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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
71/401

71 冒険者Aさんとシオヒガリ

あらすじ:世の中には戦争が多すぎます


視点:ご主人様とお出かけ大好き 大妖狸ミケニャンさん

『』:アルファさん


「というわけで、今日は【北の海岸】へやってきましたよ!

 討伐系のクエストは久し振りですね! ご主人様!」


『せやな。

 最近は何だかんだあって、町中散策ばっかりやったし。

 クエストも採取ぐらいしか行ってなかったしなー』


「えっと、私、クエストの内容を聞いてないんですけど。

 今日は{討伐クエスト}なんですか?

 ・・・というか、私が一緒しても良かったんでしょうか?」


『わはは、急な参加で悪かったな~モブ子ちゃん!

 丁度、この依頼が出とって、リッちゃんに聞いたら

 丁度、モブ子ちゃんが空いとったんでな!

 ま、ちゃんと報酬は山分けするから安心してな~?』


「え? あ、はい。

 いえ、報酬は別に作業量に見合った分で結構ですので。

 ・・・ところで、何の{討伐クエスト}なんでしょうか?」


『あ~、それはやな~! 【シオヒ】狩りや!!』


「し・・・潮干狩り・・・ですか?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ザバーン、ザッパーーーン)


「こ・・・これが【シオヒ】!?」



 そうなのです、これが、これこそが【シオヒ】なのです。


 【北の海岸】に生息する水棲モンスター。


 見た目は1m程の巨大な蛤ですよね~。


 朝の満潮時に波に乗って、浜辺や浅瀬へ打ち上がって


 夜の満潮時に波に乗って海へ帰る習性があるので


 こうやって、浜辺に上がってくる昼間が


 丁度、狙い目なんですよね~。



(ザパーーン、ザッパーン)


「お、大きな貝ですよね? 見た目は。

 ・・・あの? 何で口を空けてるんでしょうか?」


「ふっふっふ、アレはですね~モブ子ちゃん。

 ああやって、あえて中身の具を見せる事によってですね。

 それを狙ったカニや鳥を招きよせてるんですよ。

 でも、実は疑似餌なんですよ、アレ」


「疑似餌?」


『せやで~、モブ子ちゃん。

 あの部分の下に、一回り小さい本体が隠れとってな。

 疑似餌には即効性の強力な麻痺成分があるんや。

 ・・・・・・おっ! あそこのやつ見てみ?

 丁度、海鳥が1羽入ってったわ』


(ツンツン・・・バササササ・・・・バタッ)


「・・・・・・」


(ニョニョニョニョ、モリッモリッモリッ)


『って感じやな~。

 麻痺っとる間に口を伸ばして丸呑みってわけや。

 ま、そこら辺の生態は普通の貝と似とるな~』


「ほわあ・・・大きい分、丸呑みの迫力が凄いですね。

 えっと【シオヒ】でしたっけ。

 あのモンスターを討伐するんですか?」


「えっとですね、討伐には違いないんですけど

 今回は、駆除よりも素材の納品がメインになりますね~」


「と言う事は、素材の納品で追加報酬が出るタイプですか?」


『せやで~。

 隠れとる本体部分は全くいらんのやけどな。

 貝殻は粉末にしたら、薬の材料にもなるし

 畑の肥料や家畜の飼料としても使える優れものなんや。

 んで、疑似餌の部分も色んな使い道があってな。

 煮出して蒸留したものは、麻酔薬や痺れ薬の材料に。

 薬草水に漬け込んだら健康食品の出来あがりってな~。

 地味にこの町の交易品として人気あんねんで?』


「・・・あっ! 【シオヒ印】の商品って見たことあります!

 他所の国だとすごい人気あるって、ごちゃまぜ商店街で

 露店商のおじさんが言ってましたよ!

 【シオヒ】って何かと思ってましたけど

 コレが原材料だったんですね!?」



 【ナフォード王国】は大陸の北東にある辺境の地ですしね。


 人口も少なく自然も豊富ですので、珍しい生物だけではなく


 珍しいモンスターの種類も意外と多いんですよね~。


 Bランク以上の危険なモンスターは滅多に居ませんし。


 そのおかげで、この国独自の加工製品には


 良質で効能が高い物が結構ありますからね~。


 他所で倍以上の値で売れるとなれば

 

 そりゃ、行商人もわざわざ遠方から仕入れに来ますよ。


 特に、この【シオヒ】由来の製品に関しては


 この大陸でも、需要や人気が高いんですけど


 他の大陸だと比較にならない程、人気あるんですよね。


 中でも【シオヒ印】の刻印が付けられた商品は


 ちゃんと【タンゴの町】で公認した製品なので


 普通に10倍以上の値段で売れるんですよね~~~。


 ご主人様の【五十六商会】でも常に注文が入ってて


 仕入れ待ちが発生してる程、超おいしい商品なのです。



『せやで、モブ子ちゃん。

 ただなー、この【シオヒ】なんやけどな。

 やり方知らんと、ちょっと狩りにくいんやわ。

 意外と返り討ちに会う事も多いみたいやしな。

 だから、モンスターのランクもDランクに分類されとる。

 この町所属の冒険者やと、受けるのも達成できるのも

 あんまりおらんっぽいしな。

 そりゃ、常に材料は不足気味なわけやで。』


「というわけで、この町を担ってく若手冒険者として

 モブ子さんも頑張って覚えてくださいよ~」


「わ、わかりましたっ!」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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