34 冒険者Aさんと港へ続く街道
あらすじ:しらす&水菜とか、タマネギ&紅生姜のかき揚げもおいしいですね
視点:初めての事尽くしで見るもの全てが珍しい サーバクン・ミーソットさん
『』:アルファさん
『この道はずーっと港まで続いとってな。
町の人らは{フリーマーケット}とか{ごちゃまぜ商店街}とか呼んどる道なんやわ。
【フソウ】やと、そうやな・・・{露店街道}って感じやな。』
「{露店街道}ですか? うおっ。」
先程の屋台広場でお昼を食べて一服した後、次は広場から続く道を東へ移動中です。
それにしても、【天丼】も【かき揚げ】もおいしかったー。
・・・あはは、ちょっと食べ過ぎておなか苦しいですけど。
あれなら【リューグー】の皆も気に入るでしょうね!
調味料も【フソウ】からの商人の人に頼めば問題ないと思うし
今度、帰った時にでも広めてみよう。
・・・だけど、あの広場の人達、僕の姿に驚く人があまり居なかったですね。
むしろ、皆さん完全に料理に目が行ってて、それどころじゃない! という感じでした。
市場でもそれほどではなかったですし、【リューグー】で聞いてた話よりは
人族からの拒絶反応は薄めなんでしょうか? もしくはこの町が特別?
どちらにしても、何とか生活していけそうで、少しほっとしました。
「まあ、そのままの意味なんですけどね。
この道沿いは、自由に露店を出して良い街道なんですよ。
実は、西の住宅街にある商店街だと、正式な住民しかお店が出せません。
また【冒険者ギルド】がある南区画も、許可申請を行わないとダメなんです。
ただ、そうなると他国の商人達との交易の場が無くなっちゃいますからね。
代わりにこの港へ続く街道沿いは、誰でも自由に露店を行っても良いという
区画になってるわけです。
ちなみに、お店を出していない住民の人達が
手芸品とか中古品なんかを露店で出してたりもしてるんですよ。」
「なるほど、管理しやすいように区分けしてるわけですね、うおっ。
【リューグー】も似た感じの区画がありますよ、うおっ。」
『そういやそうやったな。
まあ、キミんとこはもちっと管理が厳しいけどな。
外から来た人はあそこから他の区画へは行かれへんようになっとるし。』
「これが他国とかだと、偉人の名前だったり
何か格好良さそうな名前が付いてたりしますよね~。
【フソウ】にも{ペンギン通り}とか{妖怪ストリート}なんてのもありますし
{ポプラ通り}や{銀杏通り}みたいなのもありますね。」
『結構、その地の名産品や直売店が並んで名前になっとる所が多いな。
{メロン街道}とか{そば街道}{ちりめん街道}なんてのがそうやなー。
他にも物流関係で名前が付いた{鯖街道}とか{塩の道}なんてのもあるけど
この辺はまあ、細かい街道ひっくるめた物流のルート名やからちょっとちゃうか。』
「それは面白いですね! うおっ。
【リューグー】には道どころか、森とか山ですら名前付いてない所が多くて
皆は{~の里の森}とか{~族の住んでる海岸}みたいな感じで呼んでます、うおっ。」
(・・・ザワザワ、ガヤガヤガヤ)
『おっと、そんなん言うとる間にボチボチ見えてきたな。
今日は割と混んどるなー。
サバミソー、一応はぐれんように気をつけやー。
もしはぐれたら、そこの分かれ道まで戻って待っといてくれたらええからな。』
(ザワザワ「らっしゃーい、西方の珍しい果物あるよー」ガヤガヤ)
(ドヨドヨ「包丁・・・あるよ、切って良し、刺して良し、ふひひ」ザワザワ)
(ザワザワ「他国の本だよー、物語や史書とか色々あるよー」ザワザワ)
「ふわーー、本当に色々な露店がありますね!
普通に屋台で売っている人も居れば、敷物の上に広げてる人も居るんですね、うおっ。」
『せやなー。
しかも、たまーに町の子供とかが小遣い稼ぎにやな
どっかで拾ってきた綺麗な石とか、ちょっと珍しい虫売ってたりするんで
見かけたらなるべく買うたってるんやわ。
結構、見てるだけでも面白いもんやろ?」
「そうですね、これは一日中見てても飽きないと思います、うおっ。」
「だけど、サバミソ、逆に気をつけないといけない事もあるんですよ?
