05 冒険者Aさんと討伐完了
あらすじ:すごく・・・大きいです・・・
視点:Dランク冒険者 ソーサラーLv3 ケベックさん
『』:アルファさん
『・・・ほーん? まあええか。
そんじゃあ、キミらちょっとココで待っとってくれるかー。
あ、そーいや、ケベックくん。
キミ、今って魔法スキルは何使えるんやったっけ?』
「えーっと・・{1ランク魔法}は魔法攻撃の【マジックアロー】と
攻撃力アップの【エンチャント・ウエポン】です。
あとは点火の【ティンダー】と点灯の【ライト】が使えます。
それで、全回数は4回まで増えてます。
{2ランク魔法}は火の玉を打ち出す【ファイアーボルト】と
暗闇付与の【ダークネス】の2つなんですけど、全回数は1回だけです」
『おー! そかそか。
前は【マジックアロー】と【ファイアーボルト】だけやったのに
結構、搦め手覚えたんやね? ええこっちゃ』
「へへへ・・・ちゃんと前教えられた事を参考にして
【コモンスキル】の【スタミナアップ】とか
【魔法攻撃力アップ】や【詠唱速度アップ】とか修得して
{パッシブ系}も地道に鍛えてますよー」
僕とマイクは、今までに3回。
アルファさんの臨時パーティに加わえてもらってる。
そこで教えられた事で、色々と気付かされた事がある。
だからこそ、同期や他の冒険者にバカにされようとも
あえてDランクからCランクへは上がらず。
1年間もDランクで足踏み状態を続けているんだしね。
『よっしゃ、じゃあ、ケベックくんは
【ダークネス】の準備をしとってくれるか?(すーーっ)』
「え!? 俺はどうしたら?
・・・・あれ? おっさんどこいった?
さっきまで話してたのに、いつ居なくなったんだ!!?」
やっぱり【ハイド】ってすごいよね。
アルファさんは、このスキルの熟練度は100%らしい。
目の前で発動してもこんなに存在感消せるんだ!?
熟練度が低くてもそれなりに効果あるって聞いたし。
偵察でも奇襲でも、少ないリスクで行えるようになるなら
便利すぎるよね!
これは、ぜひとも、ヤンキには修得して貰わないと!
「落ち着け! ヤンキ。
ミケニャンさん、僕達はここで待機で良いんですよね?」
「そうですねー。
今ご主人様が釣りに行かれましたので、ここで待ってて下さい」
「つ・・釣り?」
「ヤンキ、例えば君とマイクが突撃して
それぞれが最大火力のスキルで攻撃したとしても
あのでっかい【ボア】を倒せると思うかい?」
「・・・いや、無理無理」
「だろ?
初撃で、ある程度のダメージは与えられるかもしれないけど
その後、反撃くらってあっさり全滅の危機。
・・・とかがオチだよね?」
「ああ、そうなるだろな」
「だけどね・・・ほら、キミなら見えると思うけど
あんな感じに、遠間から石とか投げナイフを当てるだろ?」
「おお、そしたら追いかけてくるだろうな・・・ていうか!
おっさんいつの間にあんな所に!?」
「・・・で、待ってるこっちに逃げてくれば」
(ドドドドドドドドド!!!!)
『ただいまー。
5~ 4~ 3~ 2~ 1~』
(バキャッ!!!・・・ズボッ!!・・・グシャーーーー!!!)
「ブモーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?」
「お・・・落とし穴ぁ!?」
『さっき、ミケと一緒に落とし穴掘っといたんや。
これで楽勝になったやろ?』
さすがアルファさん!
あっさりとあんな大物の釣りを成功させるとか
そこに痺れるし! 憧れもしますよ!!
おっと! こうしちゃいられない!
このタイミングでっ!!!
「行きます!!
