだと
石英の水を飲んではいけないのだと
誰も 教えてはくれなかった
鳥の言葉は嘘だらけなのだと
肺咳の子供は 死んでしまうのだと
誰も 教えてはくれなかった
この場所がもう 行き止まりなのだと
仮題『Select』
右 左 岐路に立つあなたは
どちらかに進む権利がある
仕事 家族 間に立つあなたは
どちらかを選ぶ義務がある
朝 夜 どちらを選ぼうとも
時は等しく流れてゆくのだから
生 死 呼吸を続けるあなたは
どちらか選べると 気付いてしまう
仮題『捨てる』
削って削って削って削って
削いで削いで削いで削いで
待つことのできない弱さを
誤魔化すために 理論で固めて
誰の手を取ることもできないような
折れた骨の痛みに苛まれながら
削り出すためと 言い聞かせたものが
単なる喪失であると気付くのだ
強がりはサムいよ。
我慢は白けるよ。




