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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
89/401

89 冒険者Aさんと素朴な疑問 ⑥

あらすじ:アルファさんにロリコンのエロ親父疑惑が発生。


視点:Fランク冒険者 ソーサラーLv1 サーバクン・ミーソットさん

『』:アルファさん


『・・・って訳で

 昨晩、軽く顔合わせしたけど

 こっちが新しく弟子になったノブユキくんで

 こっちが新しく養子になったサクちゃんな。

 皆、仲良うしたってやー』


「あらためまして、ノブユキと申します。

 よろしくお願いしますね。

 サーバクンさんにロバートさん」


「さ、さ、さ、さ・・・サクと申しますです!

 あ、あのあの、よ、よろしくおねがししましゅ!

 あううう(かああああああ)」


「おほほ(噛みましたね、かわいい)」


『わはは(噛んだな、かわいい)』


「僕はサーバクン・ミーソットといいます。

 よろしくお願いしますね、うおっ。」


「お、おではロバート。

 よ、よろしくお願いしますなんだな」



 えっと、一応、昨晩戻った時に


 軽く事情を教えてもらって

 

 顔合わせも済ませましたが


 こっちの女の子がノブユキさんで


 こっちの女の子がサクさんですね、覚えました。


 あれ?



「えっと、アルさん。

 ノブユキさんって女性なんですか?

 男性って聞いていたような・・・、うおっ」


『あー、昨晩その辺は言い忘れとったか。

 いやいや、ちゃうんやでー。

 ちゃーんと男の子やったわー』


「・・・ん”ん”ん”ん”っ!?

 えっ、それって確認したって事ですか?

 どうやって確認したんですか、ご主人様っ!?」


『わはは。

 まー、それよりも呼び方なんやけどな。

 俺はサーバクンはサバミソ。

 ロバートはロバやん。

 ノブユキはユキちゃん。

 サクは・・・そのままサクちゃんでええやろ。

 そうやって呼ぶからなー』


「・・・ご主人様、後でその辺キッチリ聞きますので。

 ちなみに、ミケはミケニャンですけど

 ミケさん、と呼んでもらっていいですわよ?

 もしくは、ミケお姉さん、でも構いませんけどね」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「あ、アルさんアルさん。

 そ、そういえば、1つ疑問があるんだな」


『ん? どないしたん、ロバやん』


「ゆ、ユキさんは{弟子}って聞いたんだな。

 アルさんは、おで達に色々教えてくれてるけど

 {弟子}っていうのは、な、何か違うのかな?」


『あーーー、なるほどなー。

 えーっと・・・例えばやけど。

 俺とな、ロバやんやサバミソは{先生と生徒}が近いな。

 教えるんは教えるけど、{こんなんあるよー}って

 知識として、見せて聞かせて教えとるだけやねん。

 絶対身につけなアカンって強制してる訳でも無いしな』


「な、なるほど?・・・{先生と生徒}ですか? うおっ」


「もしくは、言い方は少しアレかもしれませんが

 {保護者と被保護者}って関係が一番近いですね。

 保護しちゃったからには、最低限面倒見ますよーって」


『あー、まあ確かにな。

 言い方はアレかもしらんけど、それが一番近いな。

 ほら、サバミソは【リューグー】から外へ出てきて

 右も左もわからんやろし、そのうち、帰るつもりやろ?

 だから、俺らがこの町に居る間ぐらいは保護して

 【リューグー】へ帰るまでの間を生きる方法やら何やら

 教えたっても別に問題はないやろーって事や』


「ふむふむ、なんだな」



 そうなんですよね。

 

 アルさん達って、見返りも何も求めないで


 僕を保護してくれただけでなく、色々教えてくれて・・・。


 ずっと不思議には思ってたんですよね。


 うーん・・・今はまだ無理ですけど


 絶対に何かの形で恩返ししないと!!!



『ちなみにロバやんも似た様なもんやけどな。

 事故で今まで培ったもん全部失って

 前にも後にも進まれへん~って聞いてもうたやん?

 ギルドの担当の子も難儀しとるみたいやし

 サバミソと組むのに丁度良さそうやったしなー。

 同情もせん事は無いんやけどな

 それ以上に、育てたら俺らにもメリット有るし

 利害関係で援助しとるって感じが近いかな』


「ふむふむ・・・アルさん、ありがとうなんだな。

 おで、単なる同情や親切でって言われるより

 そっちの方がありがたいんだな。

 おで、頑張るんだな。

 頑張って、アルさん達に恩返すんだな」


「(ぷるぷる)わ、わ、わたしも!! わたしも!

