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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
93/401

93 冒険者Aさんと挑戦者あり!!

あらすじ:ブラコン姉弟はかなり拗らせているようです。


視点:ムトウ家 忍衆の上級ニンジャ ユキヒデさん

『』:アルファさん


「「正々堂々と勝負するでござる!!」」


(シーーーーーーーーーーーーン)


『そんじゃ、始めるけど(ごそごそごそ)

 (ぽんっ)ユキはこれ使ってくれるか?

 (ぽんっ)で、サクちゃんはこっちな。

 多分、盾と鈍器のセットって

 今まで使った事は無いと思うけど

 順に解説しながらやるから

 皆でボチボチいやってこーなー?』


「はい、お師様」


「あ、ふぁ、はい!」


『ロバやんとサバミソとモブ子ちゃんも

 前にやった時は、やり方だけで

 その意味までは教える時間無かったし

 今度はそこら辺も交えていくからなー』


「は、はい! うおっ」


「わかりました、よろしくお願いします」


「わ、わかったんだな。

 おで、頭悪いし、ちゃんと聞かないと!」


(ガヤガヤガヤ、ゴソゴソゴソ)


「「無視するなでござるよ!!!!!!!?」」



 ・・・・・・オクニ様とノブシゲ様。


 さっきの話が頭からすっかり抜けてるのだろうか?


 まるで反省の色が無い。


 それにしても、シゲジから・・・


 弟のシゲウジから襲撃時の様子は聞いてるが


 アルファ殿の実力というのは、実際どうなのだろう?


 一瞬で2人共取り押さえられたらしいが


 直接手を下したのは、従者の方とも聞いている。


 お2人共、奥方様より武の才を継いでおられたらしく


 幼少期から、その才は周囲も認めていた程。


 そして、成長された現在は


 【行者】として、少なからぬ活躍をされておられる。


 そのお2人をあっさりと下す、従者のミケニャン殿。


 ・・・正体は【大妖狸】と聞いたが、真実とすれば


 強いなんてものじゃないだろうな。


 そのミケニャン殿を倒し、従者にしたと言うのだから


 ・・・アルファ殿、恐るべし。


 一体どのような訓練をされるのだろうな。



「勝負でござるよ! 勝負!! 勝負!!!

 ユキちゃんをお姉ちゃんから取り上げるなんて許せない!!」


「そうでござるよ!! 兄上は!!

 拙者達と一緒に【行者】をやるんでござる!!!

 どこの馬の骨とも知れない人の所に嫁ぐなど!!

 あ、いや! 弟子になるなど!!

 認められないでござる!! 勝負するでござるー!!!」


(ギャーギャー、ワーワーワー)


「・・・2人共、いい加減にしようか?(ごごごごごご)」


「(びききっ)・・・ご主人様。

 もうキレて良いですか?

 キレちゃっても良いですわよね?」


「あらあら、まあまあ~。

 困った子達ね~~」


『わはは。

 まー2人共、そう怒んな怒んな。(ぽんぽん)

 丁度、ええ訓練思いついた事やし

 やってみんのも悪くはないやろ』


「「勝負するでござるか!!!?」」


『俺が・・・とはちゃうけどな。

 キミら2人と、こっちの3人で模擬戦といかへんか?』


「「模擬戦?」」


『せやでー。

 それに、こっち3人とはゆーても

 3人共、【行者】のランクやと【下級】やし

 内2人に至っては、後衛と補助クラスやしな。

 勿論、近接戦の訓練やから、魔法・飛び道具無しや』


「(げらげらげら)あはははは! ご主人様~。

 手加減したミケに一瞬でやられた挙句

 その事も理解できてない、名ばかりの雑魚サムライ達じゃあ

 こっち側は3人も要らないんじゃないですか~?

 冒険者に成り立て、しかも非戦闘クラスな

 サバミソとローの2人でも十分すぎるんじゃないかと?」


『わはは。

 そうゆーたるなや、ミケ。

 聞いた話やと、その子ら武家育ちで、鍛えられとって

 【行者】としても? 評価高いらしいやん?

 まー、俺もぶっちゃけ3人も要らんよーな気はするんやけど

 丁度、連携の練習にもなるしなー。

 ・・・・・・んで、どうすんのや?

 それでもええんやったら?

 模擬戦で相手したってもええんやで?(にっこり)』



 ・・・これは、お見事と言わざるを得ない。


 あのお2人では流石に・・・。



「やったらーーーー!!!! 受けて立つでござる!!!!」


「ムカーーーーーー!? その言葉忘れるなでござるよ!!

 模擬戦だか何だか知らないでござるが、返り討ちでござる!!」



 ああ・・・やっぱり・・・。


 煽り耐性の無いお2人では、そうなるでしょうな。


 いつの間にか勝負を挑む側から受ける側に変わってるし・・・。


 対人の訓練だと思うが、利用する気満々じゃないですか。


 ・・・うーむ・・・それにしても。


 短期間でお2人の性格を見抜く眼力と言い。


 息の合った煽り誘導と言い、大した主従ですなあ。



『っちゅーわけで、すまんけど

 ユキとサクちゃんは少しだけ見学や。

 モブ子ちゃんとロバやん、サバミソもそれでええか?

 まー、勝敗は気にせんと、訓練の一貫と思っとき。

 対人戦闘を経験しとくには、丁度ええ機会やし

 先にやっといた方が、後からの説明がやりやすいしな。

 まー、向こうの準備まで時間ありそうやし

 人数が多い時の戦い方を簡単に教えとくわ』


「では、ミケが審判しますよ、ご主人様。

 双方に危険が無いように上手い事やりますので」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ザワザワ、ザワザワ)


「それでは、どちらも準備はよろしいですね?」


「「応っ!!!」」


「えっと、私は大丈夫です」


「ぼ、僕も、だ、だ、大丈夫です、うおっ」


「おでも大丈夫なんだな、うう・・・ドキドキするんだな」


『それはそうと、ミケのその格好は何なんや?

 わざわざ変化までしとったけど』


「何って、ご主人様。

 黒装束の{黒子スタイル}で{両手に紅白旗}と言えば

 【フソウ】での由緒正しい審判の格好じゃないですかー。

 常識ですよ常識!!

 ・・・それでは、始めますよー?」


『何の常識やねん。

 まあ、ええんやけどなー』


(ピタッ、シーーーーーーーン)


「それでは、いざ、尋常に・・・勝負、開始っ!!」


「「参るっ!!!」」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「うむ、良い試合でござったな」


「そうね~、見甲斐のある面白い試合でしたわ~。

 慣れてない分、個人の動きはまだまだでしたけど

 3人が役割をしっかりと果たして立ち回っていた点は

 私的に、とっても評価高かったですわ~」


(ザワザワ、ガヤガヤ)


「「・・・・・・」」



 うーーーーーーーーーーーむ。


 確かに、拙いながらも要点を抑えた良い立ち回りだった。


 里から連れて来た配下達にも見習って欲しいぐらいだな。


 これは、あちらも良い訓練になったと思うが


 我々にしても、色々と得る物があった。


 ・・・・・・ああ、そうか。


 恐らくこれも、ご主君と奥方様の目論見通りなのだろう。


 あそこでしょげ返っている、お2人の同行を認めたのは


 この展開を予想しておられたからなのだな。


 全く、我らが主人ながら、相変わらず恐ろしいお方達だ。


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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