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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
53/401

53 冒険者Aさんと採取の準備をしよう

あらすじ:迫り来る謎の一行にロックオンされますた


視点:Fランク冒険者 ソーサラー サーバクン・ミーソットさん

『』:アルファさん

『ほんじゃ、ロバやんの移住も終わって昼飯も食ったし

 ボチボチ明日の為の準備始めるでー。』


「はい! ・・・あれ? ミケ姉さんは? うおっ。」


『あー、ミケはギルドの受付に行かせたわ。

 ちゃーんと、トロットじーさんが指名依頼出しとるかどーかの確認や。

 んで、出しとったら手続き完了させといてってな。』


「ア、アルさん、そ、そういうのは代理でも大丈夫なのかな?」


『あーそれな。

 普通やったら、手続きとかには代理人の証明になるもんを持たせんとあかんのやけど。

 ミケは【従者】として登録してるからいらんのよ。』


「なるほど、そういうものなんですね、納得しました、うおっ。」


『まあ、ミケの事は置いといて、そんじゃ準備始めよか。

 さて! サバミソ! 明日は{採取クエスト}やけど、まず何が必要か!?』


「えっ!? えっと・・・うおっ。」



えっとえっとえっと、採取だから集めた物を入れる大きい袋?


あ、いや、それよりも採取する為の道具かな?


・・・道具って何使うんだろう? ハサミ? ナイフ?



「え・・えっと、採取する為の道具ですか? うおっ。」


『はい、残念~。

 それじゃ! 次、ロバやん!! 何やと思う?』


「えっ!? う、う、う? 大きい袋・・・なのかな?」


『はい、それも残念賞~。

 まー、確かにどっちも間違いではないんや。

 だけど、それは後回しやな。』


「わかった! おやつだ!!」


「そうそう、おやつは小銅貨3枚まで・・・って、なんでやねん!

 っていうか、テンちゃんいつの間にそこおったんや?」


「おっちゃんと、おさかなと、ひげもじゃのおっちゃんが

 にもつもって、ぞろぞろ宿屋へはいっていくの見えたから遊びにきた!」


『そうか! やるな! テンちゃん!!

 まあ、お菓子やるから大人しくしといてなー。』


「おかし! ありがとー! おっちゃん!!」


『・・・えーっと、何やったかな?

 ああ、そうやそうや、最初に準備するもんやったな。

 ま、答えは簡単、丈夫な服やな。』


「・・・丈夫な服? うおっ。」


『せや、正確には、厚手の長袖服に長ズボン、後はブーツに作業用の手袋。

 それと帽子やな・・・サバミソの帽子・・・は、まあ何かで代用しよか。』


「「・・・・。」」


『わはは、当たり前の事なんじゃ? って表情しとんなー。

 でも、そのとーり。

 当たり前のことなんや。

 必須って言ってもええな。

 でもなー、実際、討伐行くやつらでも、意外とこれ忘れるやつ多くてなー。』


「え? そうなんですか? うおっ。」


『せやでー。

 街道沿いとか平原やったらまだええけど、森の中とか山ん中行く時は必要なんやで。

 そこら中に毒持った虫おるし、木の枝とかいっぱい飛び出とるし

 素手で触ったらかぶれる草や葉もいっぱいある。

 そういう小さい傷とか怪我とかってな、作業とか移動に地味に響いてくるんや。』


「な・・・なるほど、そうなんですね、うおっ。」



なるほど・・・【リューグー】には毒虫とか低木とか無かったし


他だとそういう所に気をつけないといけないんだ・・・。



『ちなみにズボンの裾はな、足首んとこで紐で縛るか

 ブーツの中に入れるとかして、中に何か入らんように工夫するんやで。』


「おっちゃん、テンはズボンはいてるぞ、ほら!!」


『おー、テンちゃんはズボン派か。

 確かに、よー動き回っとる子やしな。

 ま、もうちょい大人になったら可愛いかっこもするんやで。』


「アルさん、採取道具って何を使うんですか? うおっ。」


『ん? まあ、普通に丈夫な大き目の【ダガー】を2・3本ってとこやな。

 あと、袋も丈夫なやつで・・・口のとこ紐で縛れるやつな。

 最低でも、大やったら2つ、小は5つぐらいは必要や。』


「ふむふむ、うん、それならおでは手持ちで足りるんだな。」


『あと、今回は奥まではいかんけど、山に入ってくから

 【小型ハンマー】と【手斧】か【鉈】が必要やな。

 ちなみに俺のオススメは【鉈】やな。

 草刈ったり、枝叩ききったりするのに丁度ええし

 肉とか魚とか獲物を大雑把に捌くのにも使えるしなー。

 後忘れたらアカンのは、それ研ぐ【砥石】やな。

 【手斧】にしろ【鉈】にしろ、切れ味ってのはすぐ落ちるからな。

 どんだけ刃がごつくても、切れ味落ちたら切るのに無駄に力要るし

 何より無理矢理使ってると、道具自体が壊れてまうからな。

 あ、足りへん道具は後で買いに行くから、一応覚えときやー。』


「う、うん、わかったんだな。

 ・・・【小型ハンマー】に【鉈】に【砥石】っと。

 あ、アルさん、ランプとか松明なんかは必要なのかな?」


『せやな、明かりはあった方がええけど、今回はええよ。

 夕方までには帰る予定やし、何より重くてかさばるからなー。』


「アルさん、日帰りじゃない時は必要なんですか? うおっ。」


『んー、まあ、必要は必要やけど、野営の時に必要なだけで

 冒険中には滅多に使わんで?

