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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
5/205

仮題『船旅』/『信仰』

眠れない夜もいいじゃない。

『船旅』


壁紙に走った罅 薄ら寒い寝付き

汗に塗れて崩れていく夜

ただ 不安だったんだ

ただ 言ってほしかったんだ

そこにいてもいいんだって


自分を許せない 針の歌

血の玉が浮いて 泣いて縛って

夜が明けるまであと十秒


そうしたら きみを迎えに行こう

未確認の舟で 迎えに行こう



『信仰』


そうあれかし

九つの門を潜るより前に聞いたのです

そうあれかし

あれは母の呼ぶ声でした

針仕事の合間に 私の名を呼んだのです

そうあれかし

黒い馬が来る前に響いたのです

そうあれかし

あれは父の断末魔でした

左腕を捥がれる直前に すべてを呪ったのです

そうあれかし

そうあれかしと

ただ呟けば 救われるのです

疑わないでよ。

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