表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
350/401

350 冒険者Aさんと偉人の素顔

あらすじ:人の名前には色々由来や理由がある様です。


視点:朝から会議室で新拠点の会議中 リマさん

『』:アルファさん


◆冒険者ギルド 会議室◆



「へえ・・・アルファさんの育てのお父さんって

 世界中の大陸で活躍していたんですか。

 ・・・凄い人だったんですね」


「そうね~。

 まあ、仕事の内容が内容だけに

 表沙汰にできない活躍が多かったんだけど

 それでも、現役時代の実績が

 桁外れだったのは間違いなかったわね~」


「ああ、そういえば。

 ゴロウさんの業務の1つは

 マリさんが継いだんですよね?」


「えっ? そうなんですか? マリさん」



 継いだ? えっと、ギルド長から聞いた話だと


 マリさんは【行者組合】の幹部の人なのよね?


 しかも、二つ名が付く程の凄腕の行者でもあったはず。


 ・・・継いだのはどっちなのかしら?



「(くすっ)ええ、そうよ~、リッちゃん。

 タケちゃんが今言ったけど、私は【行者組合】でね?

 【フソウ】で逃げたり隠れたりしてた

 賞金首とか罪人の討伐なんかを継いでたのよ。

 ふふっ、これでも少しは有名だったんだから」


「あはは、少し所じゃ無いじゃないですか~」


「そんなに凄かったんですか?」


「ええ、そりゃもう。

 【フソウ】では、凄い活躍と人気だったんですよ?

 天性の強さで罪人を片っ端から切り捨てる

 絶世の美女とかって世間で噂される程で

 【絢爛舞踏の美戦姫】の{二つ名}の前では

 どんな極悪な犯罪者も震え上がったんで・・・」


「(ゴゴゴゴ)あらあら~? タケちゃん?

 それじゃあ、まるで私が怖い人みたいじゃない~。

 リッちゃんに誤解される様な事を言う悪いお口は

 こうしてやりましょうかしら?(ぎゅっ)」


(ギウウウウギギギ)


「ひゃだだだ!? ご、ごへん!

 ごへんよ!! まひねえひゃん!?」



 ええっ!? 姉さんって言った?


 えっ? マリさんとタケジロウサンって兄妹!?


 あっ! いや、これって多分。


 アルファさんみたいな義理のって事?



「(ぱっ)ふふ、ごめんなさいね~リッちゃん。

 恥ずかしい所、見せちゃったかしら?」


「え、いえ、驚きはしましたけど・・・。

 あの・・・?」


「(ヒリヒリ)あたた・・・相変わらずだなあ。

 ・・・はは、すいませんね、リマさん。

 僕も久々だったもので、つい昔を思い出して

 懐かしくなっちゃいましてねー」


「え? いえ、まあ・・・」


「ふふ、えっとね~? リッちゃん。

 ゴロウさんって、【特派員】を引退後は

 商会をやってたんだけどね?

 それもアルファさんが継いでからは

 ずっとこの子達が育った孤児院に居たのよ」


「あ、それは私も聞きました。

 えっと、名前は【緑寿園】でしたよね?

 確か・・・アルファさんの

 義理の叔父の方が創られたとか?」


「あらあら~~リッちゃんったら~!

 もう、そんな事まで聞く仲に?

 これはもしかして・・・うふふっ(にこっ)」


「えっ? ・・・へえ?(にやっ)」


「・・・違いますから。

 私はサクちゃんのお世話が楽しくて

 ちょっと参加させてもらっただけですから。

 ・・・あの? 聞いてますか? お2人供?」



 ええ、違いますとも。


 違うに決まってるじゃないですか。


 お2人供、何を勘違いしてるのかしら?


 確かに、いつの間にかアルファさんの


 ご家庭の話まで聞いちゃってますけど


 これは、アルファさんが勝手に話しただけ。


 サクちゃん達が聞きたがって、そのついでに


 私の耳にも入っちゃっただけ。


 別に、私が興味有ったとか


 そんなんじゃ無いんだから。


 そう! 違うんだから・・・全く。



「(にこにこ)うんうん、そうよね~?

 ・・・えっと、それでね?

 私はゴロウさんに会う為に。

 夫のゲンゴロウは【五十六商会】への用事に。

 何だかんだで訪れる事が多かったのよ~」


「ええ、そうなんですよ。

 それで、マリさんも面倒見の良い人だから

 僕らの訓練や弟達の遊び相手に付き合ってくれて

 僕達もすっかり馴染んじゃいましてね」


「ああ、なるほど。

 それで、姉さん呼びだったんですね」


「(ぽりぽり)あはは、そうなんですよ。

 いやあ、僕らも商会の仕事を任されちゃってて

 最近はあっちこっちへ行っているから

 久々だったもので、つい・・・」


「うふふ、私もなのよ~。

 ・・・さて、ちょっと話が逸れちゃったけど

 お仕事の話続けちゃいましょう?」


「「はい」」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・えっと、とりあえず。

 今決めれるのはこんな所ですね?」


「ええ、そうですね。

 今、現地の問題は調査に行って貰ってますので

 続きは、その結果次第になります」


(ク~~~~)


「あ、あはは! すいません、僕です。

 ・・・ああ、もうこんな時間でしたか」


「うふふ~~、もうお昼なのね。

 じゃあ、お昼ご飯でも食べに行きましょうか。

 少し歩くけど、屋台広場で良いかしら?」


「え? あ・・・はい、ご一緒します」


「あっ、良いですね! 屋台広場。

 僕、前に来た時は行けなかったんですよ。

 楽しみだな・・・屋台か・・・」


「? 屋台がどうかしましたか?」


「あ、いやいや、大したことじゃないですよ。

 ほら、朝にゴロウさんの話してたじゃ無いですか?

