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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
355/401

355 冒険者Aさんと参加表明 ②

==========================================

あらすじ:最近、リマさんへのギルド職員達の認識が変わって

     弄られる様になってきました。


視点:冒険者ギルド 受付嬢 エコーさん

『』:アルファさん

==========================================


《創世新暦1665年 前秋 第2週 水曜日》


◆冒険者ギルド会館 受付前◆



 は──、ようやく先輩も観念したわねー。


 …それにしても、最近の先輩って


 良い感じに壊れてきたわよねー。


 何か気軽に弄れる様になってきたもの。


 近頃は私だけじゃなくて


 他の人達も気軽に話す様になってきたしね。


 良い事なんじゃないかなー?


 …私は元々慣れてた方だから


 あんまり気にしないで話とかしてたけど


 他の人達や新人の子達なんかは


 仕事では頼りにはしても


 私生活の話とかほとんど無かったし。


 先輩に対する態度も遠慮がちって言うか


 やっぱりどこか余所余所しいって感じてたもんねー。


 うんうん、やっぱりこれは良い傾向なのよ。


 …あれ? あの2人ってー。



(ダダダダダッ、ズザザ───)


「「拙者も行きたいでござる!!」」


「えっ? それは無理ですね」

「はあ? ダメに決まってますわよ」

「あらあら~、ダ~メ~よ~?」

『あ~、さすがにアカンやろ』


「ええええええええっ!?」



 え────!? そんなに驚くの!?


 えっと、マリさんの所の…。


 お姉ちゃんの方よねー?


 ……そう! 確か名前はオクニさん!


 えっと、聞いた話だと私よりちょっと年下だっけ?


 それにしても、それはそうでしょー。


 …むしろ何故いけると思ってたのかしら?



「…ああ、やっぱりそうでござるよね?」


「シゲちゃん!? 何納得してるでござるか!?

 むう! 何故でござる!? 母上!

 (フンスフンス)拙者は納得いかないでござる!」


「あらあら~、クニちゃんったら~~。

 もう…困った娘ね~」


「困ってないでどうにかしてくださいな、マリさん。

 …この間もそうでしたけど、あなたの所の長女さん。

 聞き分け悪すぎと言うか、ちょっと非常識すぎません?」


「う~~ん…そうなのよね~。

 ちょっと、わがままに育っちゃったかも。

 迷惑かけちゃってごめんなさいね~? アルファさん」


『わはは! 多少お転婆さんなぐらいやんか。

 別に俺は気にしとらんから、ええってええって!

 あんまし、マリちゃんも気にしたらアカンで~?』


「…姉様、あまり母様やお師様に

 ご迷惑となる事はお止めくださいね?

 そして…シゲ?(ゴゴゴゴゴゴ)

 また、姉様を止めなかった所か

 一緒に何をしてるんです?」


「(ガクガクガク)ぴいっ!?」


「(ビクビク)あわわわ!?

 ユ、ユキサン、怖いでヤンス」


『ほれほれ、ユキもそんな怒らんと。

 サンちゃんも怯えとるやんか~。

 な? ほら(ナデナデ)』


「(ニコォ)はい、お師様」


「「「ぐぬぬぬぬぬ!?」」」


(ザワザワザワザワザワザワザワ)



 むうーーっ!!? これは…また!!


 美少年がおじさんに頭をなでられて


 満面の笑みですか───!!!


 私はそれほど興味ないんですけど!


 それほど興味ないんですけどー!!


 これは、職員や冒険者の淑女方が騒ぐのも


 無理ないかもしれませんよねー!!


 ええー! 私は興味ないんですけどねー!?



「…あの、どうでもいいのですけど。

 あまり受付前で騒がないでもらえますか?

 業務の邪魔…オホン…。

 えっと、他の方の迷惑になりますので」


「「「あ…はい、すいません」」」


『わはは、ごめんな~? リッちゃん~。

 俺らは用事済んだから帰るわ~。

 明日は日帰りやから準備とかは特にいらんで?

 ああ、マリちゃん。

 そっちの2人への説明は任せるな~?』


「ええ、もちろんよ~、アルファさん」


「はい、それではクエストの残りの手続きは

 こちらで行っておきますので…。

 では、明日はよろしくお願いします」


『そしたら、また明日~~(ヒラヒラ)』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




 いやー、さすがはリマ先輩よねー。


 ビシッと締める所は締める。


 …それは良いのよねー。


 それは良いんだけどー。


 ……何で?



「という訳で、教えて欲しいでござる!」


「という訳で、申し訳ござらんが

 お願いしますでござる(ペコリ)」



 何で私が───!?


 リマ先輩はさっきの手続き終わったから


 遅めのお昼休憩に行っちゃったし。


 そして、その直後に補佐フォックスさんに捕獲された


 町長代理フォウさんがまた来たから


 マリさんは会議室行っちゃったし?


 いや、確かに今はお昼過ぎの時間だから


 受付利用する人はあんまり居なくて


 私も手が空いてたから、仕方無いと思うけどー。


 説明は、帰ってから家族会議で言えばいいと思うなー。


 まあ、別に良いんだけどー。


 何か釈然としないのよねー。


 ま、説明って言っても、直ぐ終わる話だけど。



「そもそもの話ですけどー。

 お2人ってまだうちの支部に

 冒険者として登録してませんよー?

 このクエストは支部に登録者してる方用ですので

 当然、受けれません」


「「えっ!?」」


「あれ? ご存知無かったですか?」


「えっ? でも、この間の…」


「拙者達が参加させてもらった…」


「…ああ、えっとー。

 【ノール】の{討伐クエスト}の事ですかー?

 あれは、他支部の人どなたでも受けれるクエストでしたし

 {Dランク相当の【行者】}という扱いで

 マリさんが推薦した形になってますのでー」


「「(ガ───ン)えええっ!?」」


「あー、その辺知らなかったんですねー。

 【冒険者ギルド】の{調査クエスト}って

 大体は支部に登録してる人向けなんですよー」


「えっ? えっ?」


「まあー、全部と言う訳では無いのですけど。

 町や支部から直接依頼しているものは

 基本的にそうですねー」


「そ、そうなんでござる?」


「ええ、調査結果を支部で登録して

 資料や依頼の推奨基準としても使用しますので

 どうしても信頼度の関係で

 支部に所属している方のみに…」



 こればっかりは仕方ない事なのよねー。


 だって、嘘の内容報告されると


 色々な意味で、非常にまずい事になるからねー。


 支部に登録してる場合って、登録時に


 普段泊まってる所か連絡先も登録するから


 嘘の内容報告されても責任追及できるし


 クエストの実績とか素行とか


 そういう詳細も一緒に更新してるから


 信頼できる人かも大体把握してるしねー。


 その辺、アルファさんって実績もだけど


 信頼度ってやたら高いのよねー。


 …まあ、だからこそ、ギルド側の。


 新人の問題児ちゃんがやらかした事って


 相当アレなんだけどなー。


 厳重注意で再教育受けさせてるけど


 本人がわかってなさそう…。



「あ…じゃ、じゃあ今から登録を…」


「(ハッ!)そ、それでござる!

 拙者達も登録すれば!!!?」


「いえ、先程のクエストは

 もうリマ先輩が手続き終わらせてますので

 どちらにしても受けれませんー。

 諦めてくださいー」


「「は、はいでござる(ガックリ)」」


「まあ、今回はともかくー。

 以降のクエストは受けれるようになりますので

 とりあえず、登録だけされますかー?」


「「お願いしますでござる」」

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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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