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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
2/205

仮題『病熱』/『わたし』

さよならくらい言ってよ

『病熱』


鉛の雨を飲んだ

きみが笑ってくれるから

(ただ)れた胃の()の熱すらも

誇らしく押し込められた


けれど いつしか一人になっていた

内側から喰い破られていく

ああ あの熱がまだ(くすぶ)っているのだ


ぼくは とけおちるのだ



『わたし』


両目に釘の罪人が(わら)

腹を裂かれた妊婦が(にご)

値せぬと 破った鼓膜と

外連(けれん)に焦げ付く即興詩


人に向かぬと確かめた

(えぐ)れ抉れと積み重ねた

そんなきみの起床時刻だ

葬列に並べ 諦めを零せ


何にもなれぬ命なのだと

いい加減認めてしまえよ

私だって嫌だよ

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