表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
29/401

29 冒険者Aさんと町の鍛冶工房へ行こう

あらすじ:塩揉みした冷キュウリはおやつにもおかずにもOK、ポリポリ


視点:遂に封印していた必殺拳を解き放ってしまった 大妖狸ミケニャンさん

『』:アルファさん



まったくもう、まったくもうったら、まったくもう!!!!


ああ、腹立たしいですわ!!(ぷんすか)


ああもう、汚らわしい汚らわしい毛皮らしい毛が藁らしい・・んーーー!!!


(むきーーーー!!)敬愛するご主人様以外の男が触ってくるものですから


封印していた【必殺・再起不能烈風大妖狸突き】を解き放っちゃったじゃないですか、もう!!


ご主人様の言いつけを思わず破っちゃったじゃないですか!!(ぷんぷんぷん)


もう! ほんとにもう!!!(くわっ!!!)



『ほーれー、ミーケーーー、そんな怒るな。(ぎゅーーーー)

 俺の言いつけを守って、殺さずによく加減したなー。

 えらいぞー、えらかったぞーーー(なでなでなで)』



!!!!


ういぃっへっへっへっへ、もちろんですよ、ご主人様~~~。(くねくね)


さすが! ミケの事はお見通しですね!!!(くんかくんか)


もっと!! もっと、ミケを甘やかしてください!!!(はあはあはあ)



「ミケ姉さんは、本当にアルファさんの事が大好きなんですね! うおっ。」


「(がばっ!)当然じゃないですか!!

 {勿論}と書いて{もちのろんろん!ろぉーーーーん!!}と叫ぶぐらいにもちろんです!!

 こうして!(くんかくんか)ご主人様に!(すりすり)ぎゅっとしてもらうだけで!!!

 脳内物質が駆け巡るぐらいに!!(はあはあはあ)だいしゅきにきまって!! うへへへへ。」


『ほれ、いつまでもじゃれついとらんで、しゃきっとせえよー。

 ・・・・あーーー、こらアカン、こうなったらしばらく戻らんわ。

 しゃあない、ミケ!(くるっ)よっこらせ!っと(ひょいっ)

 しばらくおんぶしたるわ、これでええやろ?

 ミケはホンマ甘えんぼさんやな。』


「(ぎゅーーーー)うへへへ、ふぁーーい。(すりすりすり)」



ふえっふえっふえっ、そうなのれす!!(くんかくんか)


ミケはご主人様限定のあまえんぼうさんなのれすよーーーーーー!!!(くんかくんか)


ああっ、ご主人様の匂い満点のおんぶさいこおおおおおおおおお!!!!!


(びくんびくんびくんびくびくびく)・・・・・・ふうっ。(しゃきーーーーん!)



「そういえばアルファさん、次はどこへ行くんですか? うおっ。」


『おー、次はやな、この町唯一の鍛冶屋さん【ズールの鍛冶工房】へ行くつもりや。』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「うはっ!? さ・・・魚!?・・・の人?」


「ほーーーーーー、中々面白い面構えのお客さんだねえ。」


「んん? 珍しいな、魚人?って事は、ひょっとして【リューグー】の関係者か?」


「魚のお兄ちゃん、頭おっきいね!! 兜被れないんじゃない?」


「おいしそう! ねえ! 食べていい? 食べていいよね!?」


『わはは、見事に五者五様の反応やな。』



おやっさんと、ボクっ子ロリーフは別として


ここの工房の人達(1名以外)は意外に動じませんねぇ。


まあ、鍛冶の仕事であれば普段からモンスター素材とか扱ってるでしょうし


もっとえぐい、というかグロい素材とかいっぱいありますしね。


頭部が魚ぐらいじゃ驚きませんか。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・というわけで、ご主人様がこの子を預かる事になった訳です。

 ピッチピチの14才なんで、そんな感じで接してあげて下さいな。

 ちなみに、ご主人様とミケはあだ名でサバミソと呼んでます。」


「初めまして、サーバクン・ミーソットです、うおっ。」


『まあ、これからちょこちょこ寄る事になるやろうし

 サバミソの事を宜しくたのんます。』


「こちらこそよろしく、サーバクン君。

 ボクはここの工房で一応工房長をやってるゼークスという者だよ。

 それで・・・」


「何だい、アンタ! もっと堂々とした紹介はできないのかい!?

 アタイはノイツェ! サーバクンく・・ああもう! 言い難いねえ!?

 アタイもサバミソでいいだろ!? よろしくしておくれ! サバミソちゃん!!」


「全くだよ、父ちゃん! あっ、アタイもそっちで呼んでいい?

 14才って事はアタイよりも年上だね!

 というわけで、サバミソの兄ちゃん! アタイはノース!!

 よろしくね!!」


「じゃあ、俺もサバミソって呼ばせてもらうぜ?