 ゴロウさん、屋台料理とか好きだったんで」


「あらあら~、懐かしいわね~。

 そう言えばそうだったわ~」


「へえ・・・屋台料理ですか。

 やはり【フソウ】だと、屋台でも色々と

 美味しい料理が出されてたりしてたのですか?」


「「えっ?」」


「えっ?」



 あら? 私何かおかしな事言ったかしら?


 屋台料理って、広場で出されてるみたいな


 色々な料理が有るんじゃないの?


 アルファさんが割りと主動して広めてたし


 てっきり、料理が美味しい【フソウ】では


 一般的なのかと思ってたんだけど・・・。


 違うのかしら?



「それがね~? リッちゃん、違うのよ~。

 私も広場の屋台料理見て、びっくりしたもの。

 【フソウ】でも、あそこまで本格的な料理とか

 普通は屋台で出してたりしないものなのよ~。

 アレは完全にアルファさんの趣味よね~」


「ええ、僕が聞いた限りでもそうだと思いますよ?

 ・・・ちなみにリマさん。

 ゴロウさんって、実は屋台料理・・・と言うか

 {おでん}とか{ラーメン}が好きで・・・」


「ああ、{おでん}と{ラーメン}でしたら

 私も食べましたけど、美味しかったですよ?

 えっと、何か問題でもあったのですか?」


「えっとね? リッちゃん。

 ゴロウさんって、実は仕事振りと正反対で

 実生活は割りとダメな人だったそうなの。

 食事も拘らないから、放っておいたら

 朝昼晩、屋台の{ラーメン}とかで

 済ませちゃうのも、よく有ったみたいよ?」


「・・・それこそ、現役時代の話を聞いてても

 屋台の{おでんとコップ酒}がご馳走!

 みたいな食生活してたそうですし・・・」


「ええっ!? 食事に拘らない・・・!?

 で、でも、アルファさんはあんなに拘り・・・

 と言うか、思いっきり食道楽ですよね?」



 ご馳走って・・・!?


 いえ、確かに{おでん}は美味しかったわよ?


 でも多分、高級料理とかでは無いはず。


 そして{コップ酒}がどういう物なのかは


 ちょっと、よくわからないけど。


 話の流れからすると、多分それも高くない。


 それだけの活躍をしてる人なら


 報酬も大きかったはずよね?


 お金に問題がないなら、良い料理食べるわよね?


 特に世界中あっちこっちに行ってたのなら


 色々な現地の料理に触れる機会も少なくないはず。


 ・・・アレかしら? 仕事人間。


 仕事一筋で、食事や趣味に興味が薄い・・・。


 ん? ・・・あれ? ひょっとすると。


 私も前はそんな感じじゃなかったっけ?


 でも、今は余裕があれば料理屋も巡るし


 ちょ、ちょっとだけ服とか、化粧品も・・・。


 え? あれっ? いつ・・・から?



「ま、まあ・・・それは。

 義兄にいさんも、保護された口だから

 最初はその食生活に付き合っていたそうですけど。

 あまりにも続くものだから

 さすがに耐えられなくなったらしくて」


「(くすくす)うふふっ、聞いた話だとね~?

 それで、アルファさんの強い希望で

 ゴロウさんを色々な料理屋に連れて行ったり

 自身で料理する様になったらしくてね~。

 それが、今のアルファさんに続いてるそうよ?」


「・・・な、なるほど。

 何か妙に納得できる感じがします」


「でもね、義兄にいさんも頑張ったんだけど。

 結局はゴロウさんの味覚と言うか

 思考はそれほど変わらなかったらしくてね。

 【緑寿園】に来てからも、たまにこっそりと

 屋台に通ってたんだよね・・・実は・・・」


「・・・ですが、まあ、多分なんですけど。

 ゴロウさんも、アルファさんに付き合って

 楽しかったんじゃないでしょうか?

 その、家族的な関係っぽくて・・・」


「・・・うん、そうだね。

 それは有ったと思うよ?」


「・・・・・・うふふ(にこっ)」


「・・・何でしょうか? マリさん」



 うっ・・・マリさんのこういう所は


 ちょっと苦手なのよね。


 どうにも、色々と見透かされてそうで・・・。



「(にこにこ)あらあら~~。

 何だかゴロウさんのお話してたら

 お昼に{ラーメン}食べたくなってきたわね~。

 ほらほら、2人共行きましょ~!」


「はい、マリ姉さ・・・おっと、マリさん」


「はい、そうですね、行きましょう」



 いや、私は特に他意は無いし?


 見透かされて困るものなんて無いわよ?


 何か勘違いしてるのよね、きっと。


 本当、困っちゃうわよ、全く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