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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
7/205

仮題『怒り』/『診断』

許してあげなよ。

『怒り』


ぐらぐら 煮立つ

ぐらぐら 煮立つ


腹の底で (あばら)を叩く音がする

押し込める手には火傷が浮かび

ケロイドの壁が痒みを誘う


差し出された 冷たい水さえも

今は癒やしにも慰めにもならず

狂おしいほどに ひりついて

いつかの発散を待っている



『診断』


硝子(がらす)が割れるような音だった

それは命が砕ける音であり

一方で 霧に捧げる音だった


「先生、病名は何なのでしょう?」

「病ではなかったのです」


それはあなたが備えた機能であり

一方で 最後の血管を断つ機能だった

薬ばかりが増えていくね。

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