 例えば洞窟とか地下とか入らんとアカン時には、さすがに必要やけど

 ぶっちゃけ、屋外で冒険中の場合

 暗くなったのに、ウロウロしとる時点でアウトや。

 そうなる前にどっかで野営せんとアカン。』


「あ・・・なるほど、暗い状態で行動する事自体が、もうダメなんですね、うおっ。」


『そうゆー事や。

 だから冒険中には、{通れる道}{通ってきた道}{休憩できそうな場所}なんかを

 常に確認しながら移動せんとアカン。

 特に、山ってのは暗くなり始めたと思ったら、あっちゅー間に真っ暗になるしな。

 明るい内から、なるべく安全に野営できる候補を幾つか探しとく訳や

 まあ、これは冒険がどうのとゆーよりも、山歩きとか旅の知識やねんけどなー。

 でも、これができへんと、冒険者として長生きでけへんのは間違いないわ。

 ええかー? 2人共、これは絶対やで~、必須やで~、覚えといてや~?』


「はい、うおっ。」


「た、確かに商隊でもかなり早めに野営の準備をしていたんだな。

 うん、お、おでもちゃんと覚えておくんだな。」



・・・なるほど。


小さい怪我をして能率悪くなるようなら


そもそも小さい怪我をしないように予防する。


暗くなった際に必要な物を持って行くぐらいなら


そもそも暗くなった時に行動しない。


うん、ボクは凄く納得できたんですけど・・・。


アルさんがこれだけ念を押すっていう事は


多分、みんな頭では分かってはいるけど意味までは理解していない。


もしくは、その意識が薄れちゃって準備を怠った結果


危険な目に合った人の実例が多いって事なのかな。


・・・んーーーー、という事は、ボクが他に準備するとしたら。



「アルさん、今回は別として、野営が必要な時だったら

 何が必要なんですか? 布団を持ち歩くの大変だと思うんですが、うおっ。」


『あーーー、まあ、それは今度必要な時に教えるわ。

 一度に全部教えても覚えきれんしな。』


「わかりました、うおっ。」


「アルさん、他には何を準備すればいいんだな?

 着替えと、水筒と、手ぬぐい何枚かとかでいいのかな?

 あ、作業用の手袋も予備があった方がいいのかな?」


『おっ、ロバやんはさすがに商隊で働いとっただけに

 その辺の準備は知っとるみたいやね、ええでええで~。

 ・・・んでやな、今回はってゆーか今後もやねんけど

 2人にはクエスト中に必ずやって貰う事があるんや。』


「あ、はい、何でしょうか? うおっ。」



必ずやらないといけない事!!


これはきっと大事な・・・!!



『それはやな・・・ん?

 そういえば、何か静かやと思ったら、テンちゃんどこ行ったんや?

 いつの間にかおらんようになっとるけど。』


「あ、あの子ならお菓子食べた後

 そのまま帰ってましたよ、うおっ。

 {もう、ここに用はない}って言ってました、うおっ。」


『マジかー、全然気付かんかったわー。

 やるな! テンちゃん!!

 まあええわ、そんでやな・・・。』


(・・・・ドドドドドドドド、ガチャッ!!!!)


「(ふんすふんす!)今! 帰りましたよ! ご主人様!!

 今! あなたの!! 愛しい!!! 可愛い可愛い!!! ミケが!!!!

 ご主人様の元へーーーーー!!!!!! 帰りま(ズビシッ!!)しぃらあぶ!?」


『やかましいわ!!?

 お使いありがとう!!

 普通に静かに入ってこんかい!!

 お帰り!!!

 この駄狸がーーーーーー!!!!』


「そ、そんなひどい!!

 ミケはご主人様の為に頑張りましたのに!!!(ちらっ)

 頑張って、急いで戻ってきましたのに、ううう!(ちらっちらっ)」


『・・・しゃあないなあ。

 買いもんから帰ってきたら

 とっときの【黄金芋焼酎】やるからそれで我慢せえ。』


「・・・プラス尻尾のお手入れとお酌。(ちらっちらっ)」


『あほか、何でお酌までせんとあかんねん。

 勝手に飲めっちゅうねん。

 それに、尻尾の手入れはこの間やったからもうええやろー。』


「・・・飲んでる間、膝枕となでなで。(じーーーー)」


『わかったわかった! 後でな、晩飯食ってからな。

 そんな事よりも、ミケ帰ってきたんやったら、みんな、買いもん行くで!!

 ほら、サバミソもロバやんも行くでー?(すたすたすたすた)』


「いぃぃいいやっほぉおおーーーーーい!!!

 さすがご主人様!! (どたどたどたどたどた)」


「「・・・・・・。」」



・・・あれっ? だ、大事な事は?


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猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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