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仮題『君の名』/『不眠』/『普通』
悲しいから、忘れたいんだけどね。
眠れないんでしょ?
私と一緒。
仮題『君の名』
並んだ文字列
順列 組み合わせ
指先で繰る言葉の群れに
どうしてか 胸が高鳴る
それが指すものを
きっと 細胞が欲しているから
口に出して呼ぶたびに
血管を奔り 喜んでいるのだ
仮題『不眠』
喉の奥から 虚しさが
焦りを伴い 体温が
呼吸をどこまでも濁らせるから
微睡みは遠のいてしまう
息を吸って 酸素は命に必要だから
口に含んで 水は命に必要だから
それでも瞼が落ちぬなら
すべて忘れて 歌ってしまおう
仮題『普通』
定規をあてて切っているのに
何故か がたがたになる
隣り合った色相を
頭の中で 乱雑に混ぜてしまう
奥底に響く言葉を
いつまでも否定できずにいる
軽々しく口にされるそれは
私が なりたかったものだ
私もさ、なれるものならば。




