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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
34/205

仮題『しりとり』/『星の数』

私の恋人は、これから綴る文章たちだけだよ。

仮題『しりとり』


産声と 消えかけのリトルクライ

幾多の道を選び取る前に

滲んだ 空の藍色こそ

揃いの未来と睨んだのだ


だからこそ 君は筆を執り

理由もないまま 心に駆られ

恋慕(れんぼ)も満足に抱けぬまま

真白の紙を愛するだろう



仮題『星の数』


からり 見上げた頭蓋の空

(きら)めきは 記し残した知識と情動

それを丁寧に摘み取って

君に 夜の花束を贈ろう


いつか みんながいなくなった後に

額の内側に残された面影に

残された題名を思い出しながら

息絶える重みに 安らげるように

ほら、あれをごらんよ。

君の無様な人生だ、悪くないだろう?

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