91 冒険者Aさんとランクアップ
あらすじ:凡人を磨くのは凡人なのだ!
視点:Eランク冒険者 ポーターLv2 ロバートさん
『』:アルファさん
「(にこっ)は~い、ロバートさ~ん。
これで、ランクアップ完了ですよぅ~!」
「ど、どうもなんだな、インディアさん」
「(にこにこ)それにしてもぉ~、良い調子ですね!
この間クラス変更してから
今度は1週間でFからEにランクアップ。
おまけにぃ、新スキル2つ覚えれましたし。
クラスもLv2に上げれましたしね~?
この調子でぇ、頑張ってくださいね!!
・・・(ぼそっ)私の評価にも繋がりますし」
「あ、ありがとうなんだな。
これも、アルさんとミケさんのおかげだし
おで、サバミソくんと一緒に頑張ってみるんだな」
「(どんっ)おい、用事終わったんならどけよ!
ったく{ノロマのロバ}のくせによ!」
「あっ、ご、ごめんなんだな(すごすご)」
朝は3日前にモブコさんとサバミソくんと一緒に行った
{討伐クエスト}の報告をしてたんだども
アルさんが、ギルドに用事ができたらしく
おで達のランクアップも兼ねて
お昼から皆で【冒険者ギルド】へやってきてたんだ。
おでだけ担当が違うから
インディアさんの所で手続きしたんだども。
・・・しょ、正直おどろいただ。
前に働いていた商隊が海でモンスターに襲われて
おでは、運良くこの町に辿りつけたども
着の身着のままで、お金も無いし知り合いも居ないだ。
最初、デルタさんに冒険者登録をしてもらった時は
当然、ソロでやるしかなくて
2週間やっても、ランクアップどころか
まともにクエストも達成できなかった、おでが。
担当がインディアさんに変わった後も
見かねて斡旋してくれた臨時パーティでも役立たず。
ノロマだ、グズだ、役立たずだ、と言われ続けて
報酬もろくにもらえなかった、お、おでが・・・。
た、たった1週間でランクアップ。
し、しかも新しくスキルを2個覚える事が出来たし
おまけに【ポーター】もLv2に上げれたんだな。
・・・・・・ゆ、夢じゃないだか?
『(ぶんぶん)おーい! ロバやーん。
手続き終わったんやったら
こっち、合流してくれるか~?』
「あ、はい、なんだなアルさん」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
『で、どーやった? ロバやんにサバミソ。
ランクアップとスキルは問題なかったやろ?』
「あ、はい! 大丈夫でした、うおっ」
「お、おでも、だ、大丈夫だったんだな。
あっ、そうだ、アルさん。
あと、クラスも1つ上げれるって言われたんで
上げてもらったんだども、大丈夫なのかな?」
『そらもう、大丈夫! めっさ大丈夫やで。
サバミソも上げてもらったしな。
予想外にポイント溜まっとって、良かった良かった。
特に、この間の{討伐クエスト}で
がっぽり稼げたって感じやなー。
これも、モブ子ちゃんが引率してくれたおかげや。
うんうん、ありがとうな! モブ子ちゃん!』
「い、いえ、私の方こそありがとうございます。
私も、ようやくDランクへ上がれましたし・・・。
それに、実際の所、ロバートさんやサバミソ君が
想定外に頑張ってくれたおかげで
かなりの数の【鎧ネズミ】を倒せたのが大きかったです」
「サバミソもローもEランク。
そして、モブ子ちゃんも遂にDランクですし。
これで、受けれるクエストの範囲も広がりましたね~」
『そういや、モブ子ちゃん。
【ファイター】のLvは上げんで良かったん?
今はLv3やし、【専用スキル】って
もう既に6つ以上は覚えとるんやろ?』
えっと、さっきインディアさんに教えてもらった内容だと
確か・・・そのクラスのLvを上げる条件は
そのクラスの相当Lvまでの【専用スキル】を
次のLvと同じ数まで覚える・・・だったはずなんだな。
つ、つまり?
おでの場合、【ポーター】をLv3に上げたいと思ったら
【ポーター】Lv1か2で覚えられる【専用スキル】の中で
どれか3つを追加で覚える・・・で合ってるはずなんだな?
今、3つ覚えてるから、Lv3になるには
【専用スキル】は全部で6つ覚えてないとダメなんだな。
そ、その条件をクリアすれば、規定のポイントを消費して
クラスのLvが上げれる・・・だったはずなんだな。
「え? あ、はい。
今回分も加えて【専用スキル】7つ覚えてますので
Lvを4に上げる事もできたんですけど
クラスLv上げちゃうと、加護も強くなるじゃないですか?
色々と戦闘技術を教えてもらいましたし
もう少し、今の状態で体に馴染ませたいんですよね」
『わはは、えらい!
えらいな、モブ子ちゃん!!
今後もその気持ちは持ち続けてなー?
基礎固めは大事な事やし、初心も忘れるべからずってな。
どんな技術もスキルも、体に覚えこまさんと
いざって時に使われへんもんな。
サバミソもロバやんも、モブ子ちゃんをお手本にな~』
「はい! うおっ」
「わかったんだな!」
「ちょ、そんな大層なものじゃないですよ! もう!
