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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
69/401

69 冒険者Aさんとクエスト終わりは酒場

あらすじ:ひゃあ! 我慢できねぇ! は若気の至り


視点:酒場&木賃宿【セイラーズバース】店員 ライムグラスさん

『』:アルファさん


 えっと・・・何?


 モブコどうしちゃったの?


 モテ期? モテ期が来たの!?


 冒険者を断念して、今はここで店員させてもらってる


 アタシが言うのも何だけど。


 臨時パーティに入れてもらって帰ってきても


 女扱いされない、冒険者としてやってく自信がないって


 この酒場で、散々アタシに愚痴ってたモブコよ?


 身体能力も近接戦も平凡より少し劣る感じで


 顔だってアタシと似た様なもので、体付きも貧相なモブコよ?


 それが、爽やか系と強気系と頭脳派系のプチイケメンと一緒!


 

(ガヤガヤガヤ、ワイワイワイ)


「いやー、モッブコットンさんもお疲れ様~!

 何だ~、聞いてた話と違ってすごいじゃないですか~。

 あ、どんどん食べて飲んで大丈夫だよ。

 今日は僕らが出しますし!」


「えっ!? あ、ありがとうございます。

 でも、私それほどお役に立てたとは・・・」


「んぐっんぐっ(ごっきゅごっきゅ)ぷは~~

 あ~~、クエスト終わりはやっぱりこの1杯だよね。

 ・・・いやいや、十分だったよ。

 モッブコットンさん、今のランクで難儀してるって聞いたけど

 これだったらすぐに、Dランク上がれると思うよ」


「え!? そ、そうでしょうか?

 あっ、それじゃ私もいただきますね。」


「かんぱ~い!

 やっぱ、何よりも男3人のむさ苦しいパーティだから

 女の子居ると華やかさが違うよな! な!?」


「い、いえっ!? 無理しなくて結構ですよ!

 私、貧相で不細工な見た目ですし。

 今までのパーティで女性扱いされた事もありませんし」


「(ごっきゅごっきゅ)う~ん、うまいっ!

 え~!? 僕はそんな事無いと思うけどなー!!」



 うーん・・・何かよくわからないけど・・・。


 モテモテ!? モテモテなの!? モブコ!!


 親友としては素直に祝ってやりたいけど。


 な~んかもにょもにょするわね~~~。


 あ! そうだ!!



「は~~い! モブコ! たっぷり飲んでる~?」


「え!? あ、飲んでるわよ。

 急にどうしたの? ライス」


「いやいや! 深い意味は無いんだけど

 親友が今までになくモテモテみたいなんで

 ちょっとからかいにね! にっひひひひ!

 あ、皆さん(ゴトッゴトッ)これどうぞ!

 これは、アタシからのおごりですんで!」


「「「モブコ?」」」


「あっ! 私のあだ名みたいなものです。

 モッブコットンだから略してモブコ」


「にひひひ! そうなんですよ!

 アタシ達、同じ孤児院の出身なんですけど

 そこの院長さんが名前の付け方が独特だったんですよ!

 アタシなんて、ツンツンの緑の髪の毛だったから

 ライムグラスって付けられたんですよ!?

 雑草扱いですよ雑草扱い。

 みんなは略してライスって呼んでましたけど。

 略したら今度はご飯ですよ、ご飯!」


「ライスはまだ良いじゃない。

 私なんて、モコモコの白いクセ毛だったから

 見た目が群生してる綿みたいって・・・」


「ああ、なるほど! それでモッブコットン。

 ・・・院長のネーミングセンスすごいですね」


 

 ・・・あの院長も別に悪気は無いのよね。


 孤児院で、名前が無かった子達。


 全員に名前つけるのは大変だったと思うし。



「まあ、でも2人共いい名前じゃないか?

 最近は子供にスキル名とか伝説の武具みたいな

 変な名前付けてるのも、一部で流行ってるみたいだし。

 それよりは、全然いいと思うけどね」


「対象がそれってどうかと思うが、確かにそうだよな。

 ・・・あ、そういえば俺の知り合いの子で居たよ。

 クロススラッシュ君って男の子とか

 シャイニングヒールちゃんって女の子も居たな。

 さすがの俺も、あれはドン引きしたね」


「うわっ、それはひどい。

 子供は親のおもちゃでもペットでも無いのにね。

 僕らは普通でよかったよ、いや本当に」


「にひひひ、そう考えるとアタシ達もまだマシね。

 あ! そうだ! みなさん!

