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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
325/401

325 冒険者Aさんと予想外の出迎え ③

あらすじ:飛行モンスターに絡まれてた飛竜便は

     無事脱出できたようです。


視点:冒険者ギルド 新人受付嬢 インディアさん

『』:アルファさん


(ザワザワ、ガヤガヤ、ジュウウゥゥ)


「・・・わたい、何してんだろ?」



 いや、本当に何してんの?


 と言うか、何でこんな事に?


 今日はリマ先輩が居ないからって


 受付で頑張ってた・・・なんだけど。


 町の人が集まりすぎてお祭り騒ぎになってきたって


 リマ先輩が慌てて戻ってきて・・・。


 ・・・そうだ。


 結局、こうなっちゃったら


 冒険者だけ立ち入り禁止にしても無駄って事で


 ギルドの業務を半分臨時休業にして


 職員の希望者だけこっちの手伝いに来たんだっけ。


 わたいも、せっかくだし。


 【飛竜便】見たいなーって思って


 こっちに来たんだよね。


 ・・・来たんだけど。



「お~い! インディちゃん!

 ほら! これ! 大物狩ってきたぜ!」


「インディちゃん! 俺も頑張ったんだぜ!?

 俺にもインディちゃんの焼いたの1本、いや2本くれよ!」


「おい! 割り込むなよ! 俺が先だ!」


「も~! 喧嘩しないでくださいね?

 (にこっ)はいっ、お2人供、どうぞぉ~! 」


「「(でれでれっ)ひゃっほー!!」」



 ・・・・・・つ、疲れる・・・これって


 ギルド会館の中で働いてるよりしんどくない?


 ここは町外れだし、人の多さや炭火焼の匂いで


 野生の獣やモンスターが寄ってくるかもしれないって。


 マリさんの提案で、野次馬で集まってきた冒険者達向けに


 {臨時クエスト}発行したんだよね。


 内容は、周辺の偵察と警護で、可能なら討伐も。


 参加者への報酬は、一律で小銅貨20枚。


 さらに、この場でのギルド提供の飲食代が無料タダ


 ついでに獲物を狩ってきた場合は、この場で買い取り。


 しかも、冒険者ランク問わずって・・・。


 ギルド的にかなり大振る舞いじゃない!?


 ・・・いやいや! そんなことより!


 冒険者の人達はそれで良いかもしれないけど!


 網で炭火焼きしながら、冒険者の応対とか


 私達でそれを全部やるのはどうなの!?



「(にこっ)はーい! 焼けたわよ~!

 熱いから気をつけてね~?」


「(にぱー)わあ! ありがとう! おねえちゃん!」


「こっちも焼けたぜ!

 ほら、そっちのおっちゃん! 持ってきな!」


「おいおい、誰がおっちゃんだ。

 へへっ、ありがたく貰ってくぜ!」



 あっ、ちなみに町の人は普通に無料タダ


 最初は屋台広場の人達がこっちに出張して


 有料で商売してたらしいんだけど


 あの迷惑なおっちゃんが無料で振舞いだしたせいで


 商売にならなくなったんだって聞いた。


 でも、その代わりっていうか


 おっちゃんが全部材料を買い取った上


 店の人達に手伝い賃払って、焼かせてるとか何とか?


 ・・・実はわたい達が焼いてる食材の大半も


 おっちゃんの提供品らしいんだよね。


 どんだけ豪快にお金使ってるんだろ?


 ・・・ほんと、わたいみたいな貧乏人からしたら


 嫌味なおっちゃんだよね。



『あれっ? インちゃん焼いてばっかりちゃうか?』


「えっ?」


『(ぶんぶん)おーい! マリちゃん。

 インちゃん交代で休憩させるけど、えーかー?

 俺が代わりに・・・』


「あっ、僕が代わりますよ、アルファさん」


「ええっ? い、良いんですかぁ~?」


「あらあら~、それじゃお願いね?

 うふふ、せっかくのお祭り騒ぎだし

 インディアちゃんも楽しんできてね~」


『わははは! 頑張り屋のインちゃんには

 ほいっ! これな!!(ぎゅっ)

 【赤ブタ】の希少部位の串焼きを進呈やっ!!

 そんじゃ、ゆっくり休憩するんやで~?』


(すたすたすた、ワイワイワイ)


「・・・・・・あ、は、はぁ・・・はい」



 な、何かよくわからない内に


 勢いに負けたんだけ・・・ううっ・・・良い匂い。


 焼きたてジュウジュウの、脂もテラテラで・・・!!


 (ごくっ)た、確か、希少部位って言ってたよね?


 マリさんも休憩していいって言ってたし。


 ええっと・・・い、いただきまーーーす!!!



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「(にこっ)ふふっ、インディアさん。

 見てて気持ち良い食べっぷりだったわよ?

 交代はまだ先でいいから、もう少し休んでていいわよ」


「(かああぁ)あ、あはは・・・」



 ついつい、アレもコレもって


 動けなくなるまで食べちゃった・・・。


 うう・・・食べれる機会があったら


 目一杯食べてしまう貧乏性の自分が


 ちょっと恥ずかしい・・・。


 で、でも、し、仕方なくない!?


 おいしかったんだもの!!!


 ・・・ま、まあ、見られたのが


 リマ先輩だったのは幸いよね。


 わたいが猫被ってるのは、とっくに気付いてるんだし。


 さすがに他の人の前だったら


 こんな醜態見せらんないわよねー。


 ・・・ちなみに、あの迷惑なおっちゃんは


 わたいの猫かぶりに気付いてる・・・と言うか


 もう、色々と見透かされてる感じがするから論外!!


 別にあっちに悪意は無いんだろうけど


 これ以上、弱みを握られたくないって感じ?


 ・・・何か負けた気がするもん。



(ザワッ! ザワザワザワ!!)


「おかーさん! ほら! あそこあそこ!!」


「あら? アレ・・・かしら?」


「おーー!? 見えてきた見えてきた!!」


(ワイワイワイワイ、ジュウウウゥゥ)


「(じーーー)んーーー? 見えてきたのかしら?

 私、目が悪いから、あまり遠くの物が・・・ね?」


「・・・えっと、確かに見えてきましたよ?」



 ま、まあ、リマ先輩は瓶底グルグルメガネだし。


 やっぱり、相当目が悪かったんだ?


 ・・・へえ・・・アレがそうなのかな?


 あはは・・・予想外に忙しかったりはしたけど


 お腹いっぱいおいしい物も食べれたし


 こっちに見に来た甲斐はあったって事だよね。


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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