【ダークネス】っ!!」
(ボムッ・・・シュワワーーーーーーー)
「ブモッ!? ブギーーーーーーーー!!!??」
『おー、ええね、ええね。
これであちらさんの命中率は大幅ダウン。
危険はなるべく減らしておかんとなー』
よしっ! 【ダークネス】での目潰し完了。
たとえCランクのモンスターだとしても
獣系であれば、結構効きやすいんだよね。
効かなかったらもう1回かけなきゃいけなかったけど
1発で効いてよかったー! 効果時間は30分!
落とし穴に目潰しのコンボ決まれば、後はやりたい放題。
{【ソーサラー】は攻撃魔法使って当然!}みたいな
変なセオリーがあるけど、こんな地味で人気無い魔法でも
使い所を考えればかなり強力になるんだよね!
「それにしても、アルファさん。
あの短い時間でよくこんな穴掘れましたね、さすがです。
深さは3mぐらいあるんですか?」
『せやろ? さて、丁度ええ位置に頭出とるし。
みんなで囲んでボチボチ殴ろか。』
「はい! あ・・【エンチャント・ウエポン】要りますか?」
『んーー。
後はどつきまわすだけやし、俺は要らんけどな。
じゃあ、1番威力のある武器持ってるマイクくんに
かけたったらええんちゃうかな。
あの魔法の増加量って、確か{武器の威力依存}やろ?
結構、威力でるんとちゃうか?』
「わかりました! 【エンチャント・ウエポン】!!」
(シュバッ・・・ペカーーーーーー)
「OKだ! ケベック。」
この【エンチャント・ウエポン】という魔法は
対象にした武器の威力が上がる。
僕らのパーティで1番威力の高い武器は
マイクの持ってる【バスタード・ソード】。
元々の武器の威力に比例して威力が増加されるから
現状では、これが1番効果的になるんだよね。
しかも、不定形な【スライム】とか、幽霊の【ゴースト】とか
魔法生物にも効くようになるって利点はかなり有効なんだよね。
実は、この魔法って【コモンスキル】の方でも同じのがあって
そっちで取得してるって人って、割と居るんだよね。
【コモンスキル】なら、クラス関係無しに修得できるし。
ちなみに【ソーサラー】クラスの方のコレ。
威力の上昇値は変わらないけど、効果時間は倍の20分。
さらに、武器と手を保護する防護する力場が発生するから
【シールド】魔法の代わりにもなる。
おまけに、あまり知られて無いんだけど
効果時間中は、対象の耐久度自体が上がる効果もあって
戦闘中に刃こぼれしたり壊れたりとかの心配はほぼなくなる。
長期的に見ると、武器のメンテナンス代も変わってくるから
地味~~~にお得なんだよね。
まあ、F・Eランクのモンスター相手だと
【マジックアロー】数発、下手すると1発で倒せちゃうから
【タンゴ支部】に所属する冒険者の中ではこの魔法を使用・・・
どころか、修得している人すら、僕は見た事も聞いた事も無い。
ま、僕もアルファさんにこの魔法の便利さを教えられるまで
修得してなかったし、修得するつもりも無かったしね。
「一応、穴の底に【グリススパイダーの糸】を貼ってるから
外には出てこれないはずですし
【ダークネス】で盲目状態になってますけど
正面には立っちゃダメですよー?
