表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
59/401

59 冒険者Aさんと女三人寄れば

あらすじ:戦闘ユニット「ジン」を犠牲にして「素材:蛇」を「食材:蛇肉」へと進化!


視点:ご隠居の孫 フジ家の姫さんこと 弁才天の巫女 ユミネ・フジさん

『』:アルファさん


 ・・・・・・はふぅ~~~~~~~~~。


 ウチ、お腹いっぱい、幸せいっぱいさんやわ~~~~。


 蛇って、ウチ今まで食べた事なかったんやけど


 あんなに美味しかったんやね!!



「はふぅ~~、おなかくるし~~~」


「ふごぉ~~~ふんがっふんがっもっふもふ」


「・・・動けなくなるまで食うとかどんなお姫さんですか。

 もう片方はさらに酔っ払って腹出して寝てるし・・・。

 あなた方、それって女性としてはどーなんでしょうねー?」


「ふう~、ねえ、ミケね~さま~~!

 あの蒲焼って、普通の蛇でやってもあれだけ美味しいん?

 それともモンスターやから?」


「あーーー、そうですねえ。

 普通の蛇でも、まあ、甘ダレたっぷりで炭火の串焼きにしたら

 それなりには美味しいですよ?

 他にはスープの具にもしたりしますし。

 ですが、今回のは、やっぱりモンスターだからってのはありますね。

 モンスターの体液って、血と違って栄養と肉汁たっぷりですから。

 普通に焼くだけでも、割とジューシーで美味しいんですよね」

 

「・・・・・・(ごくりっ)・・思い出したら

 また食べたくなってきましたわ・・・」


「いや、あなたさすがに物理的にもう入らないでしょ。

 お腹膨れて、ご主人様にお見せできない体型になってますよ?」

 


 炭火で串焼ならではの、表面の焼き目に脂が焼ける香ばしい匂い。


 そして、ホクホクやのに弾力性もちゃんとあって、独特な食感の白身のお肉。


 その身を噛めば鼻を通り抜ける香りと、じゅわっと溢れ出る肉汁。


 お砂糖と醤油で作った濃い目の甘ダレだけのシンプルな味付けやけど


 本来やったら淡白なはずのお肉に、何故か丁度合っとるんやわ。


 この、上にふりかけてる香辛料が、味引き締めてくれてるんかな?


 甘み、旨みと、ピリッとした辛味に、香ばしい風味・・・。


 アレだけでも十分ご馳走やったんやけど


 さらに、それがほかほかの白いお米のご飯にまた合うんよねぇ~~。


 それにしても、蛇ってナマズやドジョウみたいな泥臭さは当然ないし。


 鰻や穴子の蒲焼ともまた違って生臭さも無いんやね。


 さっぱりとした癖のないハモ? ・・・に近いかな?


 蒲焼! ご飯、ご飯! 蒲焼!! ご飯、ご飯!! お茶っ!!!


 ああ、もう!!? また、食べたくなってきたやん!!!


 アカンアカン、何か、一気にお腹の中、消化されてきたって!!


 ・・・でも、ウチも今まで色々食べてきて思ったんやけど


 食材も大事・・・、でも重要なんは、やっぱ味付けと食べ方なんやね。


 お外で炭火の串焼きってシチュエーションもええよね! 癖になる。


 やっぱり! おじさまの料理は!! サイッコーや!!!


 別に料理人っちゅうわけやあれへんのに、ホンマに美味く感じる!


 見とったら、切り方も大雑把やし、味付けも案外適当やねんけど


 何でやろ? やっぱ味付けなんかな? めっちゃウチの好みやねん。

 

 いや! むしろ、おじさまが好みやわーー!!(ぽっ!)


 毎日でもおじさまの料理食べたいわーーー!!!(くねくね!)


 おじさまと毎日一緒とかそんなそんなそんな・・・・・・。


 ウチ、恥ずかしいわーーーーーーーー!!!!!!(じたばた!)」



「いやいや、むしろ、恥ずかしいのはあなたでしょ」


「(ぴたっ)・・・・・・い、いややわあ、ミケねえさま。

 心の声にツッコミ入れんといてー!?(照れ照れ)」


「ミケが言うのもなんですけど、思いっきり声に出てましたよ」


「えーーー、ホンマーーー!? あうううう(かああああ)」


「まー、ご主人様達は、片づけした後に

 男性陣だけで食べ呑み始めたっぽいので、今おりませんし?

 どんなに身悶えてても、ミケは別にかまいませんけど

 ・・・っていうか、ユミネさん。

 あなた、いつまでミケとご主人様の愛の巣に居るんですー?」


「ぐぉおおおおおおっふんがっふんがっふんふん」


「えーーー!? ミケねえさま、そんないけず言わんといてよー!!」


「ホント、ユミネさん、あなたこっち来てから変わりましたよね

 というか遠慮しなくなったというか何と言うか。

 【フソウ】では確か・・・。

 清楚でおしとやか、気品があって才気溢れるご令嬢って感じでしたっけ?

