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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
333/401

333 冒険者Aさんと鬼娘と逸話 ③

あらすじ:伝記【桃太郎】には、裏話があるそうです。


視点:さらっと夕食に混じってたご隠居様 ゲンジロウ・フジさん

『』:アルファさん


「【フソウ】で{鬼}と言うと

 3種類あってな」


「3種類?」


「そんなにあるんですか? うおっ」


(ジュウウウウウ、バチバチ「うま~!」ハグハグ)


「(こくり)うむ。

 1つ目はまあ、ウラ君の様な元々の種族だな。

 種族としては世界各地に結構居るのだが

 中でも【フソウ】の【鬼族】は先天的な

 {純粋種}と言う意味で別格扱いが多いのう」


「なるほど、種族ですか」


「う~~ん? {純粋種}って何ですかぁ~?」



 まあ、この辺りは知らないのは当然かもしれんな。


 なにせ、【フソウ】に住んでいる者ですら


 知らぬ者が多いしのう、実際。



「うむ。

 それはだな、2つ目の種類にも関わってくるので

 先にそちらから言うとするかのう・・・。

 2つ目は{鬼}に変異した者。

 何らかの原因があって、後天的に{鬼}となった者だな」


「後天的に?」


(モクモク、ハグハグ「箸がとまらへん!」ジュワワワ)


「えっ? そんな事有るんですか? 先生」


『お~、有るで~~?

 例えば、 特殊な秘術やら薬品やらで

 死後に蘇った【吸血鬼】とかもそうやし。

 他には、快楽殺人を繰り返してたら

 実際に頭に角生えてきた【殺人鬼】とかも居るな~』


「うへ・・・そんな事有るんだ・・・」


「強烈に恨んで呪った挙句に{鬼}に変異する・・・。

 と言った事も【フソウ】ではよく聞きますよね、お師様」


『せやな~~~、割とよ~有る話やな~』


「えーーーー? ・・・よく有るんだ?」


「怖いですね、うおっ」


(モニュモニュ「ふもっ!?」ジュワッワ「お嬢っ!?」)



 うむ。


 想いの強さで、自分の姿形さえ変えてしまう。


 げに恐ろしきは人の業・・・という所だな。



『あー、せやせや。

 モンスターの大元なんかにも結構おるんやで?

 【小鬼ゴブリン】とか【単眼鬼サイクロプス】もそうやし。

 【剛鬼オーガ】とかって、【神語】でまんま{鬼}やしな。

 ちなみに、こっちの変異は【マナ】が原因ってやつや』


「「「「「えええっ!?」」」」」


「ああ、今アルファ君が言ってくれた例の様に

 後天的に{鬼}に変異する事が有り。

 原種の{鬼}となった者が他の種族と交わって

 新たな種族として増える事も有る訳だ」


「要するに{混血種}って訳ですわよ。

 それで先程、【鬼族】の事を{純粋種}と

 呼んでいたのですわ~」


「(がびーん)ええ・・・。

 その辺のモンスターの起源って

 そう言う事だったんですか・・・」


「(もぐもぐ)おう、そうだぞ?

 あれ? 俺言っとらんかったか?」


「「「「聞いてませんよ!! ギルド長!!!」」」」


「(ごくん)お、おう!? ・・・すまん?」


(ギャーギャー、ワーワー)


「んもぉ~~。

 知ってましたぁ? リマ先輩~?」


「(にこにこ)サクちゃん、こっちも焼けたわよ?

 あっ、慌てないでね? ほら、お茶を・・・。

 ・・・・・・えっ!? 何です??(びくっ)」


(ジュウウウウウ、パキュッパキュッ)


「・・・あ、はい、何でもないですぅ。

 どうぞ、続けてくださいですぅ」



 ふむ・・・・・・。


 私も話には聞いておったが


 実際目にしてみると、これはまた・・・。


 まあ、良い兆しなのは間違いなかろうて。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「えっと、ギルド長への文句は一旦置いといて」


