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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
10/205

仮題『無言』/『無言-2』/『諦めない』

あなたも無口な道化なの。


そんなはずじゃなかったんだよ。

『無言』


見慣れた顔の亡い世界は

ずっと息がしやすかった

囁きも声も死んでしまって

肺に水が溜まっていたから


白む空に(ひび)が入り

いつか 血の色が掠れるまでに

言葉を取り戻せたのなら

人魚姫は 海に還るでしょう



『無言-2』


それは柔らかく 冷たかった

胸は穏やかな上下を止め

瞳は天を(にら)み からりと渇いた


だらりと投げ出した手足と

ぽかんと 丸く開いた口

滴る色は 黒く変わり初め


次にあなたが覚醒(めざ)めたら

ランドリーまで 行けるように



『諦めない』


それは呪いだった

いつまで逃げても肩を叩かれる

希釈(きしゃく)された影法師のように

私の背を撫でるのだ


焦がすように 愛でるように

冷やすように ()り抜くように

やがて彼岸に渡るまで

いつまでも縛り続けるのだ

もう、辞めちゃいなよ?

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