 あんまり畏まったのは苦手なんでな。

 俺はトウタロウ、見ての通りの【フソウ人】のおっさんだ。

 よろしくな! サバミソ。」


「えーーっとね(じゅるり)・・・・焼く?」


「「『焼かねえよ!!』」」



話題の流れをぶった切って、このロリーフは本当に困った子ですねえ。


・・・っていうか、まさか初見からずっと頭の中で魚料理思い浮かべてて


話を全く聞いてないんじゃないとか・・・いや、まさか・・・でも・・・。



「というわけで、この食欲馬鹿のヒゲもじゃは雌ドワーフのエッセン。

 ちょっとオツムが可愛そうな子ですけど、悪い子ではないので

 よろしくしてあげて下さいね。」


「ちょ、ちょっと!? ボクはオムツなんて履いてないよ!!」


「・・・・・・あ、はい。

 エッセンさん、よろしくお願いします、うおっ。

 あと、僕を食べようとは思わないで下さいね、うおっ。」



あ、一応聞いてたみたいですね。


最も理解してるかは別ですけど。



「ところでアルファさん、今日はサーバクン君の顔見せだけですか?」


『いや、一応サバミソの武具を作って欲しいんやわ。

 見ての通り、武器はともかく防具は既製品やと無理やしなぁ。』


「なるほど、確かに肩から上が頭部と繋がってるのであれば

 普通の胸部鎧は無理だし、首から肩の間でベルトとか留め具も使えないですね。

 一応確認ですけど、金属鎧じゃないですよね?」


『せやな、金属以外で頼むわ。』


「そうだねえ・・・布か皮製で女性用のチューブトップ型か

 肩当か腕輪を留め具にするしかないんじゃないのかい?」


「もしくは、フード付きのローブを頭からすっぽり被って

 腰だけじゃなく、胸部も紐かベルトで固定するか・・・かな?」


「・・・それよりも、アルファよう。

 坊主が冒険者になるとして、クラスや活動スタイルがわからねえんじゃ

 ゼークス達も、作りようがねえだろが。」


『せやなー、おやっさん。

 サバミソはとりあえず【ソーサラー】で様子見て

 向き不向きや派生は後から決めさせるつもりなんやけど

 スタイルとしては無難な軽戦士タイプやな。

 防具は丈夫な布製の服で、ハード・・・いやソフトレザーの方がええか

 胸と肘、膝と脛当ての部分鎧で十分やわ。

 後は、ハードレザーのグローブとブーツを頼んどこかな。

 お、そうや、丁度ええ素材が・・・(ごそごそ)

 あったあった、この【ダークキャッツビーストの皮】でやな

 グローブとブーツの裏地を作ったって欲しいんや。』


「【ダークキャッツビースト】ですか、聞いた事ないモンスターですけど。

 ・・・ほう、これは良い素材ですね。

 濡れているわけでもないのにしっとりと肌に吸い付くような感触。

 薄手の皮なのに軟らか過ぎず硬過ぎずの適度な弾力性。」


『(どさささっ)こんだけあったら十分やろ。

 たっぷりあるし、余った分は好きに使ってくれてええで。』


「え? いいのかい? さすがアルファさんだねえ、太っ腹だわ!

 アンタ! せっかくだし、色々使ってみようよ!

 そうそう、サバミソちゃん、私達でばっちり良いの作るからね!

 期待して待っといておくれよ!」



ファーーーーーーーー!?


また、ご主人様の{ホイホイと人にあげちゃう癖}が発動しちゃってますよ!!


あれって・・・市場価格だと確か・・・。


・・・おまけに、この大陸のモンスターじゃないですから


そりゃあ、聞いた事もない素材でしょうよ。


まあ確かに、倒して手に入れた物ですので、量はまだまだあったと思いますけど。


それにしたって、ホイホイあげすぎですよぅ~~。


とは言え、それこそがご主人様ですし仕方ないですよね。


・・・でも、素材元を知らない割りに、特徴をピタリと言い当てましたね。


こんな辺境の港町にある工房なのに、実に良い目利きのご夫婦です。



『まあ、当分はこっちでの日常生活に慣れさせる事が先やから

 使うのもまだ先になるしな。

 作ってもらうのも急やないし、ボチボチ作ってもらえればええで。』


「ええ、了解で「あいよ!! 任しときな!!!」・・すよ。」


「んで、アルファよぅ、防具はそれでいいとして、武器はどうすんだ?

 坊主のクラスは【ソーサラー】って言ってたが

 魔法使い用の杖ったって、発動体はこの工房じゃ作ってねえぞ?」


「ねえねえ、アルファ、なんかお菓子持ってない?」



トウタロウのおやっさん。


自分はもう武具を作らなくなった割には口は出すんですよねえ。


・・・2年前、私達と一緒にこの港町に来る前までは


【フソウ】で一流の鍛冶屋やってて【行者】用の武具作ってましたし


それ以上に{世話焼きのオヤジさん}として有名でしたからね。


どーーーしても、癖であれこれ口を出しちゃうんでしょう。


でも、おやっさん、あなた今は自分の趣味の馬具や馬車関連ばっかじゃないですか。


まあ、農具の修理したりハサミや包丁なんかの刃物は作ってるみたいですけど。



『・・・ミケ、それはそれでええんや、その為に一緒に連れ出したんやしな。

 それにしても、ふむ・・昼はどっかで食べようかと思っとったけど

 せっかく市場で食材買うたしな・・・。

 ここはやはり【フライ定食】か? いや【天丼】も捨てがたい(ぶつぶつ)』


「? おっちゃん、何の話ーーー?」


「? アルファさん、どうかしたんですか? うおっ。」


「ボクおなか減ったよ、おやつさーん、何か食べる物無いーー?」


「お前ぇはさっき朝飯食ったろうが、あとおやつさんじゃねえ、何度言ったら分かりやがる!

