表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
1/205

仮題『蛇蝎』/『心中』

蛇だって空を夢見たんだ。

蛇蝎(だかつ)


(ほの)明るい道を行く

往路は逆立ち 蛇の背か

尾から頭に抜ける生臭さが

幾重にも串を打ってゆく


あれは彼の墓標だという

彼を弔うのは 彼だけだった

今はだらしなく垂らした舌が

ただ しゃくりあげるばかりだ



『心中』


鳥の頭を喰らったのは

緑内障の瞳が おれを見つめていたから

その苦しみすらも胃液に溶かして

二度と会えなければよかったのだ


大切だとすら知らなければ

地獄への道も易かったのだ

いま おれの足は根を張って

凌遅(りょうち)の罰を受けているのだ


きみが大切だったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