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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
361/401

361 冒険者Aさんとまずは調査から

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あらすじ:王都からの乗合馬車も到着しました。

     まずは町の代表に挨拶は基本のようです。


視点:まだまだトラウマ解消できない ライムグラスさん

『』:アルファさん

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《創世新暦1665年 前秋 第2週 木曜日》


◆町付近 南西の森◆



 こう思ったらダメなんだろうけど


 意外……なんだよね。



「心友~、地図のこっから~~~ここまで。

 そこはもう見終わったよ~?

 次、どこ見る~?」


『せやな~、せやったら…。

 エっちゃんはここ(トントンッ)

 こっちの方見てくれるか?』


「わかった~、任せてよ~!」


『ほんなら、俺はサクッとこっちを…』


(タッタッタッタッ、ガサササササ)



 いや勿論、先生もエッセンさんも


 Cランク以上の冒険者なんだし


 当然、近隣調査こんなのは余裕なんだろうけど。


 それでも、普段の姿や言動を見てると


 さっさと宴会を始めて、簡単な依頼の作業は


 片手間のそこそこで済ませる…とか


 思っちゃうわけですよ、何となく。


 特にエッセンさん。



「…ま───。

 ライスちゃんがそう思っちゃうのも

 わからなくは無いんですわよ?

 ミケですらそう思いますし」


「正直、先生もエッセンさんも

 アタシ達より率先してやってますよね?

 しかもすっごい良い手際で…」


「まあ…ライムグラスさんの気持ちは

 私も分からなくもありませんが

 だからこそ、ギルド側としても安心して

 クエストをお願いできる訳ですので…」


「あっ、そう言えばリマさんが

 先生もエッセンさんも担当してるんですよね?」


「ええ、そうですね。

 お2人供、受けるクエストは選ばれてますけど

 実はうちの支部では未だに失敗無しなんです。

 実績で言えば、これは凄い事なんですよ?」


「し、失敗…無し!!?」



 やっぱり、先生凄かったんだ…。


 …うーん、アタシ達なんて


 討伐クエストだとよく失敗しちゃって


 仕方ないから、報酬の安い採取クエストで


 何とか食いつないで、治療して…。


 そんな先の見えない事を繰り返してたら


 大怪我してアタシは…。


 当時は採取も、依頼の品だけ取ってて


 他に食べれるのとかお金になるのとか


 なーんにも知らなかったものなー。


 うう、先生に教わった知識の一部でも


 当時のアタシ達にあったら、もう少し


 マシな生活できてたのかな…?


 …あれ? でも、冒険者の間だと


 そんなに凄い人だ! って話題無いよね?


 むしろバカにしてる人とか多かったぐらいだし。



「…それはですねー、ライスちゃん。

 ご主人様って、好きとか嫌い…と言うか

 良くも悪くも興味がある場合しか

 反応しないんですよねー、人でも物でも。

 それ以外は割りと無反応と言うか

 心底どうでもいいって感じなんです」


「(ヒキキッ)ど、どうでもいい…」


「つまり、あなたもご主人様にとっては

 興味ありまくりって事なんですわよ?

 …そこのメガネさんもですけど」


「な、なるほど?」


「…はあ、何を言ってるんですか?

 ライムグラスさんはともかく

 私に興味なんて無いと思いますよ?

 仕事だから合わせているだけでしょうし。

 それ以外だと、いつも冷やかされているか

 からかわれているだけですので」


「「いや、それはないでしょ」」


「(ビクッ)えっ!?」



 う────ん? コレって…?


 いや以前から、ギルドの受付で


 リマさんが先生にちょっかいかけられても


 スルーしてるのは、アタシも何度も見かけたよ?


 でもアレって、わかっててとぼけてるとか


 単にその気が無いだけなのかと思ってた。


 でも…でも、リマさんのコレって。


 我慢? ともちょっと違う…。


 ん───、どっちかと言うと。


 …あえて気付かないふりをしてる?


 いや、無理矢理自分に、そう思い込ませてる?


 何だか、アタシにはそんな感じに見えるかな。


 …え? でも急に何でそう思うんだろ。


 アタシ達もリマさんが担当してたし


 今まで何度も見てたはずなのに?



「そりゃ、そうですわよ、ライスちゃん。

 受付で、仕事として応対してる姿と

 私生活とか外での姿は別物ですもの。

 今のメガネさんは、素のメガネさんですから」


「あっ…そっか」


「(キョトン)え? 何でしょうか?

 今、私を呼ばれましたか?

 ミケニャンさん、ライムグラスさん?」


「「(ブンブン)いえいえ、何でもありません」」



 あー、そうかー…そうだよね。


 前まで、仕事してない時のリマさんって


 ほとんど見たことなかったもの。


 アタシが働かせてもらってた酒場で


 見かけなかったのは、まあ当然としても。


 休日に町で買い食いしてたりとか


 私服で散歩してたりとか見たこと無い。


 う───ん、町長会館とか市場とか港で


 打ち合わせしてる姿ぐらいは見たけど


 それってギルドの制服着てたし仕事だよね。


 つまり、今は……いや、最近は。


 {素のリマさん}って言う激レア姿を


 アタシは見れちゃってるって事なのか。



「(キラーン)あっ!? サクちゃん!?

 うん、うん、頑張ってるのね!(ナデナデ)

 そうだ! 少し休憩していきませんか?」


「(ニヘー)あっ、あい!」


(ワキャワキャ、ウフフフフ)


「……素?」


「いや、違うでしょ…。

 壊れ気味までぶっ飛んでますわよ、むしろ」


『何でもええけど、お前らさぼんなよー』


「「あ、はい…」」

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猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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