380 冒険者Aさんと調査報告書 ②
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あらすじ:世界には{穢れ}に汚染された
モンスターや野生動物がいるそうです。
視点:冒険者ギルド 職員 ノーヴェさん
『』:アルファさん
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《創世新暦1665年 前秋 第2週 金曜日》
◆冒険者ギルド会館 会議室◆
「───と言う訳だそうです」
「うーむ…想定内って所かのう。
あやつらはまだ受付で待ってるのか?」
「いえ、一旦は帰って頂きましたよ?
早朝にあちらを出発したそうなので
さすがに疲れてる様でしたしね。
マイクさんだけ、昼過ぎに
また来てくれる様に伝えています」
「そうですか~、報告ありがとうね~。
対応もばっちりよ~、ノーヴェちゃん」
うん、大丈夫だったみたいですね。
私の判断で一旦帰してしまったのは
さすがにどうかとは少し思いましたけど
かなりお疲れのようでしたしね……。
彼らのパーティは基本的に
日帰りのクエストが多かったはずですけど
今回は野営込みの威力偵察でしたし…。
「いえ、問題なさそうで良かったです。
では、私は受付に戻りますね」
「おう、ごくろうさん」
さて、戻りますか。
私の受け持ちは納品窓口ですから
今日みたいな事がなければ
基本的に朝の内は暇ですしね。
彼らは私の担当ではないですけど
激務の受付窓口の負担を考えれば
私が対応して報告書を纏めたのは
とりあえず、正解でしたよね?
昼に来てもらえる事になってますし
詳しい報告や報酬なんかは
その時にでも本来の担当である
リマ先輩に応対してもらいましょう。
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▽
(パラッ、パラッ)
「え~っと~、あらあら~~。
ふ~~~ん~~~」
「思っとったよりも範囲は狭いし
種類も普通のタイプで良かったわい。
これなら、{Cランク推奨}って事で
あの姉弟に加えて
Cランク…ま、Dランクでもええが
2,3パーティ放り込めば
何とかなりそうじゃな」
「そうね~、可能ならそのまま
マイクちゃん達にも合同クエストに
参加してほしいけど~。
さすがに疲れてるわよね~」
「じゃろうなあ、戦闘回数からしても
疲れもあるじゃろし、装備の点検やらで
2~3週ぐらいは準備期間設けんと
さすがに許可できんぞ」
「そうよね~。
討伐の方は早い方が良いし
後は他の子達に任せましょ~」
「そうじゃな。
最近、あいつらに影響されたのか
練習場借りる奴らも増えてきたしの。
ま、良い傾向じゃよ」
「うんうん」
「……それにしてものう」
「……そうなのよね~」
「アルファのやつが…」
「アルファさんが…」
「絶対、嫌がるわよね~?
受けてくれたら確実ですけど~」
「ああ、嫌がるじゃろな。
そして、絶対、受けんじゃろうな」
「「はあ……」」




