351 冒険者Aさんと予定は未定 ①
あらすじ:ゴロウさんの仕事ぶりは偉人でも
私生活は割りとダメな人だったようです。
視点:従者は主人に似る ミケニャンさん
『』:アルファさん
◆馬車工房 室内◆
「そういえば、今日は綿毛の嬢ちゃんはいねぇんだな」
『あー、モブ子ちゃんはおらんで~。
調査に行っとるんやわ。
ほら、前に新拠点の候補地の話しとったやろ?』
「おう・・・あれって?
お前ぇら見にいったんじゃなかったか?」
「あー、それでですねー。
あの辺にアリの巣が有ったんですよ。
それで、ギルドの依頼って事で
昨日から調査に行ってるって訳ですね」
「アリだぁ? ・・・ああ、モンスターのか。
ん? 調査ってこたぁ、退治まではしねぇのか?」
『まー、一口にアリってゆーても
種類とか規模にもよるからなー。
そこんとこの調査次第で
討伐クエストの難易度も変わってくるやろ?』
「そりゃまぁ、そうだな」
確かになぁ・・・。
アリ型のモンスターってのは厄介なんだよなぁ。
全身が硬い甲殻で覆われてる上に、すばしっこい。
しかも、見た目の細さからは考えられねえ程
力が強いときたもんだ。
おまけに、モンスターの癖にやたら種類が豊富で
顎がでかくて強ぇやつやら、毒持ちやら
酸やら粘液を吐くやつも居るからなぁ・・・。
それによって準備する装備やら道具やら
全然変わってくるもんだから
まあ、まずは調査が必要だわな。
「・・・と、そんな訳で。
モブ子ちゃんは拠点の視察へ
一緒に行きましたからね。
案内役も兼ねてるんですよ」
(ズズズズッ・・・コトッ)
「ほぅ・・・なるほどねぇ。
そう言われりゃ、確かに昨日も姿を見てねえな。
・・・案内役も兼ねてるって事ぁ
パーティで行ってんのか?
嬢ちゃんって、最近加わったんだろ?
お前ぇが目ぇかけてる、ほれ、あの坊主共の」
『せやで~?
まー、今は俺らに同行しとる方が多いけど
それやと、どうしてもなあ・・・。
やっぱ、ランクや実力は近い方がええからな。
年も近いやろし、お試しでやってみて
問題なければそのまんま正式に~って感じや』
「それこそ、ご主人様が関わってからは
サバミソやローとも組ませてますし。
結構、経験も技術も積めてるんですよねー。
ま、今回のも良い経験になると思いますよ?」
「へぇ、ポンポコ娘にしては高評価じゃねぇか。
・・・そういや、結構前に俺が見かけた時は
あの嬢ちゃん、ガリガリのヒョロヒョロで
パッと見、タンポポの綿毛みてぇな感じだったのに
最近はすげぇ勢いで健康的になってねぇか?
正直、俺も同一人物ってわかんなかったぞ?」
『わははは! せやろな~。
ライスは酒場で働いとったからまだしも
モブ子ちゃん、完全にドツボはまっとって
まともに食えとらんかったらしいで?
リッちゃんが紹介してこんかったら
やばかったかもな~(けらけらけら)』
「おいおい、そこ笑うところなのか?
・・・相変わらずだなぁ、お前ぇは」
「ですわよねー、ご主人様って
一旦関わったら面倒見良い方ですけど
関わらなかったら、全く興味持ちませんし」
『わはは! まあな!!』
「「・・・・・・」」
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「ところで、アルファよぅ?
ゴロウの旦那の話が終わってから
お前ぇんとこの連中は
農園の方へ行かせたみてぇだけどよう。
お前ぇは何か他に用事無ぇのか?
もう、俺んとこでの相談事は終わったろ?」
『んーーー、無い事も無いんやけど
そこまで急ぎでもないしなー』
「ですわねー。
サバミソ達の座学とか訓練とか、装備の新調?
うーん、商会の事も無くはないですけど。
ここ最近、少し忙しかったですし。
宿でご主人様に毛繕いしてもらいながら
ゴロゴロしていたい気分ですわねー」
「おいおい・・・」
本当、主従はよぅ・・・。
似た者同士・・・ってよりかは
主人に似たんだろな、従者が。
・・・まあ、このぐらいで良いんだよ。
こいつらぐらいのゆるさでなぁ。
俺が【フソウ】で面倒見てた奴らは
どいつもこいつも生き急ぎやがって
そして、おっ死んじまったからなぁ。
こいつらぐらいの・・・。
『おっ!? せや!
明日は明日で、特に予定もあらへんから
適当に近隣調査の依頼でも受けて
散歩とかもええな~』
「それは良いですわね、ご主人様~!
行きましょう行きましょう!!(わほーい)」
「・・・いや、やっぱ緩すぎねぇか?」




