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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
396/401

396 冒険者Aさんと野菜を美味しく食べよう ③

==========================================

あらすじ:巨大アリ討伐は順調に進んでいるようです。


視点:ズールの鍛冶工房 ノイツェさん

『』:アルファさん

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《創世新暦1665年 前秋 第3週 水曜日》


◆タンゴの町 屋台広場◆



(ワイワイワイワイ)


『そもそもやなー。

 野菜嫌いってのは大体どっちかなんや。

 生理的に無理~ってのと

 単純に味が辛いとか苦いとかやな』


「ん? 生理的って?

 味はよく聞くけど…」


「どういうことです?」


『わはは! 生理的にってのは

 ま、風味とか食感なんかがそうやな~』


「はー…風味?」


「食感? 食感ねえ?」


「あ! 何かわかるかも…。

 僕、ニンジンかじった時とか

 {ニンジン}って感じの匂いが

 口の中に広がって吐きそうになるから

 苦手なんです…」


『せやな~、風味ってのは、

 今ゆーてくれたみたいに口に入れた後で

 口の中に匂いが広がってアカンってやつやな。

 青くっさいとか、もわっとするとか

 具体的にこうって言いづらい感覚?』


「あー…なるほど、なるほどねえ。

 あるある、そういうのなら

 アタシも苦手なのあるよ。

 ブロッコリーが苦手なのよ、アタイ」


「ブロッコリー?」


「どうして?」


「いや、味は嫌いじゃないんだけどねえ。

 たまにオナラみたいな匂いしないかい?

 特に茹でた時なんか、こう…もわっと」


「お、おいおい…」


「いや…それわかるかも。

 私も感じたことあるよ」


「あんたもかよ!?」


『わはは! せやな。

 ちなみに、キャベツとかも茹でると

 割とそんな匂いがするんやで~?

 その2つって同じ仲間やし』


「そ、そうなんだ…」


『ま、どっちも風味が気になる場合は

 炒めるか揚げるかしたらええで。

 そんじゃ…ちょっとやってみよか』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「うん、サクサク!」


「あ、これなら気にならないね」


(ワイワイワイ)



「(モグモグ)………」



 ………へえ、嫌な匂いはしないわねえ。


 というか、むしろ食欲がモリモリ!


 確か…中身はニンニクと塩とコショウだけ。


 まぶしてた粉は…何の粉?


 小麦粉じゃない事は確かよねえ。


 小麦粉ならこんなにサクサクにならないし。


 うーん……それにしても、この町じゃ


 ブロッコリーなんてどのご家庭でも


 大体茹でてサラダかスープに入れてるけど


 ちょっと調理方法変えただけで


 こんな変わるもんなんだねえ。


 …それにしてもサクサク感もそうだけど


 何か香ばしいわね、この揚げ物の衣。



「ねえ、アルファさん。

 この揚げ物って何の粉使ってるの?

 小麦粉じゃないと思うんだけど」


「あ、それアタイにも聞かせておくれよ!

 うちは工房でよく油使ってるから

 キツイ揚げ物だと、アタイもうちの人も

 いつも胸焼けしちゃうんだけど。

 これだけ軽いなら、パクっといけるわ」


「それ、私も私も!

 ぜひ聞いておきたいわ」


『粉? 粉ってゆーてもこれやで?

 (ヒョイ)米粉、お米砕いたやつ』


「「「「コメ!?」」」」


『そそ、作り方も簡単やで?

 2~3時間ぐらい水に漬けとくやろ?

 んで、ざるかなんかで一晩乾かすやろ?

 あとは石臼かすり鉢でゴリゴリとやるだけや』


「え? それだけ?」


「へえ…それなら私でもできそう」


『ま、今回のこれぐらい細かくするなら

 石臼使った方がええけど

 すり鉢なら、もう少し粗目になるから

 それはそれで、また違う食感でなー』


「違う食感? そうなの?」


「どんな感じなんだろ?」



(スッ)


「(ニコッ)どうぞ、皆様。

 こちらに用意してございますので

 ぜひ、ご試食してみてください」


「「「「!!?」」」」



 こ、この子、いつのまに!?


 アルファさんとこのお弟子さんよね?


 確か…そうそう! ユキちゃん!


 この間、アルファさんが工房に連れてきて


 サクちゃん達と一緒に紹介してくれたんだわ。


 この町じゃ、滅多に見かけないような美少女


 …と思ったら、男の子だって言うんだものねえ!


 アタイもうちの人もすごいビックリしたんだよ!


 それにしても、さっきまで居なかったのに


 いきなり現れたわねえ。


 しかも、話を聞いてたかの様に…。


 いくらなんでもピッタリ過ぎないかい?



「(カリッ)…んっ!?」


「(ザクザクザク)んんん!?」


「……は~~~、こうなるんだ!?」


「良いな! コレ。

 他の食材でも色々できそう!」



 な、なるほどねえ。


 さっきの細かい粉だとサクサクだったけど


 こっちの粗目の粉だとカリカリになるのかい。


 うんうん、ザクザクとした歯応えで…。


 ああ、なるほどねえ。


 さっき衣が香ばしい…って感じたけど


 こっちの方がはっきりわかるねえ。


 これは…このザクザクは…癖になるねえ。



「(モグモグ)…ふむ、良い揚げ具合だ。

 ノブユキ君は料理の腕もやるものだ」


「(バクバクバク)ん~~~~!

 どっちも美味いやんか~~~!!」


「「「!!?」」」



 うおいっ!? ビックリした!!?


 いつも何か食べてる爺さんと孫の嬢ちゃんか!


 この2人もいつの間に来たんだい!!?

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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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