 ・・・にしても、揚げ物か、作るには手間かかるから最近食ってねえな。」



お・・・・・・おっ・・・ お っ ち ゃ ん ですって!!!?


言うに事欠いて、ご、ご、ご・・・ご主人様に対して!!!!!!!!


あと、そこのヒゲロリーフはすること無いなら帰って寝てるぉぉお!!!!


全く! 口元寂しいなら、ワンコ用のおしゃぶり骨でもしゃぶってれば良いんですよ!



『んー、何でもないんやでノースちゃん。

 実はおっちゃんな! ミケの考えてる事がびびびっと分かるんや!

 すごいやろ!!』


「そうなの!? おっちゃんすげーーーー!!!」



んもうご主人様ったら、ミケと{以心伝心}だなんて!?(くねくね)


これはもう{夫婦}と呼んでも差し支え・・・(ふんすふんす)


いえ!! もはや{一心同体}といっても過言じゃ!!!?(にやにやにやにや)



「あーーー、今何考えてるかはアタイでも分かるかも。」


「・・・確かにこれはアタイでも分かるねえ。

 うちの旦那じゃちょっと分からないかもしれないけど。

 それで、アルファさん、武器はどうするんだい?」


「僕じゃあって・・・・・・まあ今はいいか。

 さて、どうします? 発動体は無理ですけど杖だけでも作ります?

 もしくは魔法使い系なら、護身用に【ショートスピア】辺りですか?」


『おっと、すまんすまん、完全に横道に逸れてもうたな。

 えっとやな、魔法は発動体付きの指輪があるからもうええねん。

 だから武器は【メイス】&【スモールシールド】でよろしく。』


「ん? なんだ、自衛どころか普通に近接戦もこなせるようにすんのか?」


『せやな、そのつもりやで。

 【メイス】の柄は・・・このぐらいのちょい長めで、木製で頼むわ。

 頭部は縦長で浅いイガイガついたやつな。

 【スモールシールド】は{五角で平面}のやつで。

 ぶっちゃけ、武器に関しては消耗品のつもりなんやわ。

 だから、材料は別にそこそこ安いやつでええんやけど

 同じのが何本か欲しいから・・・えーーーっと、とりあえず3本で。

 1本は予備にするし、使い勝手が丁度良かったら

 また追加で同じの注文するんで、見本用に1本置いときたいしな。』


「3本ですね、了解ですよ。

 盾の方はどうしましょうか? 反りの無い平面タイプでしたよね。

 ・・・という事は、実用向けに装飾は無しで、手持ち型でいいんですよね?

 あと、縁はどうします?」


『んー、縁も無しで。

 あと、盾は軽めにしときたいから、木製に鉄板貼ったやつでええんで。

 これも何個か予備作っといてもらえると助かるかな。』


「あいよ! 任せといてくれよ。

 それじゃあ、サバミソちゃん! サイズとか測るから奥まで来てくれるかい。」


「アタイも手伝うよ! 行こう! サバミソの兄ちゃん!(ぐいぐいぐい)」


「あわわわ・・・あ、アルファさん、行ってきます、うおっ。」


『おー、しっかり測ってもらえよー。

 あ、ゼークスくん、代金先に払っとくわ。

 と言っても、全額で幾らになるかはまだ分からんと思うし

 とりあえず前金で渡しとくなー、ほい。(チャリン)

 余ったら後は手数料って事で好きに使ってー。』


「!? これって金貨じゃないですか!? しかも2枚も!!

 いくらなんでもそんなにかかりませんし、そんなもらえませんよ!!

 ちゃんと、経費とか計上して、お釣りはお返ししますので!!」


『えーーー? ゼークスくんは真面目やなぁ、別にええのに。』


「いや、アルファ、お前ぇが大雑把すぎるんだよ。」


『えーーー? そんな事な「あります。」「あるな。」「ありますね。」

 そんな皆で言わんでも・・・(´・ω・`)しょぼん』



大雑把ではあるんですけど、それだけ度量が大きいとも言えますよね!


さすがです! ご主人様!!


しょぼーんとしたご主人様! 抱きしめて差し上げたい!!


むしろ! 抱きしめて!! そのまま!!! 宿へ!!!!


お持ち帰り!!!!! したあああああああい!!!!!!



「えっ!? じゃあ、ボクがお釣りでご馳走食べてもいいんじゃない?」


「「「『何で!!!!???』」」」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