 この先もモブコとパーティ組んでもらえるんですか?」


「(ぐびっぐびっ)ぷはっ! 僕としては組みたいなあ!

 何か、やりがい出るし!

 そうだろ? マイクもそう思うだろ?」


「えっ? ああ、そうだな。

 女性が居ると、軽い緊張というか、だらける事が減って

 行動にメリハリが出るのは感じるね。

 それに、信頼できる腕前の戦士がもう1人居ると

 パーティの攻撃も守りも、格段に安定するんだよね。

 だから、僕としても固定でパーティに入って欲しいけど。

 そこは、モッブコットンさんの都合もあるだろうしね」


「相変わらず、リーダーは真面目だな。

 ケベックが言ってるのはそう言う事じゃないんだよ。

 スケベ目線だよ、スケベ目線!」


「ええっ!? そ、そうなんですか?」


「にひひひひ! モテモテじゃない! モブコ!!

 問題ないなら組んでもらいなよ~」


「ははは、僕らとしては歓迎しますよ?」


「あううう・・・」


「やった!! 良かったじゃないの! モブコ!

 そうそう! それでですね?

 せっかくなんで、みなさん!

 この子の事は、これからはあだ名で!

 モブコって、呼んでやってくださいよ!

 その方が仲間っぽいですよね!?」


「ええええ!? ちょ、ちょっとライス!!」


「うんうん! それじゃ、よろしく! モブコちゃん!」


「おっけ~! よろしく! モブコ!」


「君らなあ・・・まあいいか、じゃあ僕もいいかい?

 これからよろしく頼むよ、モブコ」


「にっひっひ~~、うりうり~~、モブコ!

 これから、頑張んなさいよ~!」


「何をよ!? 言われなくても頑張るわよ!

 まだまだ、私が一番足を引っ張ってる状態なんだし」


「お~~~い! ライスちゃーん!

 あんまり長話してないで仕事戻ってくれよー!」


「あ! は~い!!

 いっけない、それじゃ! みなさん!

 ゆっくりしてってくださいね!

 そして、もっとお料理とお酒注文してくださいね!」


(タッタッタ、ワイワイ、ガヤガヤ)



 何か話した感じだと、良い人達っぽかったわね。


 はあ・・・少しモブコを羨ましいと思っちゃったけど。


 それ以上に、安心したわ。

 

 王都の孤児院は年齢制限があって


 孤児院を出る時に行く当ての無かったモブコ達3人を


 アタシが誘って、4人で冒険者になったのよね。


 で、1年なんとか頑張ったけど、行き詰って

 

 拠点を【タンゴの町】に移すか話し合ってる時に


 2人は王都で、職を見つけれたからパーティは解散。

 

 アタシとモブコだけでこっちへ来たのよね。


 結局、2人で半年頑張ってみたけど


 {採取クエスト}中にモンスターの乱入食らって大怪我。


 運良く救助されて命は助かったけど


 ・・・アタシは心がポッキリ折れちゃった。

 

 ずっと泊まってた【セイラーズバース】のオーナーと


 すっかり顔馴染みになってたおかげで


 酒場の店員として雇ってもらえる事になったけど


 モブコは断って、その後も冒険者をずっと続けてた。


 アタシの勝手で、ずっと振り回してきたのに


 アタシの方が先に脱落しちゃって


 ずっと心残りになってたんだけど・・・。


 もう、大丈夫かな? これで良かったのかな?



『わはは、ええんやで~。

 あ、こっち【麦酒】のおかわりよろしく!

 あと【イカのバター焼き】を2本頼むわ~!

 お代はあの子ら持ちで!(くいっ)』


「そうそう、気にしたら負けですわ~!

 あ! ミケは本日のオススメに書いてる

 【生ニシンの塩焼き】くださいな!

 お代はあの子達持ちで!(ずびしっ)」


「えっ!? あ、はい!?

 ・・・ええっ!!? ええええっっっ!!!?」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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