からかわないで下さい、恥ずかしいじゃないですか!」
うん、モブコさんを見習わなきゃなんだな!
おでは頭良くないけど
その事は絶対に忘れないようにしないと。
そ、そういえば、前にアルさんから聞いてたんだな。
クラスのLvが上がれば、【クラス補正】っていう
加護の力が強くなるんだっただか。
Lv1から2だと体感できる程の差はないんだども
Lvが上がれば上がる程、強化される加護の力が増えるって。
「そうらしいですよ? ロー。
【クラス補正】はLv差でかなり違うって聞きますね~。
まっ! ミケにはLvなんて関係ないんですけどね~!
【大・妖・狸】!! ですから!!!!(ふんすふんす)」
『いや、ミケ・・・お前。
【妖怪】から【大妖怪】に変わった後
全然、力の制御できてなかったやないか。
俺がどんだけ苦労したと思っとんのや!?(わしゃわしゃ)』
「あふんっ!!?
何をおっしゃいますか、ご主人様ー!!?
大事な大事なミケのお世話ですよ!?
苦労だなんて、そんなまさかまさか!!
むしろ、癒されたんじゃないですか!?(すりすり)
ですよね? ほら、そうおっしゃってくらはい!!
おっひゃって・・・おひゃー(くんかくんか)」
「わわ・・・ミケ様がふにゃふにゃに!?」
「なるほどなるほど・・・さすがお師様です!!
あれは、伝説の秘奥義と言われる【ナデポ】!!」
「「「「【ナデポ】!?」」」」
「はい。
【フソウ】に伝わる書物、【奥義大百科】によれば
初見の相手でも、頭を撫で撫でするだけで
ポッと惚れてさせてしまう奥義だそうです。
その一連の様から【ナデポ】と名付けられたとか!」
「そ、そんな奥義が!?」
「す、すごいですアルさん! うおっ」
『なんやねん、それ。
いや、俺も初耳やねんけど?』
「いえ、それがですね、お師様。
えっと・・・(ごそごそ)あ、この本です。
この本の・・・(パラパラ)
ありました、ここ、ここです。
実際、ここに書いてありますので
どうぞご覧になってください」
『どらどら・・・うわ・・・ほんまや。
え? マジでそんな奥義が実在すんのかー。
で、でもアレやろ?
こうゆーのってマイナーな部類やと思うんやけど
あんまり知ってる人もおらんのちゃうか?』
「えっ?
いえ、私の同年代では知らない者は居ないほど
人気のある(大衆向け娯楽)書物ですね。
あ! そう言えばなんですが
類似の奥義に【ニコポ】というのも・・・」
「あ、あの・・・(もじもじ)
お、おと、おとう・・・あうあう(かあっ)
・・・・・・あ、アルファ様。
確かに、その書物は、里や外の町でもよく見かけました。
特に男の子が夢中になってたのを覚えてます」
『はーーーー!? マジでかー!!?
そ・・・そうなんや・・・。
若い子らの間ではそんなの流行ってるんや。
おっちゃん知らんかったわ。
商人として流行物には気をつけとる
・・・つもりやったんやけどなー。
ちょっとショックや・・・(がくっ)』
「何をおっしゃってるんですか! ご主人様!!
【ナデポ】だか何だか知りませんけど
そんな事、どーでもいい事じゃないですか!!!
大事なのはご主人様がほら!(すりすり)
ほら!(すりすり)こうするだけで!!(すりすり)
ほうふるはにゃへ(すりすりぺろぺろ)
ひへはほにゃほにゃほにゃほにゃ(べろべろべろべろ)」
「ええ、そうですよ!!
お師様は奥義を伝える側なんです!
細かい事を気にされる必要なんて全くありませんよ?
ですので、ほら! 試しに! ね?
私も撫でてみて下さいよ、お師様!!(ずいっ)」
『へ? お、おう?
(なでなでなで)こんな感じでええんか?』
「ほわぁー(ぽっ)」
「・・・あ! あのっ!! え、えっと!!
そ、その・・・あうう(もじもじ)」
『お? なんやー?
サクちゃんもか? ええでええで。
(なでなでなでなで)どうやー?
こうゆーのは遠慮せんでええからな?
どんどんゆったらええからなー』
「え、えへへ・・・(ぽーーー)」
「ああっ!! ミケも!!(ばびょん)
もっとミケにも!!(ばびょんばびょん)」
・・・こ、これが伝説の奥義【ナデポ】なのかな。
単に面倒見の良いお兄さんとかお父さん的な何か?
おでには、そ、そんな風に見えるんだども・・・。
あ・・・リマさんがこっちに歩いてきてるんだな。
あわわわわ、顔は笑ってるけど、おででもわかる。
あれは、か、かなり怒ってるんだな!?
何かリマさんの背後に{ゴゴゴゴゴッ}って文字が
見えないけど見える気がするんだなっ!!?
「(びきびきびきっ)あの・・・そういうのは
他所行ってやってくれませんか?
というか、はっきり申し上げて邪魔ですので
用が済んだのでしたらどうぞお帰りを(ぐぎぎぎぎ)」
「「「「「『す、すみません』」」」」」