ここに居るのは、この町の人より他国の人間が大半なんです。
一応、町で定められたルールもありますし、警備兵も巡回に周っては来ますけど
ここは商人だけでなく旅人や気性の荒い冒険者もよく利用していますからね
風習や認識の違いが元で、揉め事や争い毎になる事だって度々あります。
そうでなくとも、ここで露店出してる商人の多くは
大儲けする為に、わざわざこんな辺境の国まで来てるんですから
どんなに愛想良くて親切な言葉をかけてきても、善人だとは思っちゃダメですよ。」
『そうやで~
まあ、こっちも表面上はニコニコ愛想良うしといて、心の中でだけ注意しとけばええ。
少なくとも、何も考えんと相手の話を鵜呑みにしたらあかんで~って事や。
でもな、別に最初っから疑ってかかれって言うわけやないで。
先入観を持った状態で得た情報ってのは、必ず偏った内容に捻じ曲げられてまうからな。」
「先入観・・・ですか? うおっ。」
「せやでー。
俺もな、そこら辺は育ての親であるとっつぁんから何度も注意されて教え込まれたもんやで。
自分の目で見て、耳で聞いて、ありのままの情報をな{事実は事実}として取り込むんや。
んで、そっから自分の主観と比較してな、最適と思える判断をしていく訳や。」
「私もご主人様に訓練されましたので、今でこそ、こうやって言える訳ですけど
とりあえず、何をするにしても先入観ってのは持たない方が良いですね。
客観的にしろ主観的にしろ、片方だけの情報で染まると碌な成長しないですよ。
前者だったら{対応力皆無の頭でっかち}もしくは{追従しか出来ないイエスマン}
後者なら{狂信者}とか{マッドサイエンティスト}の出来上がりって感じですかね。
結局は、総合的判断が出来るのが大事ってことですね! (どややっ!)」
『ちなみにな、サバミソ。
それはここだけに限った話やのうて
外の世界で生きていく際には、必須と思っとった方がええ。
特にこれから冒険者としても活動していくわけやし
常に意識はしておいたほうがええ、難しい事やとは思うけどな。』
そ・・・そうなんだ!?
【リューグー】で暮らしてた時は、そんな事まるっきり考えませんでしたが
それじゃ駄目ってことなんですね!!
『・・・それこそ、今言った事もそうやで?
あくまでも判断材料の一つとして{なるほど!}と思ったんならええけど
鵜呑みにして{そうなんだ!? そうしなきゃ駄目なんだ!}とか思ったらアウトや。』
「はうっ!? す、すいません! 思いっきりそう思っちゃいました!! うおっ。」
『まあ、こればっかりはすぐには無理やしな
ボチボチ慣れてったらええんよ。』
「あ、はい!・・・意識しすぎずに意識するように心がけてみます!! うおっ。」
うーーーん・・・何となくですが、言わんとすることは分かります。
同時に、半分も理解できてないだろうなってのも自覚できてますけどね。
・・・・・・ひょっとして、的外れかもしれないですが
僕としては、その考え方が出来るかどうかが大人と子供との違いなんだろうなって思えてきます。
そうすると、やっぱり僕はまだまだ子供だってことなんでしょうね。
でも・・・ああっ!! 故郷を出てこっちへ来て本当に良かった!
まだ、たった数日ですけど、色々と学んでる! 成長してる!! って実感があるんですよね。
・・・ま、まあ、単に今までが世間知らずだったって事もあるんでしょうけど。
毎日が刺激的! これからも精進していかないと!!
『ちなみにな、サバミソ。
ミケの場合は客観的情報取り込んだ上で、完全に自分の主観を優先して行動しとる。
あんまり真似・・・というか参考にはせんようになー。』
「んもう~~ご主人様ったら、どんな時でもミケを誉めてくれるなんて
ミケは本当に幸せ者ですぅ~~~!!!!(くねくね)
ですので!(ふんす!)もっと!!(むはー)甘やかして下さいまし~~!!!」
『・・・な?』
あっはい・・・参考はほどほどにさせてもらいます。
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『そこが街道の終点になっとる港の桟橋やで。
そんな感じで露店の方は、まだ1人で行かん方がええわ。
ここでの生活に慣れてきて、ちょっと余裕できてからやな。』
「はい、わかりました、うおっ。」
「あっ、サバミソ、ちなみにあそこにある大きな建物が、朝に言ってた
船乗りと駆け出し冒険者御用達の【セイラーズバース】ですよ。
まあ、つまみと安酒煽って大部屋で雑魚寝するような人達がたむろするような場所なので
ミケみたいな{気品溢れる淑女}には無用の場所ですわね!」
『(ぶふーーーーーー)きっ! きひんあふれる~~!? しゅくじょ~~~!!!
しゅくじょやって~~~~~~~~!?
むはっはは~~~~~~、溢れるとのは淫気と妖気だけやないか~!(げらげらげら)』
「ひっ・・ひどっ!? 鬼っ! 悪魔っ!! ご主人様っ!!!(むきーーーーー!)」
(ぎゃーぎゃー、どったんばったん)
「ふふっ、アルファさんとミケねえさんはいつも仲良しなんですね、うおっ。」




