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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
55/401

55 冒険者Aさんと薬草の採取開始

あらすじ:どんなに幸運でも方向音痴ではマッパーは無理なんじゃ?


視点:Fランク冒険者 ポーター ロバートさん

『』:アルファさん


(シャッシャッ、サクサクサク)


「アルさん、こ、こんな感じなのかな?」


『うん、そうや。

 うまいやんロバやん、さすが運送屋!』


「ご主人様、またですか?」


『またとかゆーな!?』



・・・う、うん?


な、何の事かわからないけど、これで良さそうなんだな。


そうか、この草は根元が大事なんだか。



「その草は柔らかいからのう、指で詰むとすぐ潰れてしまうんじゃ。

 薬草として効果が高いのは若い葉の根元じゃからな

 茎の下から1/4ぐらいは残して、上を刃物で切り取っていくんじゃ。」


「そして、採取の時に気をつけないといけないんですが

 端っこから順に切って、全部採取しちゃったらダメですよー。』


「?? えっと、どういうことなんだな?」


『それはやなー、こんな感じに(ひょい、サクサク、ひょい、サクサク)

 間、間を取っていって、ある程度残したらんとアカンのやな。

 でないと群生がすぐ全滅してまうからなー。』


「あ、なるほど、間引いていくんですね、うおっ。

 【リューグー】で食事用の海草育ててた時も

 似たような感じに採取してましたよ、うおっ。」


『あーーー、そうやな。

 野菜育てるのとか植木の手入れなんかも似てるなー。

 ここはお日さんもよー当たるし、間引いて風通しよくしといたら

 残した部分から脇芽が出て、また増えてくれるやろしな。』


「採取した薬草はそこに敷いたゴザに置いてってくださいな。

 後で纏めて、しまう作業しますからねー。」



あ、そ、そうか、全部取っちゃったらダメなんだな。


・・・も、もし、おでだけでやってたら


何も考えないで、ぜ、絶対に全部取っちゃってたんだな。


しかも、おで不器用だし、手で無造作に引きちぎっちゃてただろ。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽





「さて、ローにサバミソ。

 集めた薬草なんですが、どうやって持って帰ると思いますか?」


「? えっ、束にして紐で結んでいくんじゃないんですか? うおっ。」


「お、おでもそうかと思ったんだけども、ち、違うのかな?」


『んー、まあ間違いではないんやけどな

 その方法やと、品質は{劣}か、良くて{並}にしかならんねん。』


「そうじゃな。

 柔らかい草じゃから、縛って束にするにはかなり重ねて強めに縛らにゃいかん。

 そうするとその縛った部分から傷んでいくからのう。

 場合によったら半分以上使い物にならんかったりするんじゃ。」



な、なるほど、品質・・・そ、そういえば商隊にいた時


同じ商品なのに値段が違うのがあったんだな。


あ、あれって、品質で分けてたのかな?


・・・あ・・・そ、そうだ、値段の高い商品って。



「あ、あの、ひょっとして箱とか瓶に入れるのかな?

 高い商品なんかはそうやって保管していたんだな。」


『お! 正解やロバやん。

 ギューギューにならんように、少し余裕を持たせて縦に詰めるんや。

 小分けなら瓶や筒なんかに詰めると丁度ええな。

 大量にある場合やったら、大籠なんかに詰めるとええ感じやな。』


「入れ物がない時は、そこらに生えてる竹を切れば筒の代わりになりますよ。

 もしくは、木の皮や大きい葉があればそれでくるんでから紐で結ぶと

 傷みが少なくて済むので、覚えておくと良いですよ。

 ・・・あっ、古い竹や既に倒れてるやつは乾いてて硬いので

 細目の青竹なんかがオススメですね。」


「竹の筒は便利じゃな、コップとか容器の代わりにもなるし

 水分が残っとるから入れたもんが萎れにくいしのう。

 ただ、竹は切るのにコツがいるんじゃよな。」


『あーー、せやね。

 目の細かいノコギリがあったら、真横にも切れるから一発なんやけど

 ノコギリが無い時は【鉈】の出番やな。

 こう・・・斜めにスパッとやれば【鉈】でもいけるで。

 ただ、斜め切りも慣れてへんと滑るからな。

 自分が怪我せんように注意や!」


「まあ今日は、いっつも使ってる筒がありますから、コレに詰めますよー。

 詰め方は・・・(カサカサカサカサ、キュッ、スポッ)こんな感じですね。」


「わかりました! うおっ。」



え・・・・と、こ、こうかな?


(カサカサカサカサ)筒の幅ぐらいに草を集めて・・・。


ほんの軽く絞って・・・。(キュッ)


筒に・・・。(スポッ)


おお! おでにも出来た出来た!!


