49 冒険者Aさんと新たな光
あらすじ:インディアちゃんは、幼少期にインなんとかちゃんと呼ばれたトラウマ持ち
視点:Fランク冒険者 ファイター ロバートさん
『』:アルファさん
『ロバやんんん! キミは俺らの新たな希望の光や!!』
「「・・・・・・。」」
「なるほど! そうなんですね! うおっ。」
「ご主人様ー、出オチですか?」
『・・・なんや、反応悪いなぁ。
あとミケ、出オチゆーな。』
・・・え、え?・・・何でこんな事になったんだか?
おでは、さっき戻ってきて怒られて・・・。
新しくおでの担当になってくれた受付のインディアさんに呼ばれて・・・。
「・・・え、えーっと、ロバートさん?
まあ、いきなりで驚いたと思うんですけどぉ。
むしろ、あたしも色んな意味で驚いてるんですけどぉ!?
こちらのアルファさん達が今度からご一緒してくれる事になりました!
良かったですね! 今度は臨時じゃなくて正式なパーティなんですよぉ?
・・・で、ですよね? おっちゃ・・・アルファさん?」
『わはは、ちょっと素が漏れとんで、インちゃん。
まっ! そういうことや!
って言うわけで、ロバやん! 今度から俺らのパーティに参加やで。』
???
つまり、お、おではこの人達のパーティに入れてもらえる?
のろまで役立たずと呼ばれ続けてるおでを?
何で? おでみたいなのを入れて、この人達に何か良い事があるんだか?
「何でって顔してますわね。
ま、それは当然かと思いますわ。
理由はいくつかありますけど・・・一番はこの子の、サバミソの為ですね。」
「えっ? ボクですか? うおっ。」
『せやな、うちのサバミソも登録したばかりでな。
最初は色々仕込んどくつもりやけど
ランク差埋まるまで、毎回俺らに同行させるってのはさすがに無理やしなー。』
「あ、あはは、そ、そうなんですねー? (あーーー、そういう事ね、納得。)」
「そ、そうか、お、おでで役に立てるなら・・・。
ええと、サバミソさん? よ、よろしく。
・・・って、うわわ!? さ、魚っ!? あ、あわわわわ!!?」
『ほう!!? 時間差の1人ボケツッコミやな!
やるな、ロバやん、今のはええノリやったわ。』
「・・・いえ、ご主人様。
多分、素で気付いてなくて
素で驚いたんだと思いますけど・・・。」
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▽
・・・そ、そういう種族の人なのか。
うん、おで、失礼なことを言ってしまったんだな。
謝らないとダメなんだな。
「あ、あの・・サバミソさん? おで、失礼な事を言ってごめんなんだな。」
「い、いえ、ボク実際に魚ですし、驚かせてすみません、うおっ。」
「あっ、そうそう、ロバートさん。
ミケ達はその子をサバミソってあだ名で呼んでますけど
一応その子のフルネームはサーバクン・ミーソットって言いまして。
サバミソ? ロバートさんもこれからパーティに加わるわけですし
仲間なら彼もあだ名呼びで構わないですよね?」
「あ、はい!
ボクもその方が嬉しいです、うおっ。」
み、見た目で少し驚いたけど、心根の優しそうな子なんだな。
うん、おででもこの子とは仲良くできそう・・・かな。
「・・・うーん、それならロバートさんにもあだ名が必要ですね。」
「えっ!?」
『ロバートやし{ロバやん}でええやん?』
「・・・えっと、ロバート・・・ロバー、ロブ?
うーん、しっくりこないですねー。」
「ロバート・・・ろーと・・・ろと・・・? うおっ。」
『それは絶対にアカン!!』
「色んな意味でダメです!!」
「ギルドとしてもNGワードですぅ~!!」
「うおっ!!? はわわ!? あっ、はい、うおっ。」
『んー・・・ロバやんは、前は商隊におったんやろ?
そん時はなんて呼ばれとったんや?』
「え? お、おで、商隊で働いてた時は、{ロバー}とか{ロー}とか呼ばれてたんだな。」
「あ、それで良いじゃないですか。
じゃあミケは{ロー}で呼びますねー。
ローはご主人様より年上っぽいですけど
ミケよりは年下ですから、さん付け無しでいいですよね? あだ名ですし。
じゃあ、それでよろしく、ロー。
ミケはミケニャンですが。
{ミケさん}でも、{ミケ姉さん}でもお好きに呼んで良いですわよ。」
「じゃあ、ボクは{ローさん}と呼ばせてもらいますね、うおっ。
改めましてローさん、ボクの事はサバミソと呼んでくださいね、うおっ。
【リューグー】から出てきたばかりなので
冒険者の事もここでの生活の事もよくわかってませんけど
これからよろしくお願いしますね、うおっ。」
『えー・・・{ロバやん}ええと思うんやけどなー。
もう既に呼んでるし、これからも俺はそれでいくけどええやろ?
ああ、俺の事はアルファでも何でも好きに呼んでくれてええで。』
「・・・お、おで、こんなに歓迎されたの初めてなんだな。
じゃ、じゃあ・・・{ミケさん}に{サバミソくん}
それとアルファさ・・・うん・・{アルさん}。
こ、これからよろしくお願いしますなんだな。」
『おー! アルさんか、その呼び名は久し振りやなー。
意外とそう呼んでくれるやつってあんまりおらんかったんで
ちょっと嬉しいな。』
「・・・あ・・・あの、今更なんですけど・・・
ボクもアルさんって呼ばせてもらってもいいですか? うおっ。」
『おっ! サバミソもそう呼んでくれるんか、ええでええで。
サバミソからは普通に名前呼びやったから
遠慮しとるみたいでちょっと寂しかったとこやしなー。』
なんだか賑やかな人達なんだな。
お、おででもこの人達とならやっていけそうだし
足手まといにならないようにしなくちゃなんだな。
「えーっとぉ、それではアルファさーん?
4人の固定パーティで手続きすれば良いんでしょうかぁ?」
『おっと、インちゃん、それはちょっとタンマや。
俺はソロの扱いのままにしといて。
ついでに、ミケはそもそも俺の{従者}扱いやからパーティに登録できんしな。
サバミソとロバやんで固定パーティ登録して欲しいんや。』
「えっ? わ、わかりましたぁ。」
『んー、でもな。
その前に、先にロバやんのクラス変更を頼みたいんやわ。』
「「えっ?」」
・・・お、おでのクラス変更?
ま、まあ、今のおでじゃ、やっぱり・・・。
前のデルタさんがいつの間にか【ファイター】で登録してくれてたんで
お、おでも頑張ってみたんだけど、うまくいってなかったんだな。
おでは、元々気が弱いから、叩かれたり叩いたりとか苦手なんだな。
でも、おで、不器用だしのろまだし、他の事も出来る気が・・・。
アルさんは一体?