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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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47/205

仮題『心の免疫』/『孤独』/『満月』

生きていくしかないんだよ。

私も、あなたも。

仮題『心の免疫』


強くなることと 傷付くことを

勝手なイコールで結ばないでよ

この痛みも いつかは愛せるだなんて

嘘っぱちだとわかっているんだ


燃えたマニュアル くすんだセオリー

全部 全部 もう結構

瘡蓋だらけの不格好な心を

引き摺りながら生きていくんだ



仮題『孤独』


被った面の皮 結構 結構

じゃないと 笑うには苦すぎて

馬鹿になりたかったんだ

それができればよかったんだ


欲しいものを欲しいと言えず

畢竟 右向け右には従えず

吐息で燃やした蟲の毒

大丈夫 誰でも最期はひとりさ



仮題『満月』


満ちることは 足りることではなく

次の欠落を恐れることなのだと

あなたは 身を投げる前の晩に

私に教えてくれましたね


あらゆるものは いつか欠け

確かなものなど一つもないのなら

どうして 次の月が満ちるまで

共に生きてくれなかったのでしょう?


コドク、だね。

朝とか夜とか、どうでもいいよ。

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