「ま、まだ続けるのか」


「それで、3つ目って何なんですか?」


「う、うむ・・・それで、3つ目なのだが。

 こちらは少々特殊で、【フソウ】でのみ使われるが

 {朝廷や将軍家の敵対者や集団}の事を指しておる。

 所謂{隠語}や{符丁}というものだな。

 まあ、最近は使われておらんのだが・・・」



 まあ、実際は敵対している者達の中でも


 特に危険な者達に付けられる符丁だったのだよな。


 【フソウ】では、陰悪や邪気の通り道である{鬼門}や


 死亡した際の{鬼籍に入る}の様に


 あまり良く無い意味で{鬼}という言葉を使う事が多い。


 その為、以前の朝廷や将軍家に仇なす者は


 {鬼=人に非ず}として討伐対象にした訳だ。



「インゴ?」


「フチョウ?」


「・・・よーするにアレじゃ、アレ。

 仲間内でだけ使っとる合図とか合言葉とか。

 お前らも、よく使ってるじゃねえか。

 古めの依頼にゃ{お兄さん}で

 新しい依頼には{弟さん}とか呼んでるだろ?

 もっと古いのは{お父さん}とか{お爺ちゃん}とか」


「ああ、呼んでますね。

 しかも、依頼が受理されたら{お見合いに行った}で

 完了されたら{お婿に行った}ですものね。

 アレってどなたが考えたんです?」


「(ぷいっ)・・・あー、誰だっけな~」


「ああー、私聞いた事ありますよ。

 それってタロットさんですよね?

 最初は、ギルド長が女性で例えてたらしいんですけど

 {行き遅れ}とか{寿退職した}とか言ってたら

 当時の職員の人達に女性が多くて大不評だったから

 そっちに変えたって聞きました」


「「「「あーーーーーー」」」」


「言うなよ!? 知らん振りしてたんじゃから!」


『わははは! まー、ええやんか。

 そんな周囲にバレても問題無い内容なんやし』


「むっほっほっほ! そうですよね~。

 ご主人様なんて、こっち来た最初の頃は

 しょっちゅう職員さん達が裏で{ナカイさん}って

 聞こえる様に業務連絡してましたからね~~」


「「「「「「「ナカイさん?」」」」」」」


「お、おいっ!?」


「あ~~~、有ったわねえ、そんなのも」


「はあ? {ナカイさん}って何の事です? 先生」


『あ~~、それな?

 面倒な冒険者とか依頼者とか来た時の符丁なんやけど。

 {注意=チュウイ}でそのまんまやったらアレやからって

 {チュウ}だけ{中=ナカ}に変えたって訳や』


「はーーー? はあ?」


「ちょっと無理矢理っぽくないですか?」


「って、おおい!?

 何、あっさりバラしとるんじゃ! アルファ!!

 ・・・って誰じゃ! 無理矢理って言ったの!!

 せっかく俺が頑張って考えたんじゃぞ!?

 これじゃ、もう使えな・・・」


「いえ、もうとっくにバレてるんで

 今は誰も使ってませんよ? ギルド長」


「・・・は?」


「あれは確か・・・アルファさんが移籍してから

 しばらくは、その符丁使ってたんですが」


「(じとー)使われてたんですか? 先生」


『せやで~~!!

 そら、面倒な人間なんわ、間違いあらへんし!!

 わはは!!!(げらげらげら)』



 う、うむ・・・。


 面倒がられておったのか、アルファ君。


 ま、まあ、そこを笑って流せる所は、流石だのう。



「・・・それで、あっさりと

 キレたミケニャンさんにばらされました。

 私、丁度その時居ましたんで

 実際、見てました」


「あ、俺も俺も~」


「私も居ました~、というか私も言いましたし」


「いやあ~、凄い剣幕でしたよね~」


(ワイワイ、ワイワイ)


「お、お前らなぁ・・・」


「ちなみに、その時に的確に対処したのがリマ先輩で

 その後はリマ先輩の窓口に行く様になったんです。

 ですよね? 先輩?」


(ジュウウウ、カタンッ)


「(こっくりこっくり)・・・あふ・・・ふぁい」


「(にこにこ)あらあら、お腹いっぱいで眠く・・・」


「せ、先輩?」


「(びくっ)えっ!? あ、はい? 何でしょうか?」


「いえ、あの・・・はい、何でもないです。

 どうぞ、サクちゃんのお世話をどうぞ・・・」


「メガネさん・・・」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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