表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
35/401

35 冒険者Aさんと台風一過

あらすじ:昔のMMOではお馴染みの露店街道や広場

     サブキャラや複垢の商人で露店放置とか超定番


視点:タンゴの町 町長補佐 フォックスさん

『』:アルファさん


・・・どこに居るんでしょうかねえ、あの豚ヤロウ、もといメス豚ヤロウ。


おっと・・・違いましたねえ、町長代理見習い様でしたか?(イライライラ)


こっちが、ようやく王都への報告を終えて町に帰還したと言うのに


執務室はもぬけの殻。


私が戻るまでに終わらせるように言っておいた書類の山は、未処理が半分以上。


おまけに、外出するにしても、別室の職員に行き先すら告げていない。


雑貨店の方に居た、町長とお孫さんのファイフ君に聞いてみれば


会話中に突然走り去ったそうじゃないですか。




△ △ △


△ △ △ △ △


△ △ △ △ △ △ △



「あいつじゃったら、昼飯の話してる最中に突然走り去ったぞ?」


「昼飯・・・ですか、ゼーロさん、どこへ行ったのか予想はつきませんか?」


「・・・あっ! フォックスにいちゃん、もしかしたらなんだけど。」


「ん? ファイフ君、何か知ってることがあるのかい?」


「えっとね、さっきおじいちゃんのところへおっちゃんがきたんだって。」


「おっちゃん?」


「おう、アルファの坊主とミケの嬢ちゃんじゃよ!

 忙しい朝の開店準備中に来おったわ!

 そういえば、魚の坊主も連れてきとったのう。」


「は? 魚の坊主?」


「それでね、おっちゃんがてんどん? がどうのっていってたっておはなしを

 おじいちゃんがしたとたんにね、おねえちゃんがいきなりはしりだしたんだ。」


「てんどん? ・・・ああ、【天丼】。

 なあ、ファイフ君、君のお姉ちゃんはどっちへ走っていったか覚えてる?

 あっちのツリーさんの宿屋ある方かい?

 それとも、もしかして、こっちの屋台広場の方かい?」


「ええと・・・こっち!

 やたいがいっぱいあるひろばのほうだよ!

 おねえちゃんすごいかおしてた、めなんかくわわっ!ってまんまるになってたし。」


「そういえばそんな話したのう。

 ・・・・・・ああ、そういう事なんじゃな。

 あやつもある意味分かりやすいやつじゃのう!」


「{じゃのう!}で済まさないで下さいよゼーロさん。

 ありがとう、ファイフ君。

 君のおかげで多分行き先が分かったよ。」


「うん、おねえちゃんがごめんね、フォックスにいちゃん。」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽





まあ、ほぼ間違いなく屋台広場に向かったんでしょうけどねえ。


どうせ、いつもの空腹状態の時に【天丼】と聞いて本能のままに咄嗟に動いたんでしょ。


確かに、私も以前に町長と一緒に頂いたんで、美味しかったのは理解できるんですけど


何と言うかアレですよねえ・・・。


{ペットの犬が散歩と言う言葉に反応して、ぐるぐる回り出す}のと同じ現象?


もしくは、朝の間に別の要因があって


{おいしい食事にありつける!}という、匂いでも嗅ぎつけたか?


食が絡むと野生的というか超人的な勘が働きますからねえ、あのメス豚ヤロウ。


それにしても、弟のファイフ君はまだ5才だというのにしっかりしてますねえ。


あの子は完全に父親似・・・性格がパパズさんそっくりだ。


パパズさんも今や王城で文官次長だし、ファイフ君の将来が楽しみではありますけど


あの人、奥さんのユニさんに無理矢理食われ・・・げふんげふん。


えー、見初められて? 王城に連れ去られたようなものなんですよねえ。


まさか、ファイフ君までそんな未来が・・・?


いやいや、あの子には大きくなったら、ぜひ私の後を継いで


あのメス豚ヤロウを管理・・・いや躾・・・違った、補佐!


そう、補佐してもらいたいんですよねえ。


そして後々は彼自身が町長に!


ま、無理強いは出来ませんけどねえ。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽ ▽ ▽



▽ ▽ ▽





「それれれすね、きいてくらはいよ~!

 (がっし!)ききなはいよ! ジ~ンはぁ~ん!!」


「いや、フォウはん、あんた飲みすぎやろ、っていうか離してくれへんかな?

