52 冒険者Aさんと謎の一行
あらすじ:動物の尻尾をぎゅっと掴んではいけません
視点:Cランク冒険者 ランスウォリアー ビーエルさん
『』:アルファさん
(ピーーーーーーヒョロロロロロロローーーーーー)
「はっ!!? フジョ様! 今、こちらから気配がしませんでしたか!?
まるで・・・そう! まるで、これから新たなストーリーが生まれる!!
みたいな!!!」
「ふむ、どれ・・・・・・おお! 確かに・・・・。
(くんくんくんくんくんくん)うーーーーーむ、まだ浅いが
この気配は確かに期待できるのう。」
「行ってみますか!? フジョ様!!」
「そうじゃのう、ま、どのみち街道沿いに歩いておるしのう。
ゆっくり行こうではないか、ビーエルよ。
わらわの予感では、もう少し時間をかけた方が
さらに色々楽しめる状況になっていそうじゃしな。」
「おお! それは楽しみですね! フジョ様!」
フジョ様も期待できるとおっしゃられてますし
これは、楽しみなってきましたよ!
それでこそ、フジョ様の取材のお供として【フソウ】から海を渡り
旅を続けている甲斐があるというものです。
これで、良い取材対象を発見する事ができれば
【フソウ】に残られた、巫女長のユガミ姉様もきっとお喜びになる事でしょう!
そして、全世界で心待ちにしている同胞達と幸せを分かち合いたいものです!
ハァハァ・・・じゅるり。
「これこれ、ビーエルよ、気持ちが逸るのはわからんでもないが
顔がだらしない事になっておるぞ。
お主も乙女なんじゃから、あまり表に出すではないぞ。」
「はっ!!? (じゅるん)こ、これは失礼致しました!」
「よいよい。
さあ、一休みしたら行こうではないか、ビーエルよ。
む・・・その前に、何か近づいて・・・む?」
(ガサガサガサ、ダッダダダダダ!)
「ブキイイイイーーーーーーーー!!!!」
「(ひらりっ)おおっと!? ・・・・・・うん?
何だ、ただのでかいだけの【ボア】系統ですね。
楽勝楽勝・・・あ! フジョ様は少々下がっておいて下さいね。」
「ふむ、まあ心配はしておらんが、一応気をつけるのじゃよ?」
あーこれは、多分【ワイルドボア】で間違いないですね。
まあ、{Cランク推奨}のモンスターではありますけど
こんな街道にまでホイホイ出てくるって事は
凶暴に見えたとしても、どうせ、お腹すかせて弱ってるはずですし。
・・・へっへっへ・・・気をつけなさいよ?
お姉さんは、ノンケの獣でもホイホイ食べちゃう女なんですよ?
(ザザザザザザッ、ダダダダダダダダダダダ!!)
「フゴォーーーーーーーーーー!!!!!」
「はい、ひらりっと(ひらりっ)
そして・・・・・・・・・。」
(ズザザザザザザ)
「(ぞくっ!!!!?) フ、フゴッ!!?」
「いただきまーーーーーーーす!!!!!」
(ずぶぅうううううううううううううう!!!)
「フゴァアアアアアアアアオオオオオオオ!!??」
「ほほう、ビーエルはモンスターに対してでも容赦ないのう。
・・・むっ!? そうか、心の目でビーエルとモンスターを変換!!
ふむ・・・・・・まあ、これはこれで?
有りか無しかと言われれば、わらわは無しじゃが
うーーーーむ・・・・・微妙。」
ま、そうですよね。
私もこれは違うと思いましたし。
なにより、苦痛しか無いのではこれはイケない。
「じゃあ、とりあえずトドメさしておきますね。
はあっ!! 【サンダーランス】!!!」
(ババババッババッババリバリバリバリ)
「(びくんびくん)フッグフッゴァッァアーーーーーー!!!(びくんびくん)」
(シュウウウウウウウウウウウウウ・・・・)
「・・・・・ふむ、今の一連の流れは使えるかも知れんのう。
!? あっ!! 何か・・・・思いついた!!!!!
特に最後の{シュウウウッ}って音が
わらわのいんすぴれーしょんを掻き立てたのじゃ!」
「おお!! フジョ様のお役に立てて私も嬉しいです!!」
「よし! 忘れん内にメモしてしまおう!
ビーエルよ! 紙と筆を頼むぞ!!」
「はっ!!」
よし! やったぞ!! 全世界の同胞達よ!!
これがフジョ様やユガミ姉様にとって、ほんの切欠となってくれれば
私にとっても喜ばしい!
ぜひとも、我々の歴史に新たな1ページが加わらん事を!!!