結界の中の誓
僕の目の前には明らかに怖がっている少女がいる。僕もこの世界の人に会うのは初めてだからなんて言えば良いか分からない。見たことがあるかもしれないがあの時の自分には眼中になかった。それでも、
『お前が、僕を呼び出したのか?』
威圧感が出ないように比較的優しく言うが5歳の少女には怖かったらしくさっきよりも怖がっている。
ヤバいな、これじゃあ話にならないよ。
『そうなんだろ、主?』
僕がそう言うと今度は顔を青ざめて目尻に大唾の涙を浮かべてしまう。 なんで!?
もしかしてこの姿が怖いのかな?それなら人間に変身した方がやりやすいかな?前前世では見向きもしなかったけど今ではこれが一番使えるだろう確か、
『スキル 幻術』
僕がそう唱えるとまた自分の体が小さく光り出した。
数秒後、僕はゆっくりと目を開ける。そこには目を限界まで広げた主がいる
僕は自分の体を見る。先程の銀色の毛はなく、スラっとしている人間になっていた。成功したな。
「こっちの方が話しやすいでしょ?」
未だに状況が掴めていない少女。これが普通だとしても結構結界にも魔力を失っていて、もったいなく感じてしまう。 確かこれなら、
『スキル 暖和 恐怖耐性付与』
そうすると、先程の震えも止まり、幾分か落ち着いているようだ。しかし相手に自分の耐性を渡してしまうと自分にも強大な魔力を、相手にも少しずつ魔力が吸われている。それでも主自身の魔力も多いから少しは持つだろう。