暴れた時に牙でグサーっとやられちゃいますから。」
これが僕達が教わった事の一つ{罠にはめて囲んで物理で殴る}。
これは、基本的にスキルもいらないし
安い【狩猟用トリモチ】なら町で簡単に手に入る。
今回は素材が目的だから、皆で囲んで物理で殴るけど
クエストの達成条件が討伐だけだったら
動けなくなった後で、遠距離から矢や魔法で攻撃すればいい。
無ければ、その辺の大きい石を投げたり
【小オイル】で燃やしてしまっても良いわけだ。
アルファさんには、合間合間で色々と教わったけど
僕が中でも特に大事だなーっと感じたのは
{目的と手段を間違えない}という事だよね、やっぱり。
冒険者は貴族や武人とは違うんだから
戦闘で見栄えや手段に拘っちゃいけない。
とにかく、目的の達成と生き残る為に
あの手この手を使って泥臭く立ち回るのが大事。
で、1番やっちゃいけないのは
手間や小金を惜しんで命を失うって事。
これに関しては{【エリクサー】惜しんで命を失う}とか
ダメな例として昔から言われ続けている事なんだけど
実際、未だによくあるらしいんだよね。
リマさんとか、一部のギルド職員の人は
新人への説明時に伝えているみたいだけど
真剣に聞き入れてる人はかなり少ない感じなんだよね。
ははっ、若さって怖いね。
聞いた話だと、特に攻撃系スキルに頼って
楽勝ムードでCランクに上がってしまった人達っていうのは
死亡件数や大事故がやたら多いらしくって
命が助かったとしても、大半はそのまま引退。
まあ、人の教訓は自分達にしっかりと活かすとして
僕達はそうならないようにしなきゃダメだよね。
さて、今回の事でヤンキも少しは気付いてもらえるかな?
『そんじゃ! それじゃフルボッコタイムや!
キミら、いっちょ気張りやー!』
「はい! さあヤンキ! ケベック!
左右から叩くぞ!!」
(ザクッ! ザクッ! ズバーーーーーーッ!)
「お・・おう」
(グサッ・・・・グサッ・・・グサッ・・・・・)
「フフ・・こんな事もあろうかと
僕も今回はメイス持ってきてるんだよね」
(ドゴッ! ゴガッ!! ボゴーーーーーッ!!!)
「頭狙いなら、せいぜい左右に2人づつが限度ですね。
ミケが続けて殴っておきますので
ご主人様はしばらく休んでおいてくださいね」
(ズギャーーーー!!!!!!! グビャーーーー!!!!)
『りょーかい、ほな、今の内にバラす準備しとこかね。
ついでに、もうお昼やから、飯の準備でもしとくわー
お昼ご飯は期待しとってやー』
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
(ザクッ・・・ズルズルズルズル・・・・ザクザク・・・)
『おーい、解体はどんな感じや?』
「皮とか牙とかの素材系は大体終わりました。
今、肉を切り分けようとしてるんですけど
血抜きとかどうしたらいいんですか?」
『あー、コイツは血ぃ抜かんでええよ。
野性の猪と違ってコイツの血は特別なんよ。
厳密に言うと血やのうて体液と魔力の混ざりもんやな』
「えっ? コレって血じゃ無いんですか!?」
『せやでー。
だから、獣臭さも、血の鉄っぽい味も無いしな。
しかも火を通すと{めっちゃ美味い肉汁}に変わるんや。
実はコイツだけやのうて
他の動物系モンスターも大抵は同じなんやで?』
「ど、どう見ても、見た目は完全に血なのに・・・」
『せやな。
確かに見た目は普通に血やからな。
世間一般的には知らん人の方が多いんちゃうかな。
それこそ、町で実際に食材として使ってる料理人でも
知らん人は結構おるしなー』
・・・あれ? じゃあ、今まで
わざわざ血抜きしてたのは無駄だったの!?
あの【タイガーシカー】も?【ツインホーンラビット】も?
血抜きして全然止まらなかったから
何度も何度も丁寧に拭きまくったあのモンスターの肉も!?
「・・・というか、あなた達も使ってる
市販の【治癒ポーション】とか
【スタミナポーション】とかってこれが原料の一つですよ?
知らなかったんですか?」
「「「えっ!?」」」
『Cランク以上のクエストで
{ポーションの素材集め}ってのがあるんやけど
その中の{モンスターの体液}ってのがコレやな』
・・・そうだったんだ、全然知らなかった、参考になるなあ。
『いや、キミは【ソーサラー】で
一応{パーティの知恵袋}やねんから
それぐらいは知っとかんとアカンと思うで?』
「あ、はい、すいません」
ほんと、すいません。