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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
77/401

77 冒険者Aさんと情報交換 ①

あらすじ:非殺傷武器=ハリセン(ツッコミくん伍型)


視点:冒険者ギルド 新人受付嬢 インディアさん

『』:アルファさん


 現在、お昼の14時過ぎ。


 【冒険者ギルド】の受付窓口が忙しいのは午前中と午後1番。


 夕方になればクエスト報告や納品の窓口が忙しくなるんだけど


 少し前に、担当内容別に窓口が完全に分かれたから


 この時間になると、依頼に来る依頼人以外は


 受注用の窓口を訪れる人はほとんど居ない。


 ・・・冒険者はクエストに、ギルド職員は交代で休憩にと


 そもそも、ギルド内の人口密度が激減する時間帯なのよね。


 わたいも休憩終わったので、後は終了まで暇かなと思ってた。


 思ってたんだけど・・・。



「・・・あのう~、お暇なんですか?

 おっちゃ・・・アルファさ~ん?」


『わはは!

 いやいや、やらなアカン事だらけで時間ないんやわ~』


「でしたら、ここであたしと話してるよりも~~~。

 その用事を優先された方がいいんじゃないですかぁ~?」


『まーまー、そう言わんと。

 この時間帯は受付も暇やろ?

 ちょっと、おっちゃんの雑談に付き合うて~や~』



 ちっ・・・無駄にギルドに詳しいおっちゃんは


 これだから面倒臭いんですよね~。


 まあ、ロバートさんと魚くんのコンビが順調に


 Fランクでも受けれる不人気クエストを解消してくれて


 こっちとしては助かってるし、評価もされてるから


 しばらくは、お暇なおっちゃんの無駄話に


 お付き合いしてあげてもいいんですけどね・・・暇だし。


 

「はあ~、でもなぜあたしなんですぅ~?

 リマ先輩は今日はお休みですけどぉ。

 エコー先輩や、ノーヴェ先輩とも仲が良いですよねぇ?」


『いやいや、インちゃん。

 雑談ってのはな~、無駄話とは、またちゃうんやで~。

 あ、いや、無駄話6割、情報収集4割ってとこか?

 でも、無駄と思ってても実は有益だったりもするしな~。

 色んな人から色んな話聞いて。

 自分に有益かどうか判断下せばええんやしな。

 インちゃんかて、そういうの得意やろ?(にやにや)』


「・・・・・・さあ? 何のことですかぁ~?

 あたし、頭良くないからそういうのわからないですぅ。

 えへへ~~~(くねくね)」



 ・・・・・・あーーー、やっぱりこのおっちゃん。


 わたいの本性に完全に気付いてやがりますね。


 というよりも、この人、わたいなんかよりよほど・・・。


 多分、わたいみたいな、ずる賢いだけの小娘と違って


 本物の悪党とかそういう類なんでしょうねーーー。


 あ~~~~関わりあいたくないですぅぅぅぅ。



『わはは、逆に考えたらええやん。

 インちゃんが仕入れておきたい話も

 今やったら、どっかの口の軽いおっちゃんが

 ペラペラしゃべってまうかもしれんで?』


「え~? もう~、仕方ないですねぇ~。

 少しだけですよぉ~~~?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




 ・・・・・・・・・・・・くっ。


 17時・・・結局、もうこんな時間。


 何だかんだで、情報交換が有益だったのが腹立つっ!


 むむむう、これじゃ、おっちゃんの掌の上じゃない!?


 そのおっちゃんは、今{さわメン先輩}と和やか談話中。


 ・・・それにしても、あのおっちゃん。


 冒険者よりも商人とかやってる方が合ってるんじゃない?


 ・・・・・・いえ、各所から聞いた話だと


 本当に商会の人らしいのよね、よく知らないけど。


 確か【五十六商会】・・・だったかな?


 デルタの実家が貴族位を貰ってる大商会なのは知ってる。


 王都で知らない者は居ない大商会の【ドライエック商会】。


 元々は【ドラント王国】から来た商会なのよね、確か。


 だからこそ、デルタと仲良くしてたんだけどなーー。


 あの子のお父さん、すっごいやり手の商売人なんだろうけど


 子育ては失敗しちゃってるわよね・・・完全に。



『そうそう、ノーヴェくん、この間な~』


「それはそれは、うふふふ・・・」



 うーん・・・どうしようかな。


 【ドラント王国】の素材の在庫変動かー・・・。


 この町にも影響出そうなやつを、重点的にお願いして


 クエスト受けてもらえば問題ないよね。


 わたいのお願いならホイホイ聞いてくれる人ばかりだしぃ?



『んでな~、そのせいであんな事になってな~』


「ふふ、アルファさんもうっかりされるんですね」



 でも、それよりも重要なのはアレよね。


 そっか、あの規則の抜け道を利用したら


 法に引っかからずに個人的な利益上げれるんだ・・・。


 それなら、バレないし、そもそもバレても罰則も無い。


 ローリターンだけど、ほぼノーリスク。


 ・・・・・・やっぱり完全に悪党じゃないの。


 って言うか、わたいにその情報教えてどうしろと?


 信じていいものやら・・・・・・うーーーーん。



「そうそう、よかったら今度一緒に・・・(ぎゅっ)」


『ほう! それはおもろそうやな、ええやん』



 ・・・いや、っていうか、あの{さわメン先輩}?


 何でおっちゃんの手を握って、ほほ染めてるんです?


 えっ・・・えっ・・・やっぱり、そうなの?


 他の職員の人達の中にも、怪しんでる人が居たり


 あの2人見て黄色い声揚げてる人も居たけど。


 まったく・・・何を期待してるのやら。


 ・・・・・・んっ?



「・・・・(じーーーーーーー)」


「(ひそひそ)フジョ様っ! これはもしやっ!?」


「(ひそひそ)いかんぞ、慌てるでない。

 慌ててはいかんぞ、ビーエルよ。(ごくりっ)」


「(ぼそぼそ)すばらしい! さっそく当たりですね!

 これはすばらしい!(ふんすふんすふんす)」



 ・・・何っ!? 誰っ!!?


 何であの人達、柱の陰から覗いてるのっ?


 しかも、片方は恍惚の表情浮かべてるしっ!!?


 こ、怖っ!!!!!


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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