375 冒険者Aさんと野営中の調査隊 ③
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あらすじ:リマさんが思い出して百面相してる所は
寮母さんにガッツリ見られてました。
視点:アリの巣からキャンプ地へ帰還 ヤンキさん
『』:アルファさん
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《創世新暦1665年 前秋 第2週 木曜日》
◆拠点候補地 キャンプ場◆
「いや…何とか帰ってこれたなぁ…」
「はあ…きつかった…」
「と、とりあえずご飯の準備にしない?
このまま休んじゃったら
もう動けなくなる自信あるわよ? 私」
「そ、そうだな。
俺も同感だわ」
「よし、じゃあ火の準備は僕がやるから
ケベックとモブコで食事の準備を頼むよ。
明日、町に戻るから保存食使い切って良いから」
「うん、わかったよ」
「はーい…あっ、じゃあ私は
残ってる食材採ってくるよ。
まだキノコとかあったし」
「ああ、頼む」
「リーダー、俺は?」
「ヤンキは念の為、周辺の偵察頼むよ。
大丈夫だとは思うけど、一応ね」
「おう、確かにそうだな、過信はよくねえ。
今まで安全だったって言っても
中まで入ってくるかもしんねえし」
特に今回は、巣穴から出た後も
結構、俺達を追いかけてきたからなあ。
数はそれ程じゃなかったが
退却しながら相手するのって
ホント、きついんだよなあ。
…さ、俺も偵察行ってくるか。
飯の前にもう一働きだ。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
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▽
(カチャカチャ、ズズズズッ)
「はあ~~~疲れた体に染み渡る~~!」
「ん~~~~、おいし~~~」
「やっぱ、水が使えるなら、鍋だよな。
材料切って煮るだけだから、すげえ楽だ」
「ああ、そうだよね。
焼くのも良いけど、今は楽な方選びたいよ」
(ボボボボッ、バチッ、バチチッ)
「あっ、キノコ串焼けたよ!」
「お、おう…でもまあ、俺はいいわ。
とりあえず鍋の方食いたいしな」
「ぼ、僕も、遠慮しとくよ。
モブコちゃん、食べちゃって良いよ」
「え? そう? じゃあ先にもらうね?
…熱っ! アフアフッ!」
(ハグハグ、ハグハグ)
「「………」」
………だ、大丈夫そうだな。
いや…まあ遠慮とかじゃないんだよ。
だって、そうだろ?
いくら食っても大丈夫って言われてもなあ。
あんなドギツイ色の…いかにも毒です!
って感じのキノコは
さすがに、俺でも躊躇するぜ。
(ザッザッザッザッ、ドサッ)
「よ~し、追加の食材もこれだけあれば
もう1回分ぐらい作れるだろ…。
おっ? キノコ串焼けたのか?」
「お先にンッフアッフ! ん~~!」
「あはは、火傷しないようにね。
…あれ? そっちのも焼けてるけど
マイクとヤンキはいらないのかい?」
「え? お、おう。
俺は今鍋に忙しいからな!」
「そうそう! 僕も鍋に夢中さ!
あっ、マイク食べる?」
「…ふーん? まあ食べないなら
僕が貰うけど…いいのかい?」
「「どうぞどうぞ!」」
「それじゃ、頂こうかな」
(ハグハグ、ハグハグ、ハグハグ)
「「ん~~~~、うまっ!」」
そ、そっか、うめぇのか…。
まあ2人共、食ってて大丈夫っぽそうだし。
匂いも悪かねえ…って言うか…。
むしろ、すげぇ良い匂いはすんだよな。
焼く時に何か塗ってたから、それか?
…でもやっぱ、明らかにやべぇ色なんだよな。
あんな真っ赤とか紫とか毒々しい色のキノコだぞ?
その辺に生えてたやつなんだろ?
何で2人共、躊躇無く頬張れるんだよ…。
…すげえな、違う意味で。




