表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
49/205

仮題『一つずつ』/『君の隣で』/『恋情』

正直者が馬鹿を見るんだよ。

はあ、いつから待ってたの?

仮題『一つずつ』


確かな実感が この手にはあった

取り巻く声も 通帳の額も

羨みや僻みの視線だって

飽きるほどには 増えていたのに


たった一度で失うなんて

築いた城が 砂山になるなんて

誰も教えてはくれなかった

そう言って 彼の首は落とされた



仮題『君の隣で』


一緒にある公だなんて確かな実感が この手にはあった

取り巻く声も 通帳の額も

羨みや僻みの視線だって

飽きるほどには 増えていたのに


たった一度で失うなんて

築いた城が 砂山になるなんて

誰も教えてはくれなかった

そう言って 彼の首は落とされた



仮題『君の隣で』


一緒に歩こうだなんて 思わない

まだらの空から 鉄の雨が降り

縛られた傘は 一つしかないから

わたしは 手放してくれて構わない


それでも どうか 指の骨ひとつ

それだけでもいいから

哀れに死にゆくわたしの欠片を

あなたのそばに 置いてください



仮題『恋情』


羊の鳴き声が聞こえていた

葬列に並んだわたしはずっと

緩慢に死に続けていたのだと

白黒の世界を悔いていた


渇いたネオンテトラの目玉を

愛おしげに見つめるあなたの

輪郭に色彩がまとわりつくのを

寂しいままで 眺めていた


名前をつけよう、アルビレオ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