344 冒険者Aさんと就寝前の・・・
あらすじ:神様は小さい子供を相手して癒される。
子供はお手伝いで誉められてうれしい。
まさに一挙両得。
視点:一足先に宿の部屋で就寝準備完了 リマさん
『』:アルファさん
◆宿屋【樫の木亭】の一室◆
『(キュピーン)何か誉められた気ぃするわ』
「はぁ? 突然、何おっしゃってるんです?
そんな事よりも、手が止まってらっしゃいますよ!
続きを! さあ! ご主人様!(ぺしぺし)」
『・・・ホンマ、ご主人様使いの荒い従者やなぁ。
まー、今更やけど・・・』
(シュパッ、シュパッ、シュパッ)
文句は言うけど、ブラッシングはするのね。
うーん・・・アルファさん、やたら手際良くない?
やっぱり、普段からブラッシングし慣れてるから?
パッと見でも、女の私より上手いんじゃない?
はあ・・・何か負けた感がするわね。
私も、さっきまで、サクちゃんの髪の毛を梳いてて
今はなぜかノブユキさんの髪を梳いてる・・・。
それはそうとして、実は自分の分がまだなのよね。
乾ききっちゃう前にやっておきたいけど。
・・・頼んだら私もやってもらえないかしら?
でも多分、ノリノリで承諾しそうな気がするから
逆に頼み難いわね。
・・・・・・それにしても、何!? この髪の毛!?
ツヤッツヤのサラサラ過ぎない!?
どういう事なの!? ノブユキさん!!
ほとんど、梳く必要なんて無くない!?
ちょっと信じがたいぐらいなんだけど?
うう・・・こっちはこっちで負けた感がすごい。
「(にこっ)ありがとうございます、リマさん。
後は自分で適当にまとめられますので」
「い、いえ、拙い手際で逆に申し訳ありません」
「(ふるふる)そんな事ありませんよ。
丁寧にして頂いてありがたいです。
お返しに・・・と思いましたが・・・お師様」
『おー? どしたんや、ユキ~(シャシャシャッ)』
「私がミケお姉様の毛梳きと交代致しますので
お師様は、リマさんの髪を梳いて頂けませんでしょうか?」
「ええっ!?」
「えーーー? 交代ですかー?」
『おー? おお、俺はええんやけど。
リッちゃんの方はかまへん?
ええんやったら、サクとユキの分まで
全力でやらせてもらうつもりやけど?』
「え!? 全力で? いえ、まあ、その・・・。
私は別に問題ありませんけど、良いんですか?」
ま、まあ、男性に髪を触らせて整えてもらうとか
抵抗が全く無い訳でも無いけど。
もう、恥じらう様な年でもないし・・・?
それこそ、たまに利用してる町の理髪店も
ご夫婦でやってて、旦那さんだけの時もあったし?
今更よね、今更。
・・・それに、全力って言ったわよね?
正直、あの手際の全力には、ちょっと興味が・・・。
そ! だから問題ないのよ! うん!
『わははは! かまへんかまへん!
んじゃユキ、ミケと交代やな~』
「・・・何言い訳してるんです~? メガネさん。
まー、別に良いんですけどね。
ユキさんはユキさんで、丁寧で手馴れてますから」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
「(ぽかーん)~~~~っ!!?」
(トコトコトコ、ガチャッ)
「先生~、お風呂の{すすぎ}終わりました~!
・・・ってアレ? リマさんどうしたんです?
何かすっごい驚いた? 顔してますけど・・・」
「(ぱあぁ)終わりましたでヤンス~!」
『わはは! おー、おかえり~(ひらひら)
ありがとーな、ライスにサンちゃん。
いや、単にサクとユキのお礼代わりに
全力でリッちゃんの髪の毛を梳いただけやで?』
「(ぽふぽふぽふぽふ)~~~~~!??」
ええええ!? 何!? 何が起きたの?
・・・た、多分だけど、時間って
せいぜい2・30分ほどしか経ってないわよね!?
あの短時間で、どうやったら、こんなに整うの!?
えっ!? フワッフワのサラッサラなんだけど!!?
これ、本当に私の髪の毛なの!?
か、鏡・・・鏡見なくちゃ!?
「・・・ああ、全力っすか。
それは・・・まあ、驚きますよね。
アタシも前にやってもらって
すっごい驚きましたし」
「(あわわわ)そ、そんなにすごいんでヤンス!?
アッシは、この間、羽の手入れしてもらっただけで
もう、ふにゃふにゃになっちゃって
立てなくなっちゃったでヤンスよ~」
「ええ、それはもう、お師様ですから(にこっ)」
「ええ、それはもう、色んな意味で
{ごにょごにょ}なご主人様ですから~(にやにや)」
「(すぅすぅ)・・・・・・むにゅ」
「(バッ)・・・はっ!?
・・・・・・むっ・・・。
サクちゃんはもう寝ちゃった様ですね」
「一瞬で正気に戻りましたよ、このメガネさん」
・・・もう、鏡なんてどうでも良いわね。
そんな事より、ふふ・・・可愛い寝顔・・・。
今日はせっかく許可貰ったんだから
サクちゃんと一緒に添い寝しないと!!
ああっ!? 私、今日はちゃんと寝れるかしら!?
この間、キャンプ地では疲れてたのもあって
添い寝してても、直ぐ寝ちゃったけど・・・。
今日は全然疲れて無いもの!!
何!? この湧き出る感情っ!!!
一晩中でも眺めていられそうな気がっ!!!!?
「・・・ひえっ、怖っ!? え? 正気・・・?
正気って言って良いんでしょうかね? コレ?
はあ・・・メガネさん・・・あなたも。
段々と違う意味で人間離れしてきましたわね・・・」
「(キラーン)そんな事はどうでも良いんです。
それよりも時間が惜しいので・・・(いそいそいそ)
私は先に休ませて頂きますね?
では、お休みなさい・・・ふふっ(きゅっ)」
『お、おう・・・。
お休み~、リッちゃん(ひらひら)
んじゃ、俺らもとっとと寝るか~』
「「「「はーい」」」」




