表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
327/401

327 冒険者Aさんと予想外の出迎え ④

あらすじ:ビーエルさんの元故郷で、アルファさんは

     悪名高い高額賞金首なようです。


視点:新弟子という事で突発的な給仕係になった ライムグラスさん

『』:アルファさん


(ワイワイワイワイ、ガヤガヤ)


『わははは! すまんな~、タケちゃん。

 何か予定と違ぉて、騒がしくなってもーて。

 (じーーー)・・・うんうん。

 元気そうで何よりや!(ばんばんばん)』


「ははは、義兄にいさんもお変わりなく。

 ・・・それにしても久し振りですね。

 アルファ義兄にいさん、一度出かけちゃうと

 滅多に帰ってきませんから・・・。

 【緑寿園】や喫茶の皆も会いたがってるんですよ?」


『(ぽりぽり)あーーー、そりゃすまん。

 ついつい・・・な~んか、長居してまうねんな~』


「(にこっ)でも、僕もやっと来れましたし!

 次の連絡の時もまた僕を呼んでくださいよ?

 今回みたいな配達でも用事でも結構なんで!」


(アハハハハ、ワハハハ)


「・・・・・・」



 な、何か気まずいなあ。


 酒場で経験有るからって、先生に給仕任されたけど


 あの・・・これって・・・。


 酒場とは雰囲気が違と思うんだけど!?


 ちょっと周りが騒がしすぎるからって


 少しだけ離れた所に、席を作るのはわかりますよ?


 でも、どっから出したんですかね、このセット!?


 下には敷物、イスにテーブルに日よけのターフまで。


 全部、簡易っぽいけど、あっという間過ぎて


 目の前の出来事なのに幻でも見たかと思った・・・。


 うーーん・・・多分、先生の事だから


 新しい弟子の紹介も兼ねてるんだろーなー。


 だって、ユキ姉さんもこっち居るし。


 ・・・まあ、ユキ姉さんが招待側あっち行ってくれて


 アタシは先生側こっちなんで、そこまで緊張はしてない。


 ユキ姉さんに感謝よね。


 妹弟子に気配りしてくれる姉弟子ってありがたい。



「(じっ)えっと、それでこの子達が?」


「(びくっ)・・・っ!?」


『せやで~! 新しく俺のお弟子さんになった子達や!

 わははは! どっちも良さそうな子達やろ?(ぽんぽん)』


「(すっ)私、ノブユキと申します、タケジロウさん。

 お師様の教えを受けたばかりの未熟者ではございますが

 どうぞ今後とも、よろしくお願い申し上げます(にこっ)」



 えっ!? あっ!! そ、そうよね!


 あ、あ、あっとアタシも挨拶しなきゃ!!!



「(あわあわ)え、えっと! あの!

 あ、アタシは、ライ、ライムグラスと言う名前です。

 その・・・あっ! コンゴートモ!!

 よ、ヨヨロシーク、お願い申しますマース!?」



 はうっわあああ!? うっわーー!!!


 アタシは何を口走ってるんだーーー!!


 せ、せっかくユキ姉さんが見本を見せてくれたのに!!


 うう、ごめんなさい、ユキ姉さん。



『(げらげらげら)わはははは!!

 どしたんや!? ライス。

 めっさ緊張しとるやんか~~!!

 何か、ホテールさんみたいな話し方になっとんで!?』


「(ぷっ)た・・・確かに!!」


「(にこっ)ライス、大丈夫ですよ。

 私は外向けの挨拶になりましたが

 これは私の癖みたいなものですから・・・。

 ここにいらっしゃるタケジロウさんは

 お師様の身内の方ですし

 そこまで緊張しなくとも大丈夫ですよ」


「(くくくっ)・・・うん、その通り。

 いやいや、笑ったりしてごめんね。

 えっと、ライムグラスちゃんだよね?

 初めまして、僕の名前はタケジロウ。

 こちらこそ、よろしくね(にこっ)」


「(あせっ)あっ、は、初めましてです!」


「うん、まあ徐々に慣れていってくれればいいさ。

 今後は顔を会わす事も増えるだろうから

 親戚のお兄さんぐらいに思ってくれると嬉しいね」


「あ、は、はいっ!!(ぺこっ)」



 む、無茶言うなーーーーーーーー!!!?