 それで、その紫髪から【キキョウ姫】やら【アヤメ小町】でしたか?

 そんな呼ばれ方で呼ばれて、チヤホヤされてましたよね?(によによ)

 エリートのお貴族やボンボン達にモテモテだったじゃないですか~」


「その呼び方辞めてくださいよ~! ミケねえさま!!

 ウチ、その呼ばれ方嫌いなんですよ、ずっと猫被って無理してたし!」


「ぐぁあああああんふんがっ、ふがっふがっ、すぴ~~~」



 そら、その人を直に知らん場合やったら、外見とかその人の噂話とか


 そんなんから勝手に想像するしか無いのは、まだ分かるんよ。


 ウチかて、まあ、そう言うイメージで猫被ってたんやし。


 でも、その印象で勝手な呼び名つけて、しかも広めるんとかどーなん!?


 実際、猫被っとったけど、被りきれてへんかったしな!


 ホントのウチを知ってくれてる人からしても、苦笑もんやったよ!!


 {キキョウ}のイメージが何や? {気品}やったか?


 で? {アヤメ}が何やて? {神秘的}に{優雅}やて?


 アホかーーーー!!!? ウチのどこ見て優雅とか出てきたんや!?


 どうせやったら「チドリソウ」とかにせーっちゅうねん!?


 {快活!}に{陽気!}やん? そっちのがええやん!?



「・・・何を百面相してるのか知りませんけど

 今のあなた、完全に{シャクヤク}ですよねー。

 ミケ的には、花言葉とか興味なかったんですけど

 これはちょっと面白かったから覚えてるんですよ。

 白とかピンク色のは{慎ましさ}とか{恥じらい}とかなのに

 紫色は{怒り、憤怒}って・・・。

 まさに今の百面相中のユミネさんじゃないですか~!

 これはぜひともご主人様に詳細を伝えないと!!(によによ)」


「ふがっふふがっふ、むにょら~~ほむふむ」


「え~~~~!? ちょ、辞めてくださいってー!

 ウチ、そんな変な顔してたんですか!?

 絶対におじさまには言わんといてくださいよー!!!?」


「・・・まあ、ミケとしては、花言葉は知りませんけど。

 花に例えるなら{アサガオ}って感じなんですよねえ。

 こう・・・朝元気に咲くのに、昼前にはしおれてる姿が

 お腹いっぱいのあなたが、どんどんペコちゃんになってく姿に似てる!!」


「う~~ん、むにゃむにゃ、アサガオはおいしくないよぅもぐもぐ」



 ・・・アサガオ? アサガオの花言葉って何やったかな?


 確かあの花も色で意味違うんよね?


 これもあんましええ意味やなかったような?



「・・・あっ! そうだ!! むしろアレですよアレ!!

 ナスビですよ、おナス!!!」


「「ナスビ!!?」」


「しかも、花じゃなくて実の方!!! (にやにや)

 そうやって、お腹いっぱいになって寝転がってる姿なんて

 まんま、収穫されたナスビじゃないですか~~~~!!!」


「お・・・おナス?・・・・(ぷるぷる、ぷるぷる)」

 

「おやおや~~? ぷるぷるしちゃって

 どうしたんですか、【おナス姫】~~? (ぷぷぷっ)」


「・・・そ・・・(ぷるぷる)」


「ん~~? そ・・・?」


「それやあああああああああああ!!!!!!!」


「はあっ!?(びくくっ)」



 ナスビ! おナス!! そうか、それがあったわ!


 実はナスにも花言葉が有るの、ウチ知っとるんや!!!


 花の方は、まあ{優美}とかとかそんなんやったけど


 ナスビは{花が咲いたらほぼ必ず実が成る}とかから


 {つつましい幸せ}とか{希望}とか言われとるんや!


 ええやん! それってウチにぴったりやん!?


 【おナス姫】・・・自分で姫言うのもアレやし・・・。

 

 それとも【ナスビ嬢】・・・何かゴロ悪いなー。


 ・・・あっ! 小町なら自称してもまだセーフちゃう!?


 小町小町・・・【おナス小町】か【ナスビ小町】?

 

 ナスビやったら実だけやし、ここはおナスの方がええね!!



「よし!! ホンマありがとう!! ミケねえさま!!!

 ウチ、これからは【おナス小町】を自称するわ!!

 それ広めたらウチのイメージも変わるやん!!」


「え”え”え”え”ええええええ!?

 マジですか!? 正気ですか!? 何でそうなったの!!?」


「むにゃむにゃ・・なす~~焼きなすもにゅもにゅもにゅ。

 ・・・・・・(むくっ!)ん”ん”ん”っ!?」


「えーっ、急になんですか・・・(くんくん)んんっ!?」



 ・・・・・・んんんんんん!!!??


 これは・・・この気配と芳しい香りはっ!!!!!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