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莉央ちゃんとタイムスリップ!【短編シリーズ】  作者: LED
第5話 日本武士のルーツ編
22/56

プロローグ:いつもの

* 今回のあらすじ *


 俺は歴史好きの高校生、下田しもだ一郎いちろう

 クールな幼馴染・莉央りおちゃんと共に、古代~平安時代の日本にタイムスリップしていたぜ!


「元寇の時にも見た、日本の武士の皆さんはハッキリ言って変態装備です。

 馬に乗り、重厚な大鎧を着て、デカい和弓や槍や刀や、とにかく何でも使いこなします」


 なぜ日本の武士は誕生したのか? 一人で何でもできる「ぼくのかんがえたさいきょうのへいし」でなければならなかったのか?

 今回はどう考えてもポッと出の農民からは到底生まれ得ない、凶悪すぎる戦闘集団のルーツに迫る!

「いや~今週号の話も面白かった!

 しっかしまあ。なんかスゲエ時代になったモンだな……」


 俺は週刊少年誌をパラパラめくりながら、感慨深げに呟いた。


「どうしたんですか、下田さん」


 そんな俺に声をかけてきたのは、毎度おなじみクールな幼馴染・莉央(りお)ちゃんだ。


「どうってホラ! 最近新しく始まった歴史モノの漫画だよ。

 しかもいっつも定番の戦国とか幕末じゃねえ。結構マイナーな鎌倉末期・南北朝の時代を描いた作品なんだぜ!」

「なるほど。確かにこの漫画家さん、実績のある方ですが……今回の題材選びにはわたしも驚きました。

 しかしながら、この時代は知名度が低いというだけで、エンタメとして十分通じる濃い面子が揃っていた時代でもありますからね」


 濃い面子。その点に関しては俺も、深く頷かざるを得ない。

 かつて俺と莉央ちゃんは、日本史でも有名な元寇(げんこう)の時代にタイムスリップした事がある。

 あの時、俺たちはつぶさに「鎌倉武士」という、マジキチヤクザ集団の勇猛っぷりを嫌というほど見せつけられたのだ。


「しっかしさー。あれから俺、世界のマジキチ……じゃなかった、戦闘集団について調べたんだよね。

 そしたらさ、気づいたんだよ。日本の武士って、世界的にも類を見ないほどの変態的な武装なんだって事」


 西洋東洋で有名な戦闘集団の実例を挙げると。

 たとえばモンゴル軍に代表される騎馬民族には、軽装の弓騎兵がいる。ヒット&アウェイを得意とする機動力と、飛び道具による長い射程が武器だ。

 そしてヨーロッパによくいる重装騎兵。ランス突撃による突進突破力がウリで、これを歩兵が止めるには相当の損害を覚悟しなければならない。

 だが日本の武士はどうか? 絵巻物とかに描かれている彼らの装備を見ても分かるが――ゴテゴテした大鎧を身にまとい、メッチャ幅の広い和弓をメインウェポンとする、「重装の弓騎兵」なのである。


「下田さん、実にいい所に気がつきましたね。確かに日本の武士の装備は、効率や実用性を考えるとあり得ない謎武装です。

 しかしこれにもちゃんとした理由があったりします。鎌倉・室町時代の武士というのは、基本的にオールラウンダー……つまり一人で何でもできる人材でなければならなかったんです」

「オールラウンダーねえ。普通こういうのって、一芸に秀でてるっつーか、ひとつの技術に特化するモンだろ?

 そうした方がスキルも伸ばしやすいし、全部の武芸を磨くよかずっと手間いらずじゃねーか」

「その疑問にお答えするには――古代日本の歴史をざっと、かいつまんで見ていく必要が……あっ」


 はい、今回もやって参りましたタイムスリップ。

 具体的にどこに飛ばされるのか見当もつかないけど、莉央ちゃんの言う「オールラウンド」なバーサーカー集団が誕生した理由ってヤツ、見極めてやろうじゃねえの!

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