99 冒険者Aさんと師弟の会話 ①
あらすじ:皆で仲良くお風呂タイム
視点:Eランク冒険者 ソーサラーLv1 ノブユキ・ムトウさん
『』:アルファさん
「あの・・・お師様、就寝前に申し訳ありませんが
今日の訓練の事で、幾つかお聞きしたいのですが?
あっ、ミケお姉様の毛づくろいは
そのまま続けて頂いて結構ですので・・・」
本日行われた訓練の、最後の最後に出た疑問。
いえ、疑問と言うか、その内容に驚愕した出来事。
想像通りであれば、とんでもない話なのですよね。
『(もそもそ)んー? なんや~?』
「(すりすり)はふぅ~~~ん。
ほら、ユキさんも、ああ言ってますし
ご主人様はもっとミケを甘やかして下さいね~」
「ほわぁ・・・(こしこしこし)」
「えっとですね・・・お師様。
ギルドのリマさんにお渡ししていた
【フルーツ水】の事なのですが・・・。
あの素材は、お師様のご親戚の方から
送って頂いたとおっしゃってましたよね?」
『(な~でな~で)おー? せやで~。
この間、俺の義叔父貴がたっぷり送ってくれたんや。
ん? それがどうかしたんか?』
「あ、あの・・・お師様の叔父様と言うと
あのロクロウ様の事ですよね?
将軍家で武道指南役もされていたと言う・・・」
「(しゃわわしゃわわ~)おっ!? 指南役やっとった事とか
ユキが生まれるよりも随分前の事やのに、よう知っとんな~。
せやで~、その義叔父貴の事や~。
あ、こら、ミケ! もぞもぞ動くな。」
「(すりすりすり)ご主人様~。
よいではないですかよいではないですか~」
!!?
・・・・・・や、やはり間違ってなかった!!
そ、その方って、【闘匠】の敬称で呼ばれ
歴代の武道指南役の中でも三指に入ると言われる
達人中の達人の方じゃないですか!?
「お、お師様? ロクロウ様って、今は確か・・・」
『(な~でな~でな~で)ん~? 義叔父貴か?
今は【ホウライ】に居んで~?
何か向こうで、先人と意気投合したとか言っとったな。
果樹園とか薬草育てて悠々自適に過ごしとるらしいわ。
わはは、羨ましいこっちゃなー』
「(はむはむはむ)もむもむもむー・・・はぷっ。
たまに【五十六商会】経由で手紙と一緒に
向こうの収穫物を送ってくれるんですよ。
この間は桃とか杏とか送ってくれましたし。
他にも色々送ってくれますよね
あっちの汲みたての美味しい水とか?」
「と・・・、という事は、訓練の際に
ギルドの、リマさんにお渡ししていた
あの【フルーツ水】というのは、ひょっとして・・・?」
『(ぽんぽんぽん)おー、アレか?
アレは義叔父貴が送ってくれた霊峰の水に
【銀光の実】と【ホウライ桃】を丸ごと放り込んでなー
追加でたっぷりの氷砂糖と林檎の絞り汁入れるやろ?
あとはおまけで【フェニックスの産毛】を数枚入れて
1週間寝かせたら出来上がりや!』
「・・・・・・な、なるほど・・・!?(ふるふる)
や、やはり【ホウライ】産の【仙桃】だったのですね。
{不老長寿の妙薬}と言われる【仙桃】を惜しげもなく。
は、はは・・・さすがはお師様です」
地位、金、栄誉、その類の頂点に立った権力者が
必ずと言っていい程に追い求める不老不死。
実在するのかは知りませんが【アムリタ】や
【ソーマ酒】に【ネクタル酒】などの飲み物。
錬金術の世界では有名な【エリクサー】や
世界樹とも呼ばれる【ユグドラシル】の葉や露。
不老不死と言えば、必ず挙がるそれら妙薬の中でも
【ホウライ】の産物はある意味、別格なのですよね。
水に草木に果実、そして薬は実際に存在するし
不老不死まではいかなくとも、{老化鈍化}や
{若返り}の効果がある事は実証されてます。
その為、金に糸目を付けずに入手しようとする者が
後を絶たないとか何とか・・・。
『わはは。
でも、ユキはある程度予想ついとったんやろ?
若いのに凄いな、ユキ。
よっしゃ、えらいな!(なでなでなで)』
「!? ・・・え、えへへへへ(にまーーー)」
「(すりすり)ご主人様~~!
ミケの頭も撫でて下さいまし~~~!」
・・・ふふ、誉められるって嬉しいな。
こうやって、頭を撫でて誉めてくれた事って
幼い時に母様や芸子のお姉様方からされただけ。
やっぱり、嬉しいな。
それにしても・・・。
正直、【ホウライ】で汲まれた水と言うだけでも
すごい価値なのに、そこに【銀光の実】と【仙桃】。
・・・それって、もう
{不老長寿の妙薬}と呼んでも、過言ではないのでは?
『(なでなで、なでなで)いや、ちゃうでー?
【ホウライ桃】ってゆーてもな、実の方やねん。
ユキ、この桃に関わらずやねんけどな?
基本的に、葉とか根とか樹皮とかの方が
実よりも薬効高くてな、薬とかにはそっち使うんやで。
これから、まー色々調合するようになるやろうけど
覚えといて損はないでー(ぽんぽん)』
「え、えへへへへ(ふにゃーー)・・・はっ!?
な、なるほど、ご指導ありがとうございます。
さすがはお師様ですね(にまーーー)」
「・・・・・・ふみゅ(こっくりこっくり)」
そ、それなら、せいぜい{滋養強壮}に{老化鈍化}と
{新陳代謝活発}ぐらいの効能なのかな?
他の材料も、氷砂糖と林檎の絞り汁に
【フェニックスの産毛】と普通の物ばかりだし。
・・・・・・・・・えっ?
【フェニックスの産毛】!?
あ、あの不死鳥【フェニックス】の?
う、う、産毛!?
えっ!? えええええっ!??
「(すりすり)はにゃ~~~~。
・・・・・・ユキさーん?
ご主人様のなさる事を、一々気にしてたら
この先大変ですわよ~~?
{なるほど}で納得しておく事をオススメしますわ~」
「・・・・・・はい。
さ、さすが、お師様ですね!」
『ん、何の話や?
・・・あ、サクちゃん、もう寝ちゃっとんな。
ほれほれ(ぱさっ)風邪引くから
ちゃんと布団被って寝るんやで~(ぽんぽん)』




