311 冒険者Aさんと姉弟の観点 ①
あらすじ:たまに状態異常にするスキルや魔法は
実戦では信頼できないという話でした。
視点:ムトウさん家の三姉弟 一番年下の次男 ノブシゲ・ムトウさん
『』:アルファさん
(ガキーーーン、ドタッ)
『あたたた・・・、う~~~ん、降参やわ~』
「(ばばっ!)勝負あり! 勝者! マリさん!!」
「ふう・・・うふふっ、勝ててほっとしましたわ~」
うーん・・・・・・。
午後からの訓練が始まる時に、
姉上と一緒に頼んでみたら、あちらの3人も合意したんで
母上とアルファ殿が模擬戦を行う事になったでござるが。
うーーーーーーーーーーん。
兄上が、可憐な兄上があれほど師事を熱望していた人が
この程度なんでござるか?
「ふわー・・・何か凄かったね? ライス」
「そうね、まあ見てても何がなんだかわからなかったけど」
「うーん・・・端から見てた感じだと
アルファさんの一方的な負け?」
「どうなんだろな?
どっちもスキル無しでやってたんだし
おっさんが不利ってとこだろ?
結局、どっちも決め手に欠けたまま
おっさんが押し切られたって感じにも見えたけどな」
ん? 何を言ってるんでござる?
手加減として、双方スキル無しでの模擬戦でござるよ?
つまり制限が大きいのは、純戦闘型な母上のはず。
それなのに、わずか15分程度で決着。
しかも、母上に打ち込まれ続ける一方的な戦いで
結局、一発も反撃を当てられなかったでござるよね?
「(ふんすっ)当然でござる! 母上は凄いのでござるよ」
「ま、まあ、結果だけ見ればそうかもしれないね。
僕としてはかなり参考になったけど・・・」
「へえ・・・愚弟の言う様に見所有りそうね」
「だろ? 姉貴」
「あらあら~、参考になった子が居るなら
模擬戦した甲斐があったわね~。
ね? アルファさん」
『わははは! せやなー。
まー、マリちゃんに全然手足も出んかったけどな~。
やっぱ鬼強やな! マリちゃんは』
「まー、無し無しルールでしたし
仕方ないと思いますわよ? ご主人様~」
「(きょろきょろ)そうなんでヤンスか? アネサン」
「(きらきら)ふわぁ、と、ととさま!
しゅごかっ! あ、あうぅ・・・」
「ふふっ、そうですね、サク(なでなで)
(にこっ)お師様も母様も模擬戦お疲れ様でした」
むむむ? なぜか周囲の評価が違うでござるな?
正直、兄上には申し訳ないでござるが
拙者はアルファ殿にはがっかりしたんでござるが・・・?
・・・・・・そ、それはそうとして!!
拙者も可憐な兄上に撫でて欲しいでござる!!!




