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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
58/401

58 冒険者Aさんと獲物解体

あらすじ:腹ペコ達が美味い飯の匂いを嗅ぎつけて集まってきました


視点:食通のご隠居と孫娘の護衛 Bランク冒険者 サムライLv9 ジン・クロガネさん

『』:アルファさん


「お帰りなさいませ!! おじさま!!!(きらきらきら)」


「・・・でしょうね!

 ははっ、お約束ワロス~ですわ。

 ねえ! ご主人様?」


『わはは、そうゆーなってミケ。

 ただいまやなー、姫さん。

 それに、ゲンさんにジンくんも、よーこそやで』


「うむ、夜分にすまんな、アルファ君にミケニャン君」


「こんばんわやでー、にーさんにあねさん。

 ぞろぞろとすんまへんなー」


「そんなことよりも、早く早く!(うおおおおおん)」



 う~~~ん、クエスト帰りで疲れてる上に


 晩飯前にぞろぞろ押しかけたのに

 

 動じへんと歓迎してくれくれるんやもんな~。


 さっすが、にーさんですわ~! 相変わらず器でっかいでんな!

 

 ワイが女やったら惚れてまうところやわ!!


 ・・・・・・にしても、ヒゲの嬢ちゃんも相変わらずやな。



「えーーーと、一応お伺いしますけど

 こんな時間に、皆さんどうしたんですか~?」


「まあまあ、ミケのあねさん

 そんな塩対応せんといてくださいよ~。

 ま、アレですわ! アレ!

 いつものお嬢の勘ってやつですわ!!」


「おじさまが無事に帰ってくるのと!

 おじさまが楽しみなもんを獲ってきたってのを!

 ウチ、ビビビっと感じましたんよ!」


『なるほどな~、ま、いつものことやね。

 わはは! これも【弁才天様】のご加護ってやつなんかな?』


「いややわ~、おじさま!!

 そんなん、ウチがおじさまをお慕いしてるからに

 決まってるやないですか~。(ふんすふんすっ)

 ご加護なんて無くても、ウチにはビビビっと感じますんや!」



 まあ、実際どうなんやろな?


 【弁才天様】って{多才にも程があるやろ!?}ってぐらい


 色んな御利益の塊みたいな神さんやけど。


 ホンマにご加護の力なんか、それともお嬢の巫女さんの力なんかは


 結局、どっちかは分からんのよな~。


 そういや{縁結び}とか{恋愛成就}の御利益もあったんやっけ?


 それやったら、案外どっちも正解ゆーても間違いちゃうんやろな~。



「はあ・・・まあ、今更ですわね。

 ま、皆さん、ちゃんと手伝って下さいよ?」


『せやなー、せっかくやし、みんなでやろか!

 あ、ミケ、その前に、サバミソとロバやん呼んできてくれるか?

 あの2人にも解体は慣れさせんとアカンしな』


「「「はーい」」」


「うう・・・おなかへったー(ぐおおおおおおおん)」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




『さてと、そんじゃ周囲に灯りも灯して明るくなったし

 特製の防水シートも敷いたし、今回の獲物出すで。

 びっくりして腰抜かしたらアカンで~!』


(ごそごそごそ、ズルッ、ズルルルルルルルルルルッ)


「「「!!?(びくっ!)」」」


「ほう・・・大蛇か、これは見事と言わざるを得んのう」


「おいしそう!(じゅるっ)」


「さすがにお嬢様と一般のお子様には刺激が強すぎましたかねー。

 あと、何でそこのお侍さんもビビッてるんです?(にやにや)」


「え!? ワ・・・ワイはビビッてへんよ!

 うん! ワイをビビらせたら大したもんやわ!!

 な・・なははははは!!(たら~~)」



 嘘です、すんまへん!!! ちょっとビビりました~!!!


 ワイ、蛇とかカエルとか苦手なんやわ。


 い、いや、怖いとかそんなんやないんやで!?


 昔、修行時代に、沼地で【ヒュドラ】に丸呑みされたり


 【巨大ガマ】に丸呑みされたり、【巨大ハブ】に丸呑みされたり。


 せ、せや・・・ちょっと苦手なだけなんや、うん。


 おまけに、ぬめっとる上に鱗まであるから切りにくいねん。


 剣士とか刀使いにとっては、やりにくい相手なんやし


 う、うんうん、苦手意識ぐらいはしゃーないよなっ!



「ま、まあまあ、おで達もさっきびっくりしたんだな。

 さすがに、み、見るの2度目だし」


「は、はは、いやー・・・ウチびっくりしましたわ~。

 こんなでっかい蛇さん、さっすがはおじさまやね!(べたべた)」


「ちょっと!? そこ!!

