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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
357/401

357 冒険者Aさんと野営中の調査隊 ①

==========================================

あらすじ:逸品を前にして

    お師様アルファさんマニアは大興奮。


視点:野営2日目 さすがに疲れてきた モッブコットンさん

『』:アルファさん

==========================================


《創世新暦1665年 前秋 第2週 水曜日》


◆拠点候補地 キャンプ場◆



 うー…お風呂入りたい…。


 うん、わかってるんだよ?


 クエスト中だもんね、我慢だよね。


 わかってはいるんだよ。



「野営も2日目かー。

 は───…屋台広場の肉串が食べた~い。

 早く調査終わらせて帰りたいよね」


(バチバチッ、ボボボボボッ)


「うっせえなぁ。

 野菜とか果物ならあんだろが。

 ある程度安全が保障されてて

 野営し易い環境が用意されてんだ。

 文句言うなよ」


「そうだぞ、ケベック。

 ここに来るまでの道だって結構通り易かったし

 食材も残してくれてたんだ。

 こんな贅沢な野営、今まで無かったろ」


(ジュウウウ、シュワワワワ)


「んー、それはわかってるよ

 僕らを推薦してくれたアルファさんに

 感謝こそすれ、文句なんて無いよ。

 …おっと、焼けた焼けた!

 ん~~~~~! いい感じ!」


「お前、まだ食うのかよ。

 まあ、いいけどよ」



 この間、持ってきた食料は全部持って帰ったけど


 アルファさんに言われてたから


 収穫の時に全部は採ら無かったんだよね。


 お肉はまあ、保存食用の干し肉しかなくて


 調味料も最低限しかないけど


 今回も採って良いって言われてたから


 おかげで野営ではありえないほど


 豪華な晩ごはんだったんだよね。


 デザートのナシも大変おいしかったです、はい。


 何より、ミケさんの【結界】だっけ?


 アレのおかげで、ほぼ安全に休めるのが凄いよね。


 まあ、それでも交代で夜番は必要だろうけど


 気分的にちょっと楽すぎて、気が抜けちゃう。


 …そのせいで、余計お風呂入りたい。


 夏ほどじゃないけど、日中まだまだ暑いし


 今日はあのでかいアリとも戦ったし…。


 いや、本当は気を抜いてちゃダメなんだけど


 どーしてもこんな環境だと…。


 はあ…最近、緊張感足りなくなってるよね。


 う───ん…こんなんじゃダメダメ!!



「それにしても、歩いて大体2時間か…。

 道を整備して、馬車も使えるなら、結構近いな」


「だなぁ。

 まー、そんなとこに巨大アリのモンスターが

 巣を作ってんなら、調査して駆除しなきゃな」


「(ハグハグ)ん”ん”っ! 熱っ!?

 …ま、まあ気負っても仕方ないよ、ヤンキ。

 僕達のやることは調査だけだからね~」


「いや、どんな種類のアリなのか知る為に

 威力偵察は必要だからな?

 …まあ、だからこそ

 今日は偵察していたっぽい数匹と

 戦ってみたんだけどな」


「今日のは、私達でも割りと戦えたよね?

 鈍器も有効っぽいし、毒とか無さそうだし」


「…まあ、確かに今日ったのは

 変な習性とか特性は無さそうなんだけどな。

 問題はなあ…」


「そうだね、穴の外で1匹づつだもの…。

 巣穴の中でウジャウジャ来られたらヤバイね」



 そうなのよね。


 今日戦ってみたのは、拠点の周りを


 単独でウロウロしてた{偵察っぽい}やつ。


 前衛2人と遊撃1人で囲んで叩いたから


 まあ、一応誰も怪我無く倒せたけど


 やたら動きは速いし、やたら硬い。


 あんなに細長い足なのに力も強いし…。


 そもそも、鈍器でぶん殴っても


 見た目的に効いてるのか効いてないのか


 わかり難いのよね、虫って表情に出ないし。


 こっちに有利な場所で1匹づつ戦ってアレだもの。


 うわぁ…巣穴に潜って戦うのとか大変そう。


 ……何か考えてたら変な汗でてきたし。


 う────…。



「…さてと。

 ヤンキ、ちょっと外すけど

 火を見ておいてくれるかい?」


「おう、トイレか?