 確か、事前にチラッと聞いた話だと


 【五十六商会】ってでっかい商会なんでしょ!?


 その{副会長}なんでしょーーーー!!!?


 つまり、でっかい商会の2番目に偉い人って


 事なんでしょーーーーーーーー!!!!?


 アタシみたいな、孤児出身で冒険者としても


 3流どころか、挫折しちゃって燻ってた


 ダメダメな小娘とは雲と地ほども違うじゃん!?


 いや、下手するとお星様と地ほど!?



「・・・うーん、ライムグラスちゃん。

 多分だけど、何か勘違いしてないかい?」


「(びくっ)か、勘違いですか? え、えっと?」


「僕は孤児院出身だよ?

 ・・・と言うか、今もそこに住んでるし。

 今でこそ、こんなビシッとした格好で

 【五十六商会】の{副会長}なんて肩書きで

 あっちこっち飛び回ってるけどね」


「(きょとん)はっ? ・・・えっ?」



 えっ? 孤児院出身?


 今もそこに住んでる?


 んんんん? どういう事?



『わはは! えーっとやな。

 孤児院ってのは、【緑寿園ろくじゅえん】ってゆーてな?

 俺の叔父貴・・・えーっと。

 俺のとっつぁんの、実の弟の人やねんけどな。

 名前はロクロウってゆーんやけど。

 その叔父貴が、前の職場を引退した時に建てたんやわ。

 で、タケちゃんはそこで育ったって訳や!』


「(にこっ)ちなみにですが、ライス。

 {現会長}のマツタロウさんも【緑寿園】の出身ですし

 {輸送部門}を担っているウメサブロウさんもですね。

 【五十六商会】の商会員や関連の職場の大半は

 実はその【緑寿園】出身者だそうですよ?

 ですので、自分が孤児院出身だと卑下したり

 引け目に思う必要はありませんよ?」


「・・・す、凄いな。

 えっと、確かノブユキ・・・くん? ちゃん?

 現会長はともかく、ウメサブロウの名前と

 その部門まで知ってるのかい?

 ・・・そこまで知ってる人は少ないんだけどね。

 ま、そういう事さ。

 僕の場合は戦災孤児ってやつだよ」



 えーーーー!?


 【五十六商会】って、よく知らなかったんだけど


 思いっきり身内贔屓の、一族経営だったのーーー!?


 あれ? この場合、一族って言うの?


 ・・・あ! ダメだ。


 一気に緊張解けちゃって・・・。



「(ぷしゅーーー)ふぇー」


『お~~? 気ぃぬけてもーたかー、ライス。

 (ジュウウッ)よっしゃ、ええ焼き具合やな。

 ・・・ほれ、ライス、あーーんしてみ?』


「(ぱかー)あーーん」


(ひょいっ)


「(むぐむぐむぐ)んまーい!」



 ああ~~~~~、くちのなかにひろがる


 おにくのおしるとあぶらと、あまからーーいタレ!!


 でもしっかりとしたあかみのおにくだから


 すっごいおにく! おにく!!


 おにくをたべてる~~!! って感じがする。


 ああ~~、何だか飲み込むのももったいないけど


 もっともっと食べたい~~~!!


 はあ~~~、鶏さんって本当うま~~~~。


 孤児院じゃ、お肉なんて滅多に・・・。



「・・・・・・はっ!?」


『わははは! 復活したようやな!!

 んじゃ、ユキが追加の材料運んでくれたし

 ジャンジャン焼いて、皆で食おうか!

 話なんて食いながらでええんやし』


「ええっ!? ユキ姉さん、いつの間に!?」


(ジュウウウウウ、シュワアアアア)


「(くすっ)アルファ義兄にいさんは変わらないな。

 ・・・じゃあ、僕も頂かせてもらうよ。

 【緑寿園】だと、焼肉なんて争奪戦だから

 いつも子供達に取られちゃって

 実は満足に食べれてないんだよね」


「はい、ある程度火が通ったら寄り分けますので

 お好みの焼き具合でお召し上がりくださいね。

 飲み物も、清酒に麦酒に蒸留酒。

 こちらに各種ご用意しておりますので」


「う、うん、ありがとう。

 ・・・本当に凄いな、ノブユキ・・・くん?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