 まだアルファのにーさんに頼まれた後片付け終わっとらんのよ。」


「あ~のつりめはわらひにいふもいふもむひなんはいをおひひつへ、はへ? おひひひひ?」


「・・・押し付けてって言いたいんか?」


「ほう! ほれ!! おひひふふへて、あへもはへほへもはへって!!!」


「何でもええけど、フォウはん、ええ事教えたるわ。

 【フソウ】には{噂をすれば影}っていう諺があってやな。

 こういうとこで、その人の話してるとやな本人が突然現れるっていう

 ベタな展開が待っとるんやで。」


「ほへ? べたー? んふふふべたーべたべたべたー。(べたべた)

 んふふう~よ~ふみるほ、ジンはんっへ、ひひおとほよへ~?

 ど~~う? わはひとおふきはひひまひょうよ~~。(べたべたべた)」


「はぁ!? や、辞めて、マジで辞めて!

 ワイにはちゃんと嫁はんもおるし、可愛い可愛い娘もおるんやから!!

 ちょっ! ツーはん! そこで知らん顔しとらんと助けてーや。

 あんたはん、確かこん人と同年代ぐらいやったはずやろ!?

 ほら! 介抱したったらもっと仲良うなれるかもしれんし

 な? 代わってとゆーか引き取って~~な!!」


「・・・えっと僕はまだお店の営業中ですんでーー。

 あ~~~忙しい忙しい!

 むしろ、ワン兄さんの方なら手が空いてるんじゃないですか?

 さっき肉類の食材だけ全部食べられたみたいし、今日はもう店じまいっぽいよね?」


「えっ!? お、俺はえっ、えーっと!?

 そっ・・・そうだ! 俺は店じまいで片付けが忙しいしな!

 ちょっと手伝えな・・・。」


「何慌ててるんだよ、兄さん。

 ・・・あっ! そういえば、フォウさんが去年こっちへ来た時に

 {ちょっと良いなっ! 声かけようかな!}とか言ってたんだっけ!

 ほら! 今丁度いいんじゃないかな? 今ならぐっとお近づきになれるよ?」


「ほほう~? それはそれは、じゃあここはワンはんにお任せしよか。

 さあ! ほら!! (べたべたべた)は、早くして~~!!?」


「ちょ! おまっ!? ツー!! 何でそんな前の話を今更持ち出してくんだよ!

 俺だってその後の残念っぷり見てから、一気にそんな気も無くなったっての!!」


「ふへ? なんでふか~? ワンひゃ~ん!!

 えっふえっふえ、わらひのほろふきだっらんでふか~?(にやにや)」


「うわっ!? こっち来んな!! いや! や、やめ・・・!!」


「ふうっ・・・危なかった・・・こんな所お嬢に見られたらまた

 ・・・・えっ?」


「・・・・じーーー。」


「お、お嬢!! あ、あれ? 帰ったはずじゃ!?

 ・・・・・・ち、違うんです!!

 いや、何も違わんのですけど! 違”う”ん”で”す”!!!」


「ふむ、帰りが遅いから様子を見に来たのだが、そうかジンよ。

 うむ、いや、いいのではないかな。

 大丈夫だ、【フソウ】でも{お妾さん}は別に禁じられておらんからのう。」


「(>∀<)b グッ!」


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”!? やっ! 辞めてホンマ!

 何も後ろめたい事は無いんです!!

 でも嫁はんに言うのは!!! 堪忍してください!!!!

 この間、酒場のねーちゃんにデレデレしてちょっかいかけたんバレた時とか

 ホンマやばかったんや! マジで堪忍してつかぁさい!!!」


「あらら、またユミネさん戻ってきちゃったみたいですね。

 ・・・あれ? そういえば、もう1人の腹ペコさんはどこに・・・あっ。」


「(ぎゅー)ぐおーーーーー、ふひゃひゃひゃす~~~~~~。

 ぐおーーーーーふんがっふんがっ・・・・ふっひゅ~~~~。」


「ベンチで寝てるのはともかく、何で丸太抱えて・・・!?」


「お、おいっ! ツー! た・・・助け! あ、あふっ、だ・・ダメッ!!」


(ワーワー、ギャーギャー、フンガッ、ア”ア”ア”ア”)


「・・・・・・おい、何してるんですかあ? このメス豚ヤロウ。」


「・・・・あっ・・・・ほらな?」



というか、これはさすがに予想の斜め上でしたねえ。


何? この地獄絵図。


えっ? これ私が収めなきゃいけないんですかあ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