 大丈夫だとは思うけど

 一応気ぃつけろよー(ヒラヒラ)」


「ははは、そうだね。

 じゃ、行ってくるよ」


(スタスタスタスタ)


「…そういえば、簡易でも

 トイレ作ってくれてたのは

 本当ありがたいよね」


「ホント、それなー。

 クエスト中は緊張してっから

 そんな気にしてられねえけど。

 その分、休憩とか野営中に一気に来るもんな」


「これって、冒険者の共通の悩みだよねー。

 男ですらそうなんだもの。

 女性冒険者だったらもっと大変なんだろな。

 …モブコちゃんもやっぱりいつも困っちゃう?」


「(ギクッ)あっ、おい…」


「えっ? ま、まあ…毎回困りますよ。

 色んな意味で無防備ですし…」


「あはは、だよねー」


「……」


「…でも、それよりも」


「えっ?」


「むしろ、そんな質問される方が

 ちょっと困るかなーって」


「…そりゃそうだろ。

 いくら俺でも直接聞かねぇぞ…」


「えっ? えっ?(オロオロ)」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(バチバチ、バチバチ)


「おっ? 帰ってきたかー。

 よお、遅かったな、リーダー」


(スタスタスタ)


「あ、お帰りなさい、マイクさん」


「何だよ、大きい方だったのかい?

 へへっ、あんまり遅いから

 様子見に行った方が良いかと思ったよ」


「いや、何でだよ、見に来るなよ。

 何かあったら音立てて知らせるって」



 …さっきもそうだったけど。


 ケベックさんって{知恵袋}自称してるけど


 割りと知識寄りの人だし、子供っぽいし。


 人への配慮とかは結構抜けてると思うんだ。


 いや、悪い人では無いと思うんだけどねー。


 思ったことはそのまま口に出してる感じ?



「で、どーだった? リーダー。

 使えそうだったのか?」


「ああ、聞いてた分は大丈夫だったよ。

 特に何も悪い変化は無さそうだったし

 排水の方も問題ないと思うよ」


「???」


「えっと2人共、何の話してるんだい?」


「何のも何も、風呂の設備だよ。

 お前も聞いてたろ? ケベック」


「えっ? うん。

 聞いてたからここ来た時に見たけど

 簡易で作ったって浴槽は無くなってたね。

 え? 作ったの? マイク」


「いや、違うだろ、何で僕が作るんだよ。

 そうじゃなくって、アルファさんに

 渡されてたろ? 簡易の…」


「…何か渡されたっけ?」


「…おいおい、知恵袋さんよ~。

 俺でも覚えてる事忘れてんなよ~~」


「えっと、何の話です???」


「ああ、ごめんごめん、モブコちゃん。

 実はアルファさんに渡されてた物があってね。

 昨晩は遅かったし、警戒もあったから

 さすがに取り付けは無理だったけど

 ここは安全みたいだし、今日は大丈夫と思って

 今取り付けて、使える様にしてきたんだよ」


「えっ?」


「ん? 使えるって何をだい? …あれ?

 そういえばヤンキは気付いてたみたいだけど

 事前に話聞いてたの?」


「俺も何しに行ったのかは聞いてねえけど

 外すって言ってたから、ピンとは来たぞ?

 いや、何で俺より付き合いの長ぇお前が

 そこで気付かないんだよ」



 んんん? 結局、取り付けたって何の話だろ?


 昨晩は無理だったって言ってたよね?


 昨晩は何らかの襲撃有るかもしれないからって


 野営もこの間使ったテントは使わずに


 焚き火の周りで交代で夜番してたけど…?



「まあ、そんな訳で、モブコちゃん。

 簡易のシャワーだけだけど

 あの簡易のお風呂小屋に取り付けといたよ。

 そろそろお湯も温まっただろうから

 先にさっぱりしてきなよ」


「(パァッ)シャワー!? いいのっ!?」


「(ガバッ)シャワー!? 入るのっ!?」


「「「……」」」


(パチパチ、ボボボボ)


「…えっと、モブコちゃん。

 タオルと石鹸は使って良いって聞いてるから

 小屋の方に置いといたよ。

 僕らは後で使うから、ごゆっくりどうぞ」


「…ああ、ゆっくりしてこいよ。

 このバカは絶対近寄らせないから、安心しろ」


「う、うん…ありがとう2人共。

 じゃあ、悪いけど先に使わせてもらうね?」



 うーん…シャワーとお湯だけじゃなく


 タオルに石鹸まで用意してくれるなんて


 何か違う意味で気を使わせちゃった気もするけど


 ……ま、いいよね!!!


 そんな事より今はシャワーだ!!


 ひゃほっ────い!!!

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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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