 何どさくさにまぎれてご主人様にベタベタしてるんですっ!?」


『わはは、ありがとうな、姫さん』


「もう! おじさまっ!?

 ウチの事も名前で呼んでって言ってるやないですかー!!」


「きいいいいいいいいい!!!! そこっ!!

 何ミケを差し置いてイチャイチャしてるんですかっ!!!

 そういうのはっ!!! そういうのはミケの特権なんですよ!!」


『ほれほれ、姫さんもミケもそこまでや。(ぽんぽん)

 そしたら、みんなボチボチ解体始めんでー。

 ツリーさんお手伝い助かりますわー。

 エイトちゃんもありがとうな~』


「は、はいっ! えっと僕は何からすればいいですか? うおっ」


「お、おでも頑張るんだな」


「(にこにこ)お気になさらず、アルファさん。

 今日は他のお客さんもいませんし、丁度手が空いてましたので」


「任せて! でっかい蛇さんにはビックリしたけど

 わたしも頑張る! 超頑張るよ!!」


『わはは、よろしく~。

 っちゅーわけで、ジンくん、まずはよろしく』


「えっ? ワイ?」



 えっ? えっ!?

 

 わ、ワイ、何させられんの?



「そうですよー、ジンさん。

 とりあえず、その自慢の刀で頭を落としちゃって下さいな。

 えーーっと・・・・この辺に毒腺があるから・・・。

 この辺ですね、(ぽんぽん)この辺でバッサリと!」


「え・・・ワイが切るん?

 この蛇って確か【ジャイアントパイソン】やろ?」


 

 あれ? この大蛇ってゆーか、このモンスターって

 

 確か{別名:剣士泣かせ}とか言われとったよな?

 

 金属みたいな、ザラザラの頑丈な鱗で覆われとって


 剣やったらまともに刃が通らんってアレやなかったか?


 え? ワイがそれ切るんか?



「あれあれ~? (にやにや)

 お侍さん、その刀は飾りなんですか~?

 あっ!? 自信ないんですね! これはすいません。

 いえいえ、ご安心を。

 蛇が苦手でビビってしまったお侍さんは

 そちらで休んでてください~。(ぷぷっ)

 ミケがバッサリやりますんで~~~」


「!!?(びきびきびき)

 や! やったらあああああああ!!!!

 ワイが真っ二つにしたるーーーーー!!!!」


『わはは、頼もしいなジンくん。

 ほんなら頼むわ、そこをズンバラリンとやってくれるかー。

 あ、そうそう。

 シート切ってもうたらアカンから俺が頭持ち上げとくわ。

 ・・・・・(ぐいっ)よっこらせっと』


「ふむ、期待しておるぞ、ジン君よ」


「ジン! おじさまに良い所見せるチャンスやで!!

 あんじょう、気張ぃ!!」



 うう・・・にーさんとご隠居とお嬢の期待が重いわー。


 ・・・ま、冗談はともかく、仕事はちゃんとこなしまっせ。


 でもあれやな、【雷刃丸】で切ったら焦げる可能性あるし


 【風刃丸】で下から上にスパッとやったらええやろか?


 刀で真下から垂直切りとか、すっごいやりにくいねんけどなぁ。



「ほなら、行くで!!(スッ・・・・・ズパッ!!!!!)」


(ドザッ・・・ボタボタボタボタ)


『おー! お見事やジンくん。

 きれいにズンバラリンできたなー。

 さっすが、【風雷のサムライ】の異名を持つ剣豪やな!

 いや、すごいすごい』


「いや~~~はっはっは!

 そんな誉めんとってーな~~!!

 これくらい、当然やって、に~~さ~~~ん!!」


「それじゃ、次は胴体の裏の・・・(ぺんぺん)この辺ですね。

 こっから(ずずずずずいっ)尻尾まで切り裂いて下さい。

 あと、それが終わったら・・・」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




 ・・・つ・・・疲れた。


 切りにくすぎるやろこいつ。


 おまけに、体液で体中もベットベトやベットベト。


 あれから、胴体の裏っかわ切り裂いた後で


 にーさんらが皮剥いで内蔵取っ払った胴体を


 散々ブツ切りや!!


 胴体分厚すぎるっちゅうねん、俺の腰まであるやないか。


 おまけに何メートルあんねん、この蛇。


 1メートルごとで7回やから、大体8メートルぐらいか? 


 さすがにしんどいわ、もう腕上がらんっちゅーに。


 それにしても蛇の皮ってあんなきれいに、ずるっと剥けるんやな。


 何か、靴下をべろんっと裏っ返しに脱いだ時みたいに見えたわ。


 ・・・さ、さすがに、もうワイの出番は終わりやろ。



「それじゃ、次は捌いて骨切りよろしくー」


「マジでええええええ!!?」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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