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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
79/401

79 冒険者Aさんと情報交換 ②

あらすじ:到着してしまった御一行と仲良く歓談


視点:ご主人様の忠狸 ミケニャンさん

『』:アルファさん


「・・・えーと?

 何しに来たんです?

 ア・・・っと、ゲフンゲフン。

 えーーーー、ギルドマスター? のじーさん。

 今、見ての通りプチお祝い中なんですけど。

 また、{美味しいもの感知}に突き動かされて

 暴走してるんですか?」


「違うわい!!

 ちなみに今、あ・・・何と言いかけた?

 今日は、ちゃんとアルファに用があるんじゃ!!」


『まあまあ、2人共それぐらいにしとこーや。

 なー、ブラボーのじーさん、用事って急なん?

 今、見ての通り、ロバやんとサバミソの

 Eランクおめでとう~のささやかなお祝いを

 しとったんやけどな。

 急ぎやないんなら、後でもええか~?

 料理はじーさんも食べてってええから』


「お、おお? うむ。

 祝い事に水を差したようですまんな。

 ちと聞きたい事があったんでのう。

 用事は後でも問題ないわい」


「結局、食うんじゃないですか」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




『あ~~・・・・・・食った食った~。

 【ベーコンたっぷりクリームスパゲティ】には

 やっぱ、たっぷりチーズやな~

 今回は【枝豆】を入れたけど

 【銀杏】入れたのも美味いんやでー?』


「うむうむ。

 それにしても、あのベーコン美味かったのう。

 旨みだけじゃなく、独特の塩味も効いておったし

 粒胡椒のピリッとした強い風味と合わさって

 丁度いい、味のバランスじゃったわ」


『あのベーコンうまいやろ?

 実は【赤ブタ】使った自家製ベーコンなんや。

 しかも、商品として売る用やなくて

 自分らで食う用に作ったやつでなー。

 ギリギリまで熟成させたばら肉を骨ごと漬け込んで

 そっから、さらに5日寝かせた特別製やで?』


「うーむ、お前の事じゃから。

 漬け込みダレの塩や調味料もこだわってそうじゃのう。

 少し聞いただけでも手間かかってるのがわかるわい。

 ・・・さて、すっかりご馳走になってしもうたな。

 それでは帰るかのう」


「アホですか、じーさん。

 帰ってどうすんですか、帰って。

 あなた、ご主人様に何か用事あったんでしょ!?」


「・・・・・・!?

 おお! そうじゃそうじゃ!!

 俺はアルファに聞きたい事があったんじゃ!」

 


 やっぱり忘れてんじゃないですか。


 だめだ、このじーさん。


 普通に飯食って帰ろうとしやがりましたよ。


 きっと、もうボケが進んじゃってるんですね。


 これだからボケ老人は・・・ふうっ、やれやれですわ。



「誰がボケ老人じゃ!?」


「何でそんな所だけは、的確に察するんですか!?

 このアホのじーさん!!!!」


「なにぃ!? 誰がアホでボケが進んだジジイじゃ!!!」


(ぎゃーー!! わーわー!!! ぐわああああ!!)


『はいはい、やめやめ! この話は終了~!

 んで、ブラボーのじーさん、俺に聞きたい事って何や?

 ① 前々から海岸沿線で調べとる、アレの事~?

 ② それとも、一昨日に来た、フジョ様とビーエルちゃん?

 ③ ひょっとして・・・自分ところのバカ娘が

 商売上、一番のお得意さんの関係者に

 やらかしてもうた事をまだ知らん

 王都の商人貴族様の事とか?

 多分、今言ったどれかとちゃうか?』


「・・・・・・全部じゃわい。

 まあ、一番急ぎで聞きたい事は

 ②の神様? ご一行の事なんじゃがな!」


「放置が一番です」


「あ? ・・・放置?」


「放置」


「・・・・・・」


『わはは。

 ミケ~、それやったら、さすがにわからんやろ。

 え~っとやな、ブラボーのじーさん。

 ミケのゆーとる事は間違いやないんやわ。

 あの2人はホンマにただ{取材旅行}に来ただけやねん』


「取材旅行・・・?」


『せやでー。

 【八百萬一本(やおよろずいちぼん)】ってゆーてな。

 じーさんも聞いた事ぐらいはあるやろ?』


「よくは知らんが、

 なんぞ、卑猥な悪癖が書かれた悪書って事は

 聞いた事があるわい」


「まあ、間違いではないですけどね。

 正確には{男同士の絡み}が書かれたエロ本です。

 女性を中心に人気がある薄い書物ですね~」


「・・・お、男同士じゃと?

 やっぱり悪書なんじゃないのか?」


『いや? 別に悪書って程やないで。

 所詮はちょっと変わったエロ本で、趣味の範疇やし。

 ・・・ってゆーかやな、ブラボーのじーさん。

 気付いてないみたいやからゆーとくけど。

 あのギルド内、既に影響受けとる職員とか冒険者。

 結構おるみたいやで?』


「・・・・・・え”っ!?」


「気付いてなかったんですか?

 さすが、あ・・・ゲフンゲフン。

 ぼ・・・ゲフンゲフン。

 えっと・・・・・・じーさんですねー」



 ぶっちゃけ、あのギルド。

 

 職員にも冒険者にも、感染者・・・はあんまりですね。


 神だし信者? ・・・えーーーと、そう! 愛読者!


 愛読者がかなり居る事は確実なんですよね。


 そういう場面が発生したら


 遠巻きにうっとり眺めてる人多いですし。


 アホのじーさんは気付いてなかったみたいですが。


 町中の商店街はともかく

 

 港街道の露店で普通に売ってますし。


 元は【フソウ】だけのマイナー書物でしたけど


 一気に世界中に広まってしまってますし。


 まあ、それって、ご主人様が【五十六商会】として


 提携しちゃった事が一番の原因なんですけどね~。


 世界に影響与えるなんて・・・、さすが、ご主人様!!



『ま~、実際の所、他の国には既に広まっとるし。

 放置しといても、特に問題は出とらんで?

 むしろ、書物の流通が増えて経済が活性化したり。

 女性間で活発な議論が交わされるようになって

 結びつきが強うなったって所もあるみたいやし?』


「ほう、それは悪くないのう」


「逆に、男女のカップル率が減って

 男性同士のカップルが増えた所もありますけどね」


「!?」


『・・・ま、あれや。

 俺がゆーのもなんやけどな。

 ・・・・・・下手に触らん方がええって。

 な?{触らぬ神になんとやら}ってやつやで?』


「そ、それしかないのかのう?」


「と言うかですね、アホのじーさん。

 はっきり言って差し上げましょうか?」


「うむ。 ・・・・・・誰がアホじゃ」


「とっくの昔に手遅れなんですよ」


『せやで』


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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