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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
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31 冒険者Aさんと町の屋台広場でどっちの料理を食べまSHOW

あらすじ:ヒゲにたかられるおやっさん


視点:謎のご隠居様 食通家 ゲンさん

『』:アルファさん


ふむ、やはりこの広場で注目すべき屋台はあの2つであるな。


この広場自体は、1年ほど前、店の跡継ぎ問題を片付ける為に


アルファ君が提案した解決方法から作られた空き地だそうな。


引退した祖父の店【飯屋アパカッ】を継ぎたいという孫兄弟の争い。


どの町、どの国へ行っても、やはりその手の争いはあるものだな。



(ザワザワザワ、ワイワイワイ)


「さあー! らっしゃーい! らっしゃーい!!

 【元祖・アパカッ】の肉料理はいらねえかーーい!?」


「おいしい魚料理はどうですかー?

 【本家・アパカッ】の魚介料理をよろしくお願いしまーす!」


(ワイワイワイワイ、ガヤガヤガヤガヤ)


「私これー! お魚焼いたの食べたい!」


「僕お肉! お肉食べたい! お肉!」


「ワシはこっちの魚の蒸し物を頼もうかのう」



ふーむ、うまい事、やったものだ。


空き地を準備し、両人の得意料理による屋台を空き地の両端で開く。


そして、空き地の中央には使えるテーブルとイスを設置し


そこでは、どちらの屋台で買った商品でも食べられるようにしておる。


そのようにして、料理対決を・・・としたのが発端だそうだが・・・。



「スープどうですかー! 肉団子いりのスープ、おいしいよー!!」


「【フソウ】名物の【ヤキソバ】あるよ! 【ヤキソバ】ーー!!」


「お口直しにサラダはいりませんかー? さっぱりしますよー!」


(ワイワイワイワイ、ドタドタドタドタ)


「おーい、おいかけっこしようぜー」


「わーい、キャッキャ」


「あーら奥さま、お久しぶりー、今日はこちらで?」


「そうなのよ、今日はお天気もいいですし、旦那には内緒でね、オホホホホ。」


「さあ、見てってよー、今日はこの棒を使った曲芸だよー!」



いつのまにか、他の屋台も出店し、日除け付きのテーブルやベンチなども設置され


さらには、催し物が出来る小舞台まで作られておるし


地面もむき出しの地面から、木材と白石ですっかり綺麗に舗装されてしまっておる。


ほっほっほっほ。


恐らく、これは発起人達ですら予想外ではあるだろうが


なんとも、のどかで活気のある広場に発展したものだな。


今や料理を食べる者達だけではなく、町の住人達のちょっとした娯楽広場となっており


この町の新名所と言っても過言ではないのう。


うむ、私もそろそろ何か食べようか。


今日は何にするか、こういう迷いも楽しいものだな。



「おじいさま! そろそろ、ウチらもご飯にしましょ?

 ウチ、もうお腹ぺこぺこなんよ(もぐもぐもぐ)」


「ふふふ、そうだのう。

 さて、ユミネにジン君、今日は何にするかな?

 そして、今日はどちらの・・・いや、どの屋台が良さそうだろうな。」


「(もう、食っとるやないか!ってツッコミてぇーーー)そ、そうですなぁ。

 今日は{魚介系のパスタ}なんかええんちゃいますか?

 足らんかったら追加で串焼きとかでもええでしょうし。」


「ふむ、それも良いのう。

 見た感じ、今日の屋台勝負は{元祖}の勝ちかな?」



孫娘のユミネ、護衛のジン君


私は4年前に現役を退いた後


アルファ君が広めてくれた【ショクドーラクの会】の伝手で


各国を訪れ、色々な料理を食べ歩き、趣味の食道楽を満喫しておる。


また、ジン君は武者修行も兼ねて私の護衛を頑張ってくれておる。


そして、2年程前にアルファ君が【フソウ】へ帰ってきた時


その際に、報告と共に次にアルファ君が向かう国を聞いておったから


私も時機を見て、この【タンゴの町】へ向かう事にしたのだが。


ユミネがまさか同行を申し出てくるとはな・・・。


これまで、あまり我儘を言わなかったユミネが珍しく頑固に


・・・いや、この子は外見からは想像もつかないほど芯が強いし


昔から譲らん所は絶対に譲らんかったしのう。


珍しいと言う事ではないな、漸く目的が定まったのだろうな。


そして、私達3人は半年前からこの港町に滞在しておる訳だ。



「・・・・・・。(もぐもぐもぐ、ぴたり)」


「どうしたんや? お嬢。

 ここは定番どおりに肉か魚の屋台にしとくかー?」


「いえ・・・・・むむむ。

 今日は{それ以外}に決めました!!」


「「それ以外?」」


(ガヤガヤワイワイワイ、・・・・ザワッ!)


「ん? なんや? 何か始まったんか?」


「うむ、あそこは{自由屋台}がある所だな。

 おや? あれは・・・アルファ君じゃないか。」



あの{自由屋台}は誰でも好きに調理に使用できるように


アルファ君が無料で提供し設置したものだな。


ふむ、アルファ君が何か作るつもりかのう。



「おー、確かに。

 あれはアルファのにーさんやね。

 お嬢・・・あれ? お嬢!?

 え!? いつの間に向こうに!?」


「ふむ・・・すると、あれが{それ以外}の正体なのかな。」



それにしても、ユミネは事前にこの事を知っておったのか?


知らなかったのであれば、我が孫ながら大したものだ。


確かに、あの子は幼少期から霊力に優れ、頭脳明晰で身体能力抜群


歌にも踊りにも通じて芸達者、おまけにあの子の母と同様に器量良しだった。


当然、周囲の大人達からは将来を嘱望されたが、それだけではなく


通りがかった【弁才天様】までもが、あの子を一目見てすっかり惚れこまれてしまい


自らの巫女として予約契約・・・という異例中の異例な出来事まであった。


先程の予感が巫女としての先見能力なのか、もしくはただの勘なのかは知らぬが


この先どう育つのだろうな。



「お待ちしておりました! おじさま!!」


『お、おう?』


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猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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