 が、が、ががんばってごごご恩に!!」


「まあ、そう気負わなくても平気平気。

 ご主人様はそんな事おっしゃってますけどね

 燻ってる人とか見たら、じれったくなって

 おせっかいしたくなる癖があるんですよ。

 別に恩返ししてもらいたい訳では無いんです。

 ここまで来ると趣味ですよね、趣味。

 みーんな、拾ってもらって幸運~程度に

 考えた方がいいですよ?」


「ふむふむ、なるほど。

 ミケお姉様は面白い考えされるんですね」



 ひ、拾ってもらって幸運・・・。


 いいんでしょうか、それで。


 ま、まあ、今はそう考えて


 好意に甘えるしかできないんですけどね。



『んー、ちょっと話が逸れてもーたな。

 それでな、{師匠と弟子}の場合なんやけど。

 弟子ってのは、師匠からすると

 その分野における集大成、証明でもあるんや。

 極端な話、弟子がその分野において

 師匠を越えてくれるのが一番ありがたい訳やな。

 だから教えるのに一切手は抜けへん。

 当然、死ぬ覚悟で覚えてもらう。

 いや、死んでも教え込む』


「し・・・死んでも!? うおっ」


「それはそうでしょうねー。

 弟子が無様な事になれば

 それは、そのまま師匠の評価にも繋がりますからね。

 師匠も命懸けで教え込むってものですよ~」


「はい、そうですね。

 【フソウ】では特に秘伝の武術や秘術。

 そういった達人に弟子入りした場合。

 教え込む過程で死ぬ事も珍しくないとも聞きますし

 出来が悪ければ、師匠が始末をつけた。

 ・・・そんな事もよく耳にします。

 勿論、私もその覚悟で弟子入りを志願していますので」


「か、覚悟、すごいんだな、ユキさん。

 な、なるほど。

 弟子についてはわかったんだな、アルさん」


『えーーーー!? いやいやいや。

 俺は一般的な師弟の覚悟をゆっただけやで!?

 俺にはそこまでの覚悟とか別に要らんから。

 重い、重い、重いから。

 そんな重い想いは要らんから!?

 そもそも、ユキちゃん希望しとる分野って

 【付与術】とか【錬金術】やろ?

 俺も、別にその道の達人とか専門家とかちゃうし。

 よっぽど、気ぃ抜いた事とかせん限り

 まったり~ほどほど~な感じでやるつもりやねんけど』



「ご主人様のその辺の技術って

 既存の技術を、発想の転換的な用い方したら

 別の物が出来上がったって感じですよね。

 使い方も別の用途から生まれた物が大半ですし」


「そうなのですか、お師様?」


『お師様・・・まあ好きに呼んだらええけど。

 そうなんかと聞かれたら、せやでー。

 大概、何かの採取中とか、工作中とか。

 他にキャンプ中とか料理中とか

 釣りしてる時に思いついたりとかもあったなー。

 な? 幻滅したやろ?

 今やったらまだ・・・』


「素晴らしいです! お師様!!

 私が覚えたいのは、身につけたいのは

 正にそういった生活に関係した技術なんです!!

 ああ!! あああ!!!

 やはり、お師様は素晴らしいお方ですぅ(うっとり)」


「・・・ご主人様マニアには逆効果でしたね、ご主人様」



 はわわわ、何か、ユキさんが両手を前に組んで


 目をキラキラさせてアルさんを褒め称えだしました。


 普段は大人しい方っぽかったのに・・・。


 きっと、アルさんをすごい尊敬してるんですね!!



「そういえば、お師様。

 私は、弟子入りの代償として

 具体的に何かご指示はありますか?

 いえ、勿論身の周りのお世話から雑用など

 そういった事はさせて頂きます(決定事項です)が。

 それとは別に何かありましたら、申し付けて下さい」


「え? アルさん、ミケ姉さん。

 弟子というのはそう言う仕事をするのが

 普通なのですか? うおっ」


「まー、大体どの国でもそんな感じですよねー。

 大概、弟子とかって、師匠の所に住み込みですし。

 身の回りの世話したり、お使いや雑用したり?

 あー、師匠の代わりに出稼ぎなんてのもありますよね。

 後は・・・実験台になったりとか?」


『あったなあ・・・【死霊魔術師(ネクロマンサー)】の所やったっけ。

 何か子供が弟子入りしに行ったまま音沙汰が無いから

 様子見てきてくれ~って依頼で見に行ったら

 実験台にされとって、既に死んどったやつなー』


「そ、そんな事があったんだか?」


「ありましたよ~。

 しかも、その子、【ゴースト】になってまして

 本人も納得尽くで実験台となってたんですよ。

 おまけに、事前に契約書までちゃんと書いてたから

 結局、法でも裁けないし、お咎め無しでしたわ。

 それで依頼出してた親御さんが怒り狂って

 危うく依頼料貰えなくなる所だったんですよ~?」


「ひええ・・・そんな事あったんですね、うおっ」


「それにしても、どうしましょうかね、ご主人様~。

 身の回りのお世話も雑用もミケのお仕事ですから

 既にやってますし~」


『逆に俺がお前のお世話する事の方が多くないか?

 雑用はともかく。

 ・・・・・・せやなー。

 低級素材の採取とか地味にありがたいけどな。

 サバミソやロバやんと組んで行かせるのも有りやし』


「実用的なのは、そんな所ですかねー?」


「・・・あっ!?・・・お、お師様。

 わ、私、他の代償、聞いたこと有ります」


『おっ? 何やー。

 ある程度はユキちゃんの希望聞いたるから

 どんどんゆってええでー』


「・・・・・・(まさか)」


「あ、あの・・・!!

 {夜のご奉仕}や{肉体関係}とか

 聞いた事が・・・あります!」


「ふぁっ!? やっぱりかっ!!!?」


「「あわわわわ」」


「?」


『えーーー・・・・。

 いや、それも聞いたことはあるけどやな』


「だ、大丈夫です!!

 私、お、お師様が望むなら!!!」


「な、何っ!! そこで押してくる・・・だと!?」


「えっ!? あ・・・アルさん」


「あわわわわわ」


「???」


『いや、望まんから。

 そんな事、せーへんせーへん』


(ガラーーーーーーーーーーーーーー!!!)


「何で望まないのじゃああああ!!!(たらーーー)」


「ちょ!? フジョ様!!!

 あなた、何で窓からっ!!!??

 っていうか鼻血垂れてますよ、鼻血っ!!!!」


『・・・・・・神様も鼻血って出るもんなんやな』


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猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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