82 冒険者Aさんと弁解者
あらすじ:フソウに伝わる謝罪最終兵器 DO・GE・ZA !!
視点:本当は激おこの大妖怪ミケニャンさん
『』:アルファさん
「「・・・・・・(ゲザーー!!!)」」
初手、【土下座】!!?
ようやく弁解できそうな人が来たと思ったら
初手、【土下座】ですよ!?
・・・なんか、その主君さんとやら
どこかで見た事あるような無いような。
「(もがもが)むーー!! むーーーー!!!」
「(もがもがもが)むむむむむ(ぐねぐねぐね)」
『・・・・・・で?
めっさ久々やん、キヘエ。
お互いに色々話したい事はあるやろうけど
とりあえず、何がどうなってこうなったん?』
「(むくっ)・・・ああ、久々でござるな。
本当に、色々話したい事があったのでござるが
まずは子供達の非礼を詫びさせて欲しいでござる。
・・・この度は迷惑をかけて申し訳ない!!
この通り!! 許して欲しい(がばっ)」
「「(もがもが)むー!?」」
「あーーーー。
どっかで見た事ある人だなーと思ったら
キヘエさんでしたかー。
10年ぶりぐらいでしたっけ?」
『いや、【レオ王国】のあの件に関わる前に
【ドラント王国】で会っとるから、6年ぐらい前やろ。
ま、どっちにしろ久々なんは確かやなー。
・・・んで、何がなんやって?』
この【土下座】ってる人の名前はキヘエ・ムトウ。
{ムトウ家}の現在の当主で
若くして知略・軍略に非凡な手腕を発揮し
将軍家直属の【旗本】となってからも功績を上げ続け
軍事面だけでなく、政治面でも明るい事から
今では将軍家に加え、朝廷にも派遣されていて
主に【フソウ】の東側で活躍中・・・だったはず。
なんで、そんな要職のお偉いさんがこの辺境の国に?
「ええと・・・順を追って説明させてもらうでござる」
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『・・・えーー、あーー、つまり。
結局はそこの2人が勝手に暴走しただけって事か』
えっと、話を要約すると、こうですかね?
キヘエさんの長男のノブユキさんが
両親の話や、各地の逸話を聞いて
すっかりご主人様の大ファンになっており。
弟子入りしたいと常々言っていたけど
中々その機会が無かったので半分諦めていたら
今回、【冒険者ギルド】から【行者組合】へ
要請があって、丁度いいや~とばかりに
一家揃って【タンゴの町】へやってきた・・・と。
・・・あー、そういえば
アホのじーさんが、この間言ってた
ギルドに相談役を招いたって、この事ですか。
・・・で、長男さんが弟子入り希望なのを知った
次男さんと長女さんが先走って暴走。
護衛の目を盗んでここへ直行。
長男さんが弟子入りをするのに相応しいか
ご主人様の実力を見極める為に問答無用で襲撃。
あっさりと返り討ちにあって、今の有様・・・と。
なるほど、やれやれですねー。
「・・・ご主人様ー?
正直、ミケ的には、あまりにも馬鹿馬鹿しいので
燃やしていいんじゃないかと思いますよー?」
『せやな』
「(がばっ)いやいやいやいや!!?
頼むでござるよー!! アル殿~!!!
拙者の事を友と思って下さるなら
どうか、どうかーーー!!!!」
「(ひしっ)お願いします! それだけはお許しを!!
もし、どうしてもと言うなら、私が代わりに!!」
「(もがもが)むーーー!!! むーーーー!!!」
「(もがもが)むーむっむっむっむー」
何か、もう面倒臭い。
・・・でも、まあ。
今の所は保留でしょうかね?
そもそも、ご主人様。
最初から、あの2人の正体には勘付いてたようですし?
でなければ、躊躇なんかする訳ないですし?
いつもなら、捕縛したら、即行【小オイル】で
燃やし尽くしてたはずですから・・・。
多分、黒幕うんぬんよりも
襲ってきた理由が知りたかったんでしょうね~。
ぬっふっふっふ、ミケとご主人様は以心伝心!
恐らくそうかなと思って、ミケも手加減したんですよ!
『いや、まあ、ええんやけどな。
時間的には、ぼちぼち来る頃やと思うし』
「そうですね。
いくらなんでも、もう来るんじゃないでしょうか」
(ガヤガヤガヤガヤ、ゾロゾロゾロゾロ)
「あらあら~。
あなた、地面に座ってどうなさったの~?」
「あっ!!? ま、マリ!!」
「うむ? これは一体・・・?」
「おじさま~! ウチが案内はバッチリと~~!
って、なんやこれ!?」
「えっ!? 何? 修羅場? 修羅場でっか!?」
・・・・・・ほら、来ました。