私と俺の思い出
私は見城壇。皆からはまーちゃんって呼ばれてる。私は日常のちょっとした出来事を写真に収めることが大好き。幼稚園の頃は常に一眼レフを持ち歩くほどの写真好き。破壊もされていない自然を撮るのが大好き。なのだけれども…。
「ふふっ。今日も綺麗な自然だなぁ。もうすぐ梅雨かな。」
今日も紫陽花が綺麗に咲いていた。
「おい。また撮ってんのかよ、ただの花を。」
ムムっ。この声は…。
「凰紀!勝手に紫陽花を摘まないで!自然破壊はダメだよ!」
上山凰紀。家が近く、親同士はとても仲が良い、ただのバスケ少年。飽きっぽい性格で、姉が2人。1人は12歳年上、もう1人は14歳年上。今日もバスケのボールを持って来てる。でも、いつもと違うような?
「ふっ。俺の知ることか。いつまでそうやって、写真撮ってんだよ!飽きねぇのか?」
「飽き性のあなたにだけには言われたくない言葉ね。あなたこそ、飽き性のくせにバスケットボールは飽きないじゃない。」
「う、うるせえ!」
「あ、ちょっと!一眼レフ取らないでよ!」
「へぇ結構高そうな感じじゃん。この外見と名前からして。」
「そりゃ、一眼だもの。あなたこそ、このボールは高そうね。あら、メード・イン・アメリカ。へぇそれは高そうね。」
「お前!俺のボールに触るな!」
「あなただって、私の一眼レフ取らないでよ!」
「ったくー!」
「ふー。」
険悪な空気が、私達の間を流れた。周りの園児達もその空気を察してか、近づいてこなくなった。でも、視線は私たちの方に。視線が痛い…。
「はぁ。分かった。はやく配置について。」
またいつもの仲直り。今回は私だ。
「へいへい。分かりましたよーだ。」
「返事ははい、1回ね。いつも親に言われてるでしょ?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「うーん!いいシュートじゃん!」
完璧!私のコレクションにふさわしい!凰紀も満足してるし…。
「それじゃ、これからは自然破壊はしないでね!」
「お前こそ勝手に人のボール取るなよ!」
これが、私たちの仲直り。
こんなふうに私達は3年間の幼稚園生活を送った。喧嘩もしたり、お互いの家で遊んだり、楽しく過ごした。
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そして、卒園式。
「凰紀君は、どこの学校に行くの?」
お母さんが聞いた。え?なんで?いいじゃん、どこでも。家が近いだけ。それでいいじゃん。小学校まで揃えたいの?
「え?なんで?」
思わず聞いてしまった。
「いや、気になるからなぁって」
曖昧な返事すぎて逆に驚きが隠せない。
「凰紀は、葛洋小学校に行きますよ。」
え…。待って!葛洋小学校?それって来年から私が通うところじゃない?!
「まーちゃんはどこ行くの?」
「同じです!いやぁ、小学校まで一緒なんて、運命ですかね?」
「えぇそうですよ!きっとそうです!」
「そうですよね。ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あははは」
「ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あははは」
何これ。まるで計算していたみたい。何?親の計算通り?なんで後6年間、上山凰紀と一緒にいないといけないの?
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
思わず大きなため息が漏れてしまった。と、
「あ、檀!」
いきなり呼ばれてびっくりした!泉彩か。泉彩とは大の仲良し。と言っても年長で初めて同じクラスになったんだけど…。石橋泉彩。私はいずちゃんって呼んでる。誰とも仲良くできて、責任感の強い、お姉さん的存在だ。他にも氏川香里奈と3人で仲良しだ。
「いずちゃぁぁぁん。」
「いよいよ卒園だね。そういえば檀はどこの小学校行くの?」
「葛洋小学校だよぉー。いずちゃんは?」
「私も!葛洋小学校だよ!」
「やったぁあ!!!」
「そう言えば、檀ママと凰紀ママさっきからずっと話してるよね。私、凰紀と同じ小学校だけは嫌だなぁ。」
「実はね…。」
「え?まさか…。」
「そう、そのまさか。」
「えぇー」
「最悪!」
「ホントだよ!」
「もう!神様が私達を見過ごしたんだ!」
「そうだよ!きっとそうだよ」
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でも決まってしまったことは仕方がない。でも同じクラスにだけはなりたくないな。
そんなこんなで3月が終わり、4月。いよいよ入学式も6日に迫ってきた。入学式の時に着る服も買ってある。お姉ちゃんから手紙ももらって。あぁ。嫌だなぁ。
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そしてその日から6日が経った。
はじめまして、宮川結衣です。中学2年生です。好きな本は恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』で、好きなアニメは『暗殺教室』です。
さて、作中に登場する人はみんな本名ではありません。ちなみに凰樹くんとは今も同じ学校に通っていて、中学になってからはずっと同じクラスです。
こんななんの面白味もない作品をご覧いただき誠にありがとうございました。次回もどうぞ!