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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
397/401

397 冒険者Aさんとアリ討伐隊 ④

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あらすじ:特定の野菜がダメな人の多くは

     生理的な嫌悪が原因のようです。


視点:アリ討伐隊の隊員 レイさん

『』:アルファさん

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《創世新暦1665年 前秋 第3週 水曜日》


◆巨大アリの巣穴◆


「……姉貴」


「ええ、わかってるわよ。

 ジュリちゃん、どう?」


「ん……動いとんな…」


(ゴソゴソ、バサッ)


「え──っと…。

 方角はこっちが北で……。

 今ここら辺やろ?

 そしたら…」


「「「「「………」」」」」



 こういう時は変に口を挟まない。


 ジュリちゃんの気が散るだけだしね。


 さすがに他の人達も空気読んで黙ってる。


 何しろ普段から軽口が絶えない俺が


 大人しく黙ってるんだからね。



「…うん、やっぱそうやろね。

 反対側から逃がしとるんやろな」


「あ──やっぱり?」


「反対側って言うと海岸のある東側?」


「いや、ちゃうちゃう。

 ウチらの反対側。

 つまり街道のある西側やね」


「え? 西側? どうやって?」


「多分やけどこっち(トントントン)

 こっちに脇道があるんやろね。

 そこ通って、ぐる~っと迂回しとる感じ」


「ああ、そういう事か。

 俺もさっき逃げたやつにスキル使って

 追跡探知してるんだけど

 何か変な動き方してるんだよな。

 一度群れに合流してから

 固まってどこかへ向かってる感じ?」


「それってアレかな?

 女王アリ的なのを護衛して逃がしてる?」


「ええっ!? ダメじゃんそれ」


「戻った方が良くない?」


「まあ、みんな落ち着きなさい。

 今方針決めるから」


「「「「「………!」」」」」



 あ──…やっぱり合ってたか。


 遭遇戦で形勢悪くなったアリの1匹が


 急に逃げ出すから、とっさの判断で


 【追跡トラッキング】のスキル使ってみたけど


 ジュリさんの言う通り、穴の奥に行った後


 何か変な方向に動き出したんだよな。


 この【追跡トラッキング】ってスキル


 効果範囲が広いから割と便利なんだけど


 方向と大まかな距離しかわからないからなあ。


 動いてるけど、遠ざかってくわけでもなく


 こっちに向かって来るでもないから


 不思議に思ってたら、そういう事か。


 …さて、姉貴はどうするつもりなんだ?


 街道側にはアルフェルちゃんがいるから


 あの辺に出てくれたら一番楽なんだけど。


 …それにしても、何でその女王アリとやらは


 海岸に出れる東側に向かわないんだ?



「みんな、戻るわよ」


「戻る? えっと隊長、来た道をって事で?」


「ええ、そうよ。

 それで、戻る途中で分隊Bと合流してから

 さらに戻って地上の分隊Aと合流ね」


「OKです」


「承知しました、隊長」


「あっ、ちょい待って。

 ほんなら、印だけつけとくわー」


「……」


 ふうん? 姉貴にしては消極的だな。


 何か引っかかる事でもあるのか?


 ………まっ、いいか。


 どっちにしろ、それならやっと一息つける。


 何しろ昨日は昨日で、街道近くの巣穴を


 片っ端から潰してまわって


 今日は今日で、朝から主道と思われる巣穴を


 突き進んできたんだもんなー。


 もう途中から数えるの止めたけど


 昨日までと合わせて、もうかなりの数の


 巨大アリは討伐はしたんじゃないか?


 正直、いい加減ゆっくり休みたい。



「それじゃ戻るけど、みんな油断しない様にね。

 ほら、愚弟もダレてないでしゃっきりする!

 地上で合流したら、今日は例の拠点を

 使わせてもらうつもりだからね」


「「「「「っ!!!!」」」」」


「いやっほー!! さすが姉貴!」

「ホントですか隊長!」

「あー! シャワー浴びたーい!」

「早く戻りましょう! 早く!」

「わーい! まともなご飯食べれる!?」


(ドタドタドタドタ)


「だから、油断はするなって言ってるでしょ!」

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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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