な、なるほど、これならピッタリ入るし、草も潰れないだ。


今度からは、こういうのをあらかじめ持って行けばいいんだな。



『あ、そうそう、この筒はたくさんあるからなー。

 今度からはそれ持って行ったらええ。

 当分の間、キミらにはこの{薬草採取クエスト}をやって貰う予定やしな。

 ロバやんが【マジックリュックⅠ】修得したら

 持てる量もがっつり増えて一気に楽になるんやけどな。

 その前に、持ち歩ける量と総重量を考えながら色々試した方がええ。

 どのぐらいやったら、行動を阻害せんかどうか~ってのは

 実際やってみんと実感でけへんし。

 結局は、後々それが基準になるしな。』


「さてと、それじゃあ、皆でサクサクやっちゃいましょう!」


「「おー!」」


「ん、そうじゃ、アルファちょいと手伝ってくれい。

 今の間に山菜とかも取っておきたいんじゃ。

 それに、この時期なら、とっておきのキノコが生えてる所があるからのう

 せっかくじゃから、教えといてやるわい。」


『おっ! トロットじーさんのとっておきって、まさかアレか!?

 あのキノコってこの辺に生えとるん?

 それは、ぜひとも教えてもらわんとな!!

 ミケ! サバミソとロバやんの引率は任せるからなー。』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽






「アルさん達、帰ってきませんね・・・、うおっ。」



・・・あれから2時間ぐらいたったんだな。


おで達は、ミケさんに連れられて


もう1箇所、薬草の群生地で採取してたんだけど


アルさんもトロットさんも帰ってこないんだな。


だ、大丈夫だと思うんだけど、どうしたんだろうな。



「あ、アルさん達どうしたのかな?」


「はい? あー・・・、ご主人様達なら全~然、大丈夫ですよー。

 この辺は、あのじーさんの庭みたいなもんですし。

 それに、ミケはご主人様の匂いと音をちゃーんと追跡してますから

 ずばっ! と位置も行動も把握済みなのですよ!!

 ぬふふふ、ご主人様を探させたらミケは世界で一番なのです!

 並ぶ者などいないのです!!(ふんすふんすふんす)

 ・・・ふむふむ、もうすぐそこまで近づいて来てますね。

 それじゃあ、2人共、帰る準備ですよー。」


「あっ、はい、うおっ。」


「わ、わかったんだな。」


(ザッザッガサガサガサガサ・・・ヌウーッ)


「あ、おかえりなんだ・・・・ぴゃあああああああああああ!?」


「ぎょーーーっ!!? はうあう(ぱくぱくぱく)」


「ご主人様お帰りなさい~って、これまた大物ですね」



あ、あわわわわなんだななんだななんだな。


う・・・う?


あ、あ、あ、で・・・でか・・・でかいへ・・へび?


い・・・いきなり草むらから


ち、血まみれの巨大蛇が顔を出したら、い、いくらなんでも


び、び、びっくりするんだな、したんだな、まだしてるんだな。



『お~、ただいま~。

 わはは、サバミソもロバやんも驚いた~?

 驚かせてすまんの~!

 いやぁ~ええもん獲れて、ちょっとテンション上がってもうたから

 ついつい悪ふざけしてもうたわ! いや、メンゴメンゴ~!!』


「ふぃー、戻ったぞい。

 うーむ、ワシもこんだけでかい蛇は久々に見たのう。

 これって、名前は知らんが確かモンスターじゃったよな?

 むか~し、開拓時代に1回だけ遭遇したんじゃが

 あん時ゃ、駆除にえらい手間取ったわ、懐かしいのう。」


「ご主人様、コレって、【ジャイアントパイソン】でしたっけ?

 毒吐いてくる巨大蛇のモンスターですよね、確か。」


『せやな。

 確かそれであってるはずや。

 さて、それはともかく、皆揃っとるし帰ろか。

 コレの事とか、トロットじーさんに教えてもらったキノコの話とかは

 帰りにながらすればええやろ。

 ちょい、コレのせーで時間食ってもうたしなー。』



も・・モンスター、だったか!


び、び、びっくりしただなあ・・・。


サバミソくんも、かなり、びっくりして・・・あ、あれ?


・・・・・・さ、サバミソくん!?



「・・・・・。(ぱ・・く・・・ぱ・・・く)」


「う、わわわ! さ、サバミソくんが!?

 し、白目むいて、泡ふいて、い、意識失ってるだ!!!!?」


「・・・・・・ご主人様ー。」


『わーははー、いっけねーーー、☆(・ω<)てへぺろ』

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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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