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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
70/401

70 冒険者Aさんと戦争 ①

あらすじ:おごられて食う飯はサイコー!


視点:Fランク冒険者 ポーターLv1 ロバートさん

『』:アルファさん


「オムレツでしょ?」


「目玉焼きだよね?」



 ・・・え、えっと、何でこうなったんだか。


 今日は朝から、おでとサバミソくんとで


 {お手伝いクエスト}を受けて


 トレートさんの牧場に手伝いに行ってきたんだな。


 そして、帰り際に【黄緑ニワトリ】の卵を


 お土産に貰って、宿へ帰ってきたんだな。


 それで、おで達は、宿のご主人のツリーさんに


 料理してもらおうと思って


 ツリーさんを呼びにいったんだな。



「(にこにこ)うーん・・・さて。

 呼ばれてきてみれば、これは一体?」


「い、いや、おでもわからないんだな」


「ボクもわかりませんよ。

 ・・・何でもめてるんでしょうか? うおっ」


(ババッ!!!!)


「「見たらわかるでしょだろ!!」」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・つまり、その卵の食べ方で揉めてたと?

 バカなんですか、あなた方」


『まあまあ、そうゆーたんなやミケ。

 卵をどう料理するかってのは

 世界全土で繰り広げられてる論争やしな。

 ・・・まあ、自分達には係わり合いが無いのに

 論争するのはどーかと思うけどな~』


「「えっ!!?」」


「そうですよね、ご主人様。

 とりあえず関係の無い人達には帰って頂きましょうね?」


「「え”え”え”っ!!!!?」」


『いや、むしろ、何で{え~!?}なん?

 そもそも、ロバやんとサバミソが貰ってきたんやから

 食いたいんやったら、2人にちゃんとお願いしてからやろ』


「(ガバッ!)ロバートさん! お願い! お願いよ!

 ちょっとだけ! ちょっとだけだから!!(じゅるっ)」


「(ガバッ!)魚くん!! 食べて良いよね!?(じゅるっ)」


「「ふぁっ!?」」


『・・・はあ~(すっ・・・シャキーン!)』


(スパパーー「エエカゲンニシナサイッ!」ーーン!!)


「「ぴやぁああああああああああ!!?」」


『やれやれ・・・やな。

 2人共これでちょっとは落ち着いたか~?』


「あ、アルさん、何も武器で叩かなくても、うおっ」


『ん? あー、こんな2人を心配したるなんて

 サバミソは優しいエエ子やなぁ・・・安心し~!

 これは武器やなくて【西フソウ】の特産品で

 【ハリセン】っていう道具やから安全やで~?』


「・・・まあ、ご主人様のは、素材からこだわった特注品で。

 そこに多重付与かけまくった別物なのですけどね・・・。

 ちなみに、今使ったのは【ツッコミくん四型】。

 感覚を鋭敏にする【集中】の効果と

 強制的に眠気を覚ます【目覚め】の効果。

 さらに、体中にピリピリが走る【小雷】の効果!

 この3つの効果が順に何度も襲って来るのですよ!」


「ぴゃっ!? ぴゃあああああああ!!(びくんびくん)」


「うひっあひゃああああああ!?!?(じたばたじたばた)」


『わはは、効果は数秒で消えるから大丈夫やで~。

 まあ、あれやな。

 全身を強力な【ハッカ油】まみれにして

 体中を丹念にツンツンペンペンしまくった様な感覚?』



 う、うわぁ・・・な、なんだかすごい事に。


 そ、それにしても、おでと違って


 アルさんは色々な道具を持ってるんだな。


 後で、もっと見せてもらえないかな。


 うん、頼んでみるんだな。



「・・・・・・(ぴくっぴくっ)」


「スースーする!? 何かスースーするよ!?(ごろごろ)」


「あっ、これが【状態異常】というものなんですね?

 な、なるほど・・・同じ効果の【状態異常】でも

 人によって反応の違いが出るんですね。 うおっ」


「いい着眼点ですね、サバミソ。

 魔法使い系のスキルには【状態異常】付与も多いので

 よーく観察するといいですよ。

 ローも同様ですよ、アイテムでも似た効果の物はあるので

 単体だけでなく、複数での併用使用など

 色々と発想を膨らましてくださいな」


「うあああん!? ボクらで実験しないでよ!!」


『まあ、そう言わんと。

 ちゃんと実験台になった見返りはあるんやで~。

 ・・・・・・そろそろかな?』


(すたすたすた、ガチャッ)


「(にこにこ)みなさん、お待たせしました。

 【黄緑ニワトリ】のゆで卵が茹で上がりましたよ。」


「「・・・・・・ゆで卵っ!!!(ガババッ!)」」


『オムレツや目玉焼きも悪くは無いんやけど

 この卵は、ゆで卵が一番向いとるよな!

 白身部分は、しっとりぷるんぷるんの弾力。

 黄身の部分は普通より少し小さめやけど

 とろっと溶ける様な食感で、味も風味も濃厚!!

 いっぺん試したら、夢中どころか病み付きになるで?』


「「・・・・・・(じゅるるるる、ごくり)」」


「ははは、せっかくなので

 私が貰った分も一緒に茹でてありますし。

 皆さんで食べましょう(にこにこ)」


「では、サバミソとローとツリーさんに感謝して

 早速、温かい内に頂きましょうじゃないですか!!」


『せやな、3人ともありがたくいただくわー。

 んじゃ、いただきま~す』


「「ひゃっはーーー! いっただっきまーす!!!」」



 それでは早速、あちあちっ(カンカンッ、ペキャッ)


 大きさはガチョウの卵ぐらいで、少し大きいんだな。


 あっ・・・この卵、殻が剥きやすい。


 白身がつるんっと・・・おおっ、うまく剥けたんだな。


 ああ、ほかほかと湯気が上がってて美味しそう・・・。


 おでの故郷の村だと、卵は貴重品で


 滅多に食べることができなかったから、嬉しいんだな。


 で、では、いただきますなんだな(ぱくっ)


 !!? (もぐもぐもぐ)・・・!!!?


 お、おいしい! ・・・うん、すごくおいしいんだな!


 確かに、アルさんが言ってた通りなんだな。


 まず、白身がむにっとしてるのに、ぷるぷるしてる!


 そして、白身にもほんのりと甘みがあるから


 (もぐもぐ)うんうん、白身だけでもご馳走なんだな。


 よ、よし! 次は、黄身の部分を・・・(ぱくっ)


 ・・・・・・・・・・・・・・・溶けたっ!!?


 えっ!? 溶けてはない!? えっ!? どう言う事!?

 

 あっ! アルさんが言ってた、とろけるような食感って


 ・・・・・・こう言う事なんだな!!(むぐむぐむぐ)


 完熟の半熟卵? 液体っぽいのに固形?


 煉った水飴のような食感・・・口の中でとろけるんだな。


 えっと・・・ど、どこかで食べた記憶が・・・。


 うーーーん・・・・・・あ、思い出したんだな。

 

 商隊で日持ちがしないからって貰った【わらびもち】!


 あの食感に似てるんだな!


 確か・・・【フソウ】のお菓子って聞いたと思うんだけど


 アルさんに聞いたら知ってるかも知れないんだな。


 今度聞いてみよう・・・。


 ああ・・・この黄身。


 おでには具体的にどうって言い表せないんだども


 とにかく{濃い卵}って味がする。


 そして、風味もまたたまらないんだな。


 噛んだ時や、飲み込んだ時、鼻からふわっと抜ける。


 はわわわ~~・・・おで、今とっても幸せなんだな。


 ・・・あれっ? あの2人どうしたんだろか?



「・・・・・・」


「・・・・・・」


(ニョロロロニョロロロロロロロ)


「はあ? ゆで卵にたっぷりマヨネーズ?

 何でもかんでもマヨマヨですか~!?

 このマヨラーが!!!」


「ええ~? ゆで卵にたっぷりケチャップ?

 それもう卵の味なんかしないんじゃないの~?

 もう、ケチャップだけすすってたらいいんじゃない?

 は~あ、せっかくのゆで卵がもったいなーーい」


『・・・なんや、調理法戦争の次は調味料戦争かいな』


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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