80 冒険者Aさんとまったり主従
あらすじ:ギルドマスター痴呆症疑惑
視点:食っちゃ寝大妖怪 ミケニャンさん
『』:アルファさん
(シャッシャッ、スッスッ)
「(ごろり~ん)ふぁあ~~~~~~~~。
最高れす~~~~~~~~~(ぐでーーー)」
『ミケのこっちの姿も久々やな。
(なでなで)うんうん、やっぱ、ええ毛並みや。
こっちのがブラッシングもはかどるな~』
(シューーーッ、シューーーー)
「(すりすり)はふぅ~~~~~ん。
そうですね~~~、今は人化の状態が
本性になっちゃいましたからね~~~。
まあ、100年慣れ親しんだ姿ですから
愛着はこっちのがありますけどね~~。
(ぐりぐりぐり、くんかくんかくんか)
でも、町中で過ごすなら人の姿の方が便利ですし。
ご主人様のお手伝いもしやすいですしね~~。
服や装飾品を身につけるのも楽しいですし。
でも、何よりも味覚!(ふんすふんす)
やっぱり、味覚が全然違うんですよ~」
『(なでなで)俺にはよーわからんが。
やっぱり、そうなんやろな。(ひゅぱっひゅぱっ)
お前、今の姿に変わってから
ホンマ、色んな料理食いたがったからな~
最初の頃なんて、まだ感覚が馴染んでない上に
加減もわからんかったから。
しょっちゅう、まん丸体型のお相撲さんに・・・』
「おほほほほほ!? 何の事でしょう、ご主人様!
な・に・も・無・か・っ・た!!
ですわよね!!?」
『わはは、ええやないか。
アレもまた、ええ思い出ってやつやで?』
「わ~す~れ~て~く~だ~さ~い~!!!
(ぐりぐり、ふんすふんす)・・・あ、そう言えば
サバミソ達は今頃うまくやれてるんでしょうかねー?
結局、Fランク推奨はすっ飛ばして
Eランク推奨の{討伐クエスト}に
3人で行かせちゃいましたけど・・・」
(シャッシャッシャッ)
『(わしゃわしゃ)・・・せやなー、まー。
よっぽどのアクシデントでもない限り問題ないやろ。
そもそも、Fランク推奨の討伐って
普通の獣か、一般人でも割と倒せるモンスターやし。
ロバやんとモブ子ちゃんはともかく(なでなでなで)
サバミソは初陣みたいなもんやしな。
あまり弱すぎる相手でもアカンやろ(わしゃわしゃ)』
「(ぐで~~ん)はふぅ~~~ん。
そうなんですよねぇ。
初戦の相手って、この先も基準になっちゃいますから
苦戦・・・まではいかないとしても(かぷかぷ)
適度に緊張するような相手でないと(かじかじ)
モンスターって存在を侮っちゃいそうですしね~」
『せやなー。(もふもふもふ)
この辺のモンスターは、王都周辺に比べたら
比較的倒しやすいのばっかりやから(もふもふ)
Dランクどころか、CランクやBランクですら
火力ゴリ押しが通じると思っとるのが多いしな。
ま、引率にモブ子ちゃん居るし問題ないやろ』
「(すりすり)わふわふわふ。
そうですねー、モブ子ちゃん。
可もなく不可もなくで、突出した才も無さそうですし
まさに凡人! まさにモブ子ちゃん! って感じですが
逆に、それって目立った欠点が無くて、安定してるし。
まだまだ成長の可能性があるって事ですものねー」
・・・まあ、でも。
探索やら戦闘やら、一通り見てみまたけど。
正直あの子は、潜在的な才能と言うかセンス無いですよね。
何をするにしても、要領が悪いとまでは言いませんけど
・・・ふ、普通?
凡庸・平凡・まあまあ・そこそこ・それなり?
そんな言葉がしっくりくる子なんですよね。
上手く育てば、Bランクまで行ければ良い方かも?
まー、まだこれから見えてくる部分も色々あるでしょうし。
そこを伸ばせばいいんですよね。
・・・・・・多分。
『それにしてもなー。
ここのギルドは、{新人育てられる鬼教官}とか
{怖いけど面倒見のええ先輩}とかがおらんから
伸び悩んでる子とか、間違ったやり方マネとる子が
多すぎやろ・・・・・・まっ、この町の冒険者も
大都市みたいにマフィア崩れやチンピラだらけ~。
とかなるよりはよっぽどええんやけどなー。
ブラボーのじーさんもどーするつもりなんやろな?』
「あ、ご主人様~。
そういえば、さっき。
あの、ア・・・えー・・・ブラボーさんが
言ってませんでしたっけ?
【フソウ】の【行者組合】から人招くとか何とか」
『・・・・・・お~~!!
そういや、ゆっとったよーな?
確か、次期ギルドマスターの事で
相談のってもらえる人材が来るってゆっとったわ。
とりあえずサブギルドマスターと言う事で
ギルドの運営や人事に関わってもらおうって
ゆっとったなー』
「・・・でも、多分それって。
多少無理矢理でもその人を後釜に据えちゃえ・・・
って事考えてるんじゃないでしょうかねー?
そして自分は悠々自適にスローライフ送れるとか」
『わはは。
まあ、絶対考えてるやろな~。
ま、誰が来るか知らんけど
俺らに絡んでこんならええんやけどな』
「・・・いえ、無理でしょ。
絶対絡んで・・・と言いますか
絶対に絡ませるつもりで、わざわざ来たんでしょうね。
本当に食えないジジイですわよね~~!!!」
「『・・・・・・・・・はあぁ~・・・』」
う”~~~~~~~~~~~~!!!!!
せっかく、ご主人様と一緒に
まったりライフを満喫してたのに・・・。
何か、面倒事が目に見えちゃって
すっかり意気消沈ムードじゃないですか~~!?
本当にあのじじいは~~~~~~~!!!!!!
むきーーーーーーーーーーーーー!!!!
今度、あの残り少ない頭髪。
全部むしってやりましょうか!!!?
『いや・・・、さすがにそれは勘弁